7/10(2)ファイナンシャルプランとマイホームの関係
- 2017.07.10
- ファイナンシャルプラン
株式以外も相談できるという証券会社のコマーシャルがあります。目を凝らすと、「株、投資信託、債券、預金、保険などをお取り扱いしています。退職 金や相続のご相談、投資アドバイスもします」とアピールしています。
このコマーシャルの目的は「株式投資の初心者」を募ることにあるのでしょう。「口座を開設して頂ければ、株の売買だけでなく、幅広く資産運用のご相談に乗りますよ」というわけです。ご相談だけだったら無料なのでしょうが、顧客になってくれるという思惑があるに違いありません。
そういえば、筆者も某証券に口座を開設したことがありました。
実は、知人の会社が株式を上場する前に「安定株主になってほしい」と頼まれて僅かな金額でしたが投資したことがありました。いわゆる割り当て増資に応じたのです。
その株を10年保有し続けたのでもういいだろうと売却をするため、初めて証券会社の扉を開けましたが、そのとき口座を開設する必要があると言われました。株券の現物を持参し、売却依頼をしたのですが、売れた代金を依頼者指定の銀行口座に振り込んでくれるのかと思ったら、そうではなかったのです。
その件が終了した後も営業マンから度々株取引の誘いがあって閉口した記憶が残っていますが、株投資はギャンブルだから手を出さないことにしていると断り続けたため、いつの間にかパタリと来なくなりました。
今でも口座が残っているのですが、住所変更の手続きをしていないせいか、DMも来なくなりました。きちんと向き合ってお付き合いしていたらどうなったのだろう。最近ふとそんなことを思いました。
大した財産があるわけでもないのですが、おいおい相続対策も考えておく必要があるかもしれないと思いつつ何もしていないことに「まだ自分は長く生きられる」という油断があるのかもしれない。そんなことも思ったりしています。
さて、資産運用の相談はどこに行くべきなのでしょうか?証券会社?信託銀行?それとも生保会社?いずれも垣根が高くないでしょうか?毎月、多額の保険料を払い込んでいる生命保険会社なら、大威張りで「保険の見直しをしたい」と言えば飛んで来るでしょうが、資産運用全般を指南してくれたりするのでしょうか?
若いときは資産運用するにも「タネ銭」すらなく、やがて脱サラして稼いだので、気付いたときには「タネ銭」以上の貯蓄も不動産という資産も僅かながら保有していました。 しかし、人に自慢できるようなレベルではなく、多忙な日々を送っているうちに時間だけが経ってしまいました。
脱サラして何年か経て会った同級生が某大手生保の社員だった関係で加入した生命保険には毎月多額の保険料を今も払っていますが、後日知り合ったプルデンシャル生命の外交員は、「こんな種類の保険はもったいない」と批判し、しきりに乗り換えを勧めてくれましたが、それも多忙を理由に立ち消えにしてしまいました。
足りなければ稼げばいいと思っていたこともあり、家庭のファイナンシャルプランなど真剣に考えない人生を送ってきました。いわば刹那的な生き方をしてきたわけです。もっと計画的に資産形成をしていたら、違った人生になったかもしれないなと大いに反省しているところです。
さて、ファイナンシャルプランナーという職業が日本で認識されるようになって30年も経つのだそうですが、今でも何をする人なのと疑問に思うほど筆者には縁の遠い存在でした。正確には不動産とも関連のある職業なので、少なくとも20年くらい前から何となく知ってはいたのですが。
平たく言えば、家庭の「総合的な資産形成アドバイザー」のようなものでしょうか?
資産形成のためには、最低限の生活費を確保したうえで余剰資金を捻りだす必要があります。貯蓄も保険も資産というなら、不動産や株式などより優先するべき対象になるのでしょうか。
しかし、不動産も自己居住用ならば、株式投資・投資信託といったものより優先されるはずです。
自宅マンションの住宅ローンを最長の35年で組むとして、年齢的に定年までに完済できない人とするなら、そのときは定年に合わせて短くするか、長く組んでおいて途中で繰り上げ返済を実行することを考えなければならないでしょう。
無理のない住宅ローンを組むとして、購入可能なマンションが希望するエリアでは築30年の古い物件になってしまうとしたら、そこに定年後も住み続けられるのかという別の課題が浮かび上がります。
もし、20年くらいしか住めない(住めないことはないが住み替えた方がよい)としたら、買い替えなければならない。定年前に買い替えるとしても、長いローンは組めないわけだし、退職金と売却資金で終の棲家を買うことはできるだろうか?買うことができるようにするためにはどうしたらいいのだろう。
親から相続できそうな資産もあるが、どのくらい期待していいものか?また、それを有効に生かす手立ては?
このように考えて行くと、想定する数値の置き方で幾通りもシミュレーションができてしまうはずです。このファイナンシャルプランを個人が仕事の合間、合間に考え、まとめ上げて行くというのは結構大変な作業になるに違いありません。
シミュレーションを行うときに欠かせないのがキャッシュフロー表ではないかと思うのですが、これを30年、40年に渡って作成するだけなら、コンピューターソフトを入手もしくは自身でプログラミングできれば可能かもしれません。しかし、前提条件の変数をどうするかで行き詰ってしまうに違いありません。
中には、不透明な先の先まで考えても仕方ないのではないかと主張する人もあるかもしれません。確かに、人生の3大支出の①教育費、②老後資金、③住居費のうち、少なくとも①と②は不確定要素が多過ぎますね。
①の教育費は、私立を選ぶか公立を選ぶべきかで大きな差が生まれます。子供の数でも違って来ます。浪人したらとか、大学院に進みたいと言い出したらなど、想定できる要素はいくつもあります。
②の老後資金も、長生きするほど予測不能になります。生活資金だけでなく、介護費や入院費なども必要になるかもしれません。
これらの不確実な支出に備えて、多くの日本国民は貯蓄に励みます。大まかに、いつ頃いくらくらいかかりそうだと目標金額を定めて貯蓄をして行くことになります。
しかし、③の住居費は確定させることが可能です。購入の場合なら、貯蓄とのバランスを考えて住宅ローンに回すのはいくらまでと予算を立てることができるでしょう。繰り上げ返済をしなければならない人なら、その分の別段貯金を織り込むことが必要になるかもしれません。
収入も不確定要素でしょうか?勤務する企業にもよるでしょうし、民間でなく公務員であれば、これまた違うでしょうが、職場の賃金体系や組織体制などによっては10年先には年収が何%増えると読むことは可能でしょう。
こうして作成したキャッシュフロー表が、もしかすると各家庭の金科玉条のような存在となり、そこから住宅ローンの借り入れ限度額と購入予算が決まってきます。
本人との対話の中からキャッシュフロー表を作成しつつ、一定の解答を導くのがFP(ファイナンシャルプランナー)の仕事になるようです。解答のひとつが住宅費です。購入なら購入予算ということになります。
予算が決まれば、その範囲でマンション探しをして行けばよいわけです。ところが、選択肢は必ずしも多くはありません。「帯に短し・タスキに長し」で、中々満足できる候補に巡り合えず嘆息の日々が何か月も続くのが普通です。
そこで、ここらは住宅アドバイザーの出番となります。長期的な展望のもとに、候補マンションの購入が是か非か、是だとして将来の資産性はどうなのか、買い替えるとしたら時期はいつ頃が適切か、気をつけるべき点は何か?このようなことに解を見出すべく調査と分析を行うことになります。
その手前で早く候補物件に辿り着く方法論を教えてくれるかもしれません。
候補を探し当てたとしても、見送った方が良い物件もあるので、そのことをズバリとお応えするのも住宅アドバイザーの仕事になります。折角探し当てて、購入意欲が高まっていた物件にダメ出しをしなければならない時もあるのです。
いずれにしても、ファイナンシャルプランナーと住宅アドバイザーには、それぞれの役割があり、消費者の立場から見て利用価値が高いと言えるのではないかと思います。
最後に、この場をお借りしてお勧めのプランナー事務所をご紹介しておきます。FPだけのご相談ならこちらが良いでしょう。 https://fpplants.jp/
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・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。