筆者の住むマンションは20戸台の小型低層マンションである。毎月の管理費がとても高い。これは仕方ないところである。管理人さんが週6日の勤務なので、平均月収30万円を世帯数で割ると、1世帯当たり1万円余となる。つまり、管理人人件費だけでも1万円以上も負担する計算になる。 地下にも駐車場があるから共用部分の面積が広く、その分だけ管理対象も広いせいだろうか、細かく分析はしていないが、それにしても高いような気がする。 管理委託先は大手の管理会社である。暴利をむさぼるような会社ではないと思う。だが、信頼 […]
慎重に行動したはずなのに、何故か失敗してしまう人がいる。これは、住宅購入に限らないのだが、買い物が買い物だけに、失敗したと笑ってすますわけにもいかない。 失敗するのは、どのようなタイプなのか。次に分類して紹介しておく。 (リクルート社発行の住宅情報誌を一部参考にさせてもらった) 1.「木を見て森を見ないタイプ」 モデルルームのキッチンが憧れのアイランド型で、購入したのも同型。長年の夢がかなったと喜んだが、近所のコンビニの前で夜中に騒ぐ若者の声に悩まされること […]
あちら立てればこちらが立たず、帯に短したすきに長し、一長一短がある。これが、マンション(住宅)というものである。雑誌の記事を見ていると、よく「待った甲斐がありました。3年探し続けて理想のマンションに出会いました」などという喜びの声が載っているときがある。 本当にそうだろうか。単に錯覚しているだけなのではないか。私には、そうとしか思えない。理想のマンションなど、存在しえないのだから。ただ、屁理屈を言えば、人によって理想の基準が違うから、他人が嫌だという部分があっても、当人にとっては理想なのかもし […]
モデルルームで、見学者が「上階の音は大丈夫ですか」と聞いたら、「スラブ厚が25センチもあるので心配ないですよ」と答えた営業マン。「バルコニー側の隣地に、将来マンションが建つ可能性はありませんか」と聞くと、「日照権がありますから心配いりません」と説明した営業マン。これは、本当にあった最近の話である。 少し勉強した営業マンなら、笑ってしまうような回答である。「スラブが厚くても、他の条件次第では、薄いマンションと変わらない。音の聞こえ方は様々で、いろんな原因が考えられるので、遮音対策に力を入れたマ […]
同潤会アパ―トという名前を聞いたことがあるだろうか。大正時代末期、関東大震災が東京圏を襲ったとき、復興住宅として建設された、当時は珍しい鉄筋コンクリートの集合住宅である。東京都内各地に建てられた。 これがマンションの草分け的な建築物と言われ、最近まで残存していた。建て替えられた中で一番有名なのが、安藤忠雄氏の設計としても知られる、原宿の「表参道ヒルズ」だ。 マンションと言っても、当時は賃貸である。財団法人同潤会が建設したので、「同潤会〇〇アパート」とネーミングされた。同潤会江戸川アパート、同潤会 […]
マンション分譲というビジネスは、資金さえあれば、パートナー企業とのコラボレーションによって誰にでもできるように見える。このため、しばしば異業種からの参入が繰り返されて来た。 古くは、品川燃料、フランスベッド、帝人、カネボウなど、最近では、メルシャンワイン、アートコーポレーションといった企業名が浮かんで来る。その他にも、三菱電機(ライフサービス)、三洋電機(三洋ホーム)、旭化成(ホームズ)といった企業も、子会社の事業とはいえ、異業種組になる。 歴史あるデベロッパーも、多くは鉄道系や商社系、鉄道 […]
マンションの価格を継続的に調査しているという会社が東京には複数あるが、それらの会社による調査データを見て、「やはり」と気付くものがある。 それは、新築マンション対中古マンションの価格差である。 地域ごとに、販売された新築価格と取引された中古価格を対比したもので、結論だけを言うと、①「都心のマンションは、中古になっても値段が新築に対して極端に値下がりしないが、郊外ほど短時間に下落してしまう」、②「東京の人気スポットは、新築並みか、それ以上の中古マンションも多い」、③「郊外(=東京都以外)でも、 […]
新築マンションの検索サイトを全国くまなく見て回った。狙いは、マンション業者がどのくらい間取りを重視しているかを見るためである。 何となく分かっていたことだったが、間取りにこだわった物件は数えるほどしかないのに失望した。 良い間取りは、ある程度余裕のある面積の中で生まれるもので、例えば3LDKの間取りを作ろうとすれば、70㎡ではダメで、最低でも77㎡ないと良い間取りにはならない。できたら、85㎡は欲しいのである。 そうなると、価格の高い東京では無理があるから、良い間取りは必然的に地方に多く […]
ちょっとしたことで記憶が呼び戻されることがある。今日、理由は言えないが、数年前に発覚した、建築士による「耐震偽装事件」を思い出した。 必要な強度のないマンションやビジネスホテルが全国各地に多数建築され、そのうちの何棟かは解体の憂き目をみることとなった。国会でも取り上げるほどの大事件である。 そのようなマンションを買ってしまった人には、ただ「お気の毒」というほかにないが、得た結論は、価格の安いマンションは、疑ってかからなければならないというものだ。 偽装マンション分譲業者は、以前から「安さと […]
タワーマンション、すなわち20階建て以上の超高層マンションのことである。どこにも定義として書かれてはいないが、いつの間にか業界の慣例で、そんな区別がされるようになった。 さて、そのタワーマンションがこの10年くらいの間に急激に増加した。規制緩和の流れを汲んだ形であるが、倉庫や工場跡地などの広い敷地を利用して建つマンションは、ほとんどすべてがタワーである。東京都内のマンションは、すべてタワーといっても過言でないほど、新規発売の広告はタワーばかりだ。 もはや、タワーマンションには、希少性のかけら […]