第786回「値下がり覚悟で買わなければならないこともあるが・・・」

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論「マンションの資産価値論」を展開しております。10日おきの投稿です。

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今日は、マンションの資産価値というテーマから離れて「マンション選びの根本」について述べようと思います。

 

●あるお便りから

今回の買い替えは、以前検討時よりも資産価値にこだわるのではなく、子育てベースでの環境を最優先に、「街」の景観や住み心地の良さをメインに据えて選んでいます。そのため、通勤の悪さは若干覚悟のうえです。

 

・・・とはいえ、相変わらず転勤の心配はあるので、リセールを全く無視するわけにもいかないとも考えています。それにマンションを上手に買い替えることは、資産保持を考えても定期的に行うべきとも思っているからです。

 

ただ、今回の家はひとまず将来の資産価値については損をしない程度に控え、「子供を良い環境で育つための住まい」というテーマを出来る限り優先したいという想いで夫婦の考えは一致しています。

 

そんな私たちの選んだ街は、●●タウンです。他の街も探してはいますが、なかなか同様の場所が見つからないです。●●や▲▼なども候補に入りましたが、●●が一番として評価しました。

 

街としての魅力は絶対あると思うので、リセール時にも自分のような境遇の買い手に魅力的なアピールが出来るのでは・・・と考えています。 (後略)

 

●将来価格の期待と不安

選んだ物件●●を買ったら、「将来の価格下落予想はどの程度」に思っておけばいいかというのが質問の趣旨でした。 家庭の事情もあるようですが、これを開陳するわけには行かないので、要旨だけを書きました。

 

要するに、人気の街とは思うが、将来価値はどのくらいになるのか、値上がりするのか、それとも値下りを覚悟しなればならないのか。 そんな期待と不安が交錯しているようです。

 

ここ数年、マンションの価格は鰻登りで、どこも高くなりました。とはいえ、地域差、物件格差はあるのです。ご相談者には、次のように答えました。

 

「・・・以上のように、OO地区は、好イメージで人気のある部類ですが、それでも人口は減少傾向を示しており、10年先に高い人気を誇るエリアであり続けるかは疑問を覚えます (中略)・・・10年後の予想価格は、現状維持を前提に置いたものですから、もっと下の数字を覚悟しなければならないかもしれません・・・・・しかしながら、10年後のローン残債は●●万円ですから、予想売却額から引くと●●万円が残る計算です・・・・・ここが救いと言えるでしょう」 と。

 

少し郊外の中核都市、その中でも人気度が高い○○駅、その駅から徒歩7分ほどの立地で、環境も良く、かつ買い物便なども過不足がない物件でした。

 

しかしながら、中古物件の相場は依頼者を落胆させるほどの低いものでした。当該エリアに限らず、郊外都市の中には意外なほど評価が低く、選択物件、選択住戸の地域内における位置づけ、購入価格等によって差異があるものの、期待外れになる例が多いのです。

 

●金銭の額では測れないのが“幸福度“

そもそもマンション購入に踏み切るきっかけの大半は、支払い家賃の高さにあります。

日本の住宅事情が招いているのですが、これは世界の主要国でも同様で、大都市はどこも高家賃のようです。

 

便利な暮らしをしたければ高いコストは仕方ないということなのでしょう。コロナ禍が地方都市や郊外居住者を増やしているようですが、それでも都会の便利さを知ってしまうと、なかなか地方暮らしに転ずるのは難しいものです。

 

地方移住がマスコミに受けるのは、稀有な例だからです。言い換えると「ニュースバリューが高いからです。 「郊外に大移動などというトレンドにはなるまい」・・・筆者はそう考えています。

 

インターネットを駆使した働きかたが普通の時代とはいえ、集まって仕事する、集まって暮らす、集まってお茶を飲む、食事を楽しむ、会って顔を見て話すといったことは昔も今も、きっと今後も必要なのです。

 

まして、子供を持ったら、その教育環境も重要です。自然の中で伸び伸び過ごさせるという子育ても悪くないですが、それが何年も続くわけではありません。進学の問題も出て来ます。想定外の事態によって、転校をしなければならないかもしれません。

 

買ってしまったら、簡単に移住もできないかもしれないと考えると、売却や賃貸の条件も慎重にはかったうえで選ぶことが大事です。いザというとき、売れない、貸すのも難しいなどという事態だけは避けなければならないのです。

●低利の住宅ローンは返済スピードも早いものだが

売るとき、問題になるのは住宅ローンの残債処理です。

 

住宅ローンがまだ80%も残っている時点で売却するとしたら、売値はその額以上でなければ困ることになるケースが多いはずです。

 

ご承知のとおり、今は史上まれに見る低金利時代です。高額な住宅ローンを借りても、返済は早く進むものです。年利1%未満のローンなら、35年の長期でも返済の進み方は実に早いものです。

 

3分の1の12年経過時点で、約30%は減っています。言い換えれば、残債は70%なのです。従って、購入額から、30%も値下がりしてしまったら、売却時の精算を心配しなければならなくなるのです。

 

10年程度だったら、30%も値下がりしないだろうと考える人も少なくないようです。ところが、現実は物件格差があって、30%は微妙な数値です。

 

よって、値下がり率の低い人気エリアの人気マンションを選択するよう心がけなければならないのです。

 

マンション購入の目的は「儲ける」ことではないものの、大きな資金を投入して買う以上、大損はしたくないもの、売ったときにローンの残債を整理するために手元資金から支出しなければならばいという事態は避けたいものです。

 

10年後に売却時期が来るとするなら、25%も値下がりするような物件は避けなければなりません

 

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