マンションの買い時はいつ?

 マイホームは、過去から見れば今の方が高いが、未来から見れば今は安い。だから今がチャンスである」という誰かの言葉がある。
 これは、過去に買いそびれた人は、「もっと早く購入しておけばよかった」と思うだろう、既にマイホームを手にした人は「もう少し早く買っておけば、今頃はローンも残り少なく余裕ある暮らしができたのに」と思うだろうということを表している。
 バブル経済の真っただ中で買った人を除けば、早く買って失敗したという話は殆ど聞かない。むしろ、購入のタイミングが遅かったという後悔の声の方が多い。
 私たちの周囲を見てみると、快適なマンションライフを手にしている人たちの共通点は、いち早く購入しているという点である。既にローンを完済し、日々ゆとりある暮らしを送っていたり、買い替えも実行して、優雅な老後を過ごしていたりする。

 よく、金利が安いから買いだとか、価格がまだ下がるから様子見が賢明だとかと、したり顔の専門家を見かけますが、それは、人生の中では一瞬のことに過ぎない。

 金利の動きは誰にも読めない。毎月の返済額を減らそうと、これから時間をかけて頭金を増やしても、いざ借りるときに金利が上がっていたら、返済額が減るどころか増えてしまう可能性もある。
 今は低金利が続いているから、今後は金利が下がる余地よりも、上がる余地のほうが大きいかもしれない。でも、ずっと横ばいという可能性だってある。結局、金利の動きは誰にも読めないから、欲しいと思える物件と出会って、余裕をもってローンを返していける資金計画が立てられるなら、そのときが買い時とも言えるのである。

 価格の変動でも同じこと。金利よりは読みやすいが、それでも、予想は絶対ではない。

 金利にせよ、価格にせよ、その動向に一喜一憂しながらマイホームの買い時を探すという考え方は、本末転倒と言っても過言ではない。
 
 ところで、モデルルームを見学に行く人はどのような理由があるのだろうか。
結婚や転勤などの事情がある人も中にはあるが、ほとんどの人が今スグに買わなければならないという事情を抱えているわけではない。
 「家賃が勿体ないから」とか、「現在の住まいが手狭なので」、「いつかはマイホームを持ちたいと思っているから」などと、やや漠然とした動機や背景があって見学に行く。
きっかけは、「近くにマンションができたから」、「友人から勧められて」、「転居したお隣さんに刺激を受けて」といったものが多い。

 住宅購入経験者の事例を調べてみても、切迫した状況はなく、急がない人たちばかりである。しかし、急がないのにある日突然マンションを買うのは何故だろうか
 これは、夫婦の出会いに似ている。たまたま縁があって購入したというケースが多いのだ。

 買い時はいつかと考えるのではなく、買いたいと思ったときが買い時と考える方が良いのだと思う。

今日はここまでです。有り難うございました。 三井健太

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