ついに1%台に下がった固定金利の住宅ローン

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

変動型ローンは、一定の(簡単な)条件を満たせば0.9%は普通で0.7%台もあるという、史上空前の超低金利となっています。
変動型ローンは金利が上がるリスクを伴いますが、35年間変わらないことでリスクのない固定型ローン、その代表格の「フラット35」が、2012年7月、ついに1.94%となった模様です。
現金購入者を除けば、これほど有利な住宅購入機は過去になかった、まさに「絶好のチャンス」と言えそうです。
言うまでもなく、金利の低下は購買力を押し上げます。借り入れを増やしても、年収に対する返済負担率は変わらないため、買い手自身がびっくりするほどのローンを組めるようになりました。
そんなに借金して大丈夫かという心配は横に置き、金利の差で購買力(借金力)はどう変化するのでしょうか?
フラット35の金利は、6年前の2006年7月に3.2%でした(銀行によって差があるので、全国平均の数値を利用)。これが1.94%に下がったことで返済額がどう違うか、試算してみました。

●驚くほど多額の住宅ローンが組める時代になった
3.2%のとき、1000万円を35年返済で借りると毎月返済は39,609円。これが1.94%になると32,819円に減りますので、同じ返済額にして割り戻すと、約1200万円の借り入れが可能と出ました。
年収が500万円の人で、年間返済率を平均的な20%100万円に抑える前提にすると、3.2%のときなら約2100万円の借り入れが可能ですが、1.94%になると約2500万円に増えます。ちなみに、リスク覚悟で0.9%の変動型ローンを利用すると、実に3000万円も借り入れが可能なのです。固定型の約1.5倍です。
年間返済額を150万円まで伸ばせる人なら、フラット35利用で3750万円、変動型なら4500万円も借り入れ可能となります。

実は、銀行の審査基準のうち、年間返済率に関しては甘いところがあり、年収の30%くらいまでOKだったりします。従って、生活設計も何も無視して、借りられるだけ借りようとしたら、予想をはるかに超えて借金することができるのです。これに頭金を足せば、存外大きな買い物ができてしまいます。その意味で、今は千載一遇のチャンスかもしれません。
初めてモデルルームを訪れた人が、最初にびっくりするのがここです。「俺って結構、力あるじゃん」――そんなふうに錯覚しても不思議ではないのです。

●返済を滞りなくできるかが大事
しかし、ここで一度自分の足元を見つめることが必要です。今は返済できても先はどうかということです。
共働きの場合、妻が専業主婦になったときの家計は大丈夫か、子育て後の職場復帰や再就職は果たしては可能か、子供の教育費が嵩む時期に返済できるか、ボーナスがなくなったとき、すなわち減収になったときも返済できるか。こうした点をよく考えてみることが重要ですね。
ちなみに、子供の教育費は一般的にいくら位かかるかと言えば、公立と私立では随分違うもので、文部科学省「平成20年度 こどもの学習費調査」と、大学は日本学生支援機構「平成20年度学生生活費調査」のデータでは、幼稚園は年間に公立が23万円で済むのに対し、私立は54万円かかります。小学校は公立31万円/私立139万円、中学校が同48万円/同124万円、高校は同52万円/同98万円、大学が、同64万円/同134万円となっています。
子供が二人いて、年が接近していたら大変です。
また、収入が増えると支出も増えるのが普通です。特に男性の場合は、部下や後輩との交際費、いわゆるお小遣いも増えるものです。また、自己投資のための費用(教育費)という項目も無視はできません。

●固定資産税も忘れずに
不動産を購入すれば税金もかかります。不動産取得税は一回きりですが、固定資産税は毎年かかって来ます。納付の方法は年4回の分割ですが、毎月平均にすると標準的な3LDKのマンションの場合で1万円から2万円もかかることを計算に入れておく必要があります。
家は年数が経てば修理したい部分も出て来ますね。一戸建てなら自分の勝手で、好きなときにやればいいのですが、マンションの場合はそうも行きません。もちろん内装は勝手ですが、共用部分は勝手にというわけにはいかないのです。管理組合の決議に従って、修繕積立金を払う必要があります。その金額は、5年に一度くらいの頻度で上がると思っておかなければならないのです。

●変動金利と固定金利のミックスでリスク分散
ところで、先に見たように固定型のローンより変動型ローンの方が圧倒的に金利は安く、借りられる金額にも大きな差が生まれますが、変動型にはリスクが伴います。そこで、お勧めするのが「変動7割+固定3割」くらいの割合で2種類のミックスローンを利用する方法です。
どのタイプを利用するにしても、返済額はほどほどに抑えるようにしましょう。
要は、自身の環境変化(転勤、単身赴任、減収、子育てなど)と、金融環境の変化を念頭に置いて資金計画を組むこと、これも後悔しないマンション購入のコツです。

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