価格が上がり過ぎて売れ行きが悪化すると?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

価格が急騰すると、購買力とのミスマッチが起きてマンションは売れなくなるのではないか?売れ残ったとき、マンション業者は値引き販売を始めるので、先に購入すると損した気分になりそうだ。

こんな声をときどき聞きます。今日は、最近の価格上昇の影響についてお話しします。

●価格が上がれば手が届かなくなる人が増える

購買力と価格のミスマッチは、販売に大いに影響するものです。

購買力は急に高まらないと考えられますから、価格だけが急騰することでミスマッチ状態は起こります。そうなると、売れ行きは悪化するはずです。

しかし、現実は少し異なります。価格が上がって買えなくなったので断念するという人ばかりではないからです。

例えば、都心では買えないので郊外に目を向けて買える物件を探す人がいるでしょうし、親に無心して予算を増やす人、夫だけの資金を夫婦の協力に変えて予算を増やす人などもあるはずです。

また、勤務先の職位が上がって年収が増えることになったので、ローンを限度一杯まで借りて予算を増やす人もいるわけです。

とはいえ、しばらく様子見に転じる人は間違いなく増えるでしょう。問題は、その数です。

●価格が上がって需要が減っても供給量が減ればバランスする

特定の市場、例えば東京西部の中央線沿線エリアなどと、大まかに見た場合、その需要が半分に減退してしまったとします。とすると、販売するマンションの半分は残ってしまうのでしょうか? 

理屈はそうですが、減った需要に見合う供給量であれば、表面上はミスマッチも売れゆきの悪化も起こらないのです。

現在の需給バランスを首都圏で見ると、(根拠は別の機会に説明しますが)、どのエリアもおおむね需要100に対し供給は80か70です。 つまり供給不足なのです。

従って、需要が20や30減っても売れ残ることはないのです。

ところが、現実には売れ残っている物件もありますね。その事実はどう説明できるのでしょうか?

特定エリアの中には、当然ながら良い物、良くない物が混在しているわけです。買いたい物件がなければ次の機会を待つ人もありましょうし、他のエリア、例えば希望エリアを中央区から江東区などに変更する人もあるわけです。

いくら物件がないからと言って、買いたくない物件を無理してまで買うわけではないのです。

もし、「売れ残りでも何でも大急ぎで買わなくては」と購買活動に走るとしたら、将にバブル期のような異常な市況が発生したときでしょう。

そこまでの熱気は見えないので、市場全体では需給バランスが崩れないと言えても、個別の物件単位で見れば売れ残ってしまう物が出て来て不思議はないのです。

●都心物件や人気駅の物件は余るほどの需要がある

価格が上昇しても需要不足に陥る心配がない特別なエリアもあります。それは、大まかに言えば都心と郊外でも人気の駅です。

元々が供給しにくい人気エリアなので、常にオーバーフローするほど需要があります。従って、価格高騰で落ちこぼれてしまう数が増えても、供給量に見合うだけの需要は残ると考えられるのです。

勿論、それでも固有の条件によって販売スピードが違って来ます。 竣工後に実物を内覧できる状態になってようやく完売するという物件もあるのは確かです。

しかし、総じて都心物件と人気駅の物件は売れ残る確率が低いものです。

●売れなければ値引き販売が横行する

売れ残ってしまった物件は、事業主にもよりますが値引き販売を断行するのが常です。完成したマンションを空き状態で長く放置するわけには行かないからです。

建物の竣工までには全戸完売し、一斉に引き渡ししたいのが売主共通の目標ですから、それが危ぶまれるときは様々な販促手段を早めに講じ、最後は値引きも辞さないのです。

価格の上昇が続いて売れ残り物件が増えて来れば、値引き販売も増えるのは間違いありません。

検討している物件が、どのような販売状況を辿って行くのか、或いは辿ってきたのか、ここをよく見極めることが今後は大事になって来そうです。

●売れ行きをひたすら隠す売主

売れ行きが悪いと見れば、買い手は人気がないと思い、人気がないのは何か問題があるのではないかと疑い、ついには見送るという結論に至るかもしれません。

そのような買い手(モデルルーム見学者)を増やしたくない売主・販売現場は、売れ行きを可能な限り(誇大広告や不当表示等の制限に抵触しない範囲で)隠そうとします。

分割販売方式によって売り出し戸数を絞ることで、売れ残りがないように見せかけながら、買い手の購買熱を高めつつ契約に結び付けようという計略が実践されます。

従って、売れ行きを読むのは中々大変ですが、慌てて契約をしてしまわないように注意しなければなりません。

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