ローン控除をフル活用できる中古とできない中古

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

中古マンションを選ぶときは、築15年までがいいという主張を雑誌等でときどき見かけます。

理由はこうです。

ご承知のように、住宅ローン控除は毎年末の借入残高の1%以内、かつ40万円を上限に、その年に納めた所得税・住民税の総額から控除してくれるというものです。しかも、10年間に渡り。

ただし、要件のひとつに「築25年までの物件」があるのです。従って、築15年以内の物件なら10年間の最長期間で控除が受けられ、最大で400万円の税額控除の恩恵を享受できますが、例えば築20年の中古マンションを買った場合は、控除期間が5年間に短縮されてしまうのです。

築15年以下で5000万円のマンションで、4000万円以上のローンを利用する人なら実質は4600万円で買ったことになるというわけです。

毎年、最高で40万円、10年で400万円も税金が減るというのは、住宅購入予定者にとって大きなインセンティブとなるものです。金利の低下と多額のローン減税は、購買意欲をどれほど刺激して来たことでしょう?

しかし、その恩恵を100%享受することにこだわるならば、築15年までの物件を探す必要があります。

その代わり、候補物件は狭き門と覚悟しておかなければなりません。特に10年未満となると新築を含め売り出し戸数は少ないという常態にあるからです。

そこで、発想を換えてみることをお勧めします。「築20年を超えてもいい、場合によっては25年を超えても」と割り切ってみましょう。

築25年の中古は、控除対象から外れるものの、4000万円以下で購入できるかもしれません。

築15年の実質4600万円のマンションと、例えば築25年で3500万円とを比べたら果たしてどっちが得なのか、築年数の差だけではない建物品質の差があるかもしれませんが、立地で優るとしたらどうでしょう。

購入時の見た目は劣っていても、購入後1年くらいで大規模修繕が行なわれて一気に逆転しないとも限りません。 古いからといって室内のリフォーム費用が多額にかかるとは言えないケースもあります。 

築15年の物件を選んだ場合、10年後は築25年になりますが、築25年の物件なら築35年となります。

築25年と35年の価値の差は、中古の取引実態を調査してみると、実は意外なほど大きくないのです。同じ10年でも、築10年物件と築20年物件の差ほどには拡大しないのです。

東京都心10区くらいのエリアの例で説明しましょう。

現時点の新築を100としたとき、築10年の中古は平均で85~90くらいの値で売買されていますが、築20年になると75~80くらいと10%ほどの安くなります。一方、築25年以上の物件は、60~65くらいと安く取得できますが、築35年でも平均は60前後と差はないに等しいのが実態なのです。

何故、そのような結果になっているのでしょうか?

25年と35年では、マンション全体として外見的な印象では差がつく物件も多いのですが、室内が前所有者によってリフォームされており、25年も35年も差がないこと、物件によっては偶々1年前にリフォームしたばかりで設備は新築と大差ないなどという、35年にしてはお宝物件も多いためです。

それ以上に、何と言っても、35年前のマンションは好立地の物件が多いことによると考えられるのです。

この分析から言えることは「立地」の差が築年数の差を埋めていると考えられるという点です。立地条件を最優先に選択しておけば、築25年の物件を購入しても、10年後に築35年となる我が家の価値はさほど下がらずに売却できるのです。

尚、お気付きと思いますが、筆者は購入から10年後には売却するという前提で話を展開しています。そうです。あくまでマンションを資産価値という観点で見ているからです。

実際には10年後に売却しないかもしれませんが、いつなんどき売却することになるか分からないと想定しておくことが大事だからです。

そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり人情というものです。少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。

資産価値を決する要素は建物価値もさることながら、立地条件が占める部分が80%ほどもあるのです。

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