2月5日PartⅠ「タワーマンション市場が正常化へ?」

相続税対策に有効とされ、富裕層がタワーマンションの上層階を購入する(仮需要)という行動が2015年は活発だったようです。そして、それがマンション市場に異変をもたらしたことはよく知られています。

相続税対策に有効な理由は、次のようなことでした。

ご存知のように、タワーマンションは眺望を売り物にしているだけあって、高層階ほど高値が付いています。中古になったときも、概ね上階ほど高い値段で取引が成立しています。

つまり、市場価格は実勢として上に行くほど高いわけです。ところが、相続税の評価という物差しは実勢価格と無関係に専有面積が同じなら同額にしてしまうのです。

10階の70㎡が5000万円、40階の70㎡も5000万円というわけです。これに対し、市場価格は、10階が7000万円で40階は1億円以上になっています。その差は、ときに2倍もの大きな差です。

40階の住戸を相続税対策に1億円で購入すれば、評価額は半分の5000万円に圧縮されるので、現金1億円の相続より40階のマンション1室の相続の方が税金は少なくてすむわけです。

国税庁が全国のタワーマンションの20階以上の住戸334物件について調べたところ、評価額は平均して市場価格の半分どころか3分の1に過ぎなかったというのです。

10階の部屋では、市場価格7000万円、相続税評価額5000万円くらいの差なので、現金7000万円の相続よりは有利ですが、メリットは大きくありません。そこで、買うなら差の大きい上層階をというわけで、タワーマンションの上階は相続税対策で買われるケースが急増したというのです。

これが昨年降ってわいたようなブームになりました。理由は、相続税が昨年から重くなったためです。合法的な節税策として全国の税理士が富裕層に勧めたせいでした。

折角、増税策を講じた国は、この動きを見て効果がないと知ると、早速手を打ちました。2016年1月24日の新聞報道によれば、国税庁は今秋にも評価基準を改正する法案をまとめ、2017年から省令を改正、2018年から実施するとしています。

市場価格より相続税評価が低い基本は変わらないにしても、現況のような階数に関わらず一律というのは変わることになりそうです。

高層階を買ってしまった人を含めて、高層階の評価額が、2018年から増額(高く)になると分かれば、高層を狙う意味がなくなります。

この改定は、タワーマンションの販売傾向に変化をもたらすことになりそうです。「相続税対策はタワーの高層階がメリット大」とは言えなくなるのですから、これまで高値の高層階住戸の人気は低落するでしょう。

そうなると、売り手も痛手を被るかもしれません。先読みの鋭い売り手なら、これまでより価格を抑えめにして来るかもしれません。

その代わり、高層階で稼げなくなった分を中低層階の住戸に振り替えることにするでしょう。そうなると中低層階の住戸が高くなってしまいます。

中層階以下を購入したい人にとっては逆風となり、中層階以上を自己居住目的で買いたい人には朗報と言えましょう。

功罪相半ばですが、タワーマンションの値付けに変化が出て来そうです。

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