第569回 「環境が良く・駅に徒歩10分以内」それでも売れない物件

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長年マンションにかかわって来た筆者ですが、広い首都圏、網の目のように数多くの鉄道が走り、駅が星の数ほどあるので、一度も降りたことがない駅があっても不思議ではありません。仕事柄行ったことのない駅・街は少ない方かもしれませんが、実はいまだに多数残っています。

駅を降りて街歩きする週5日の番組(加山雄三さん・地井武男さんの看板プログラムだった?)なら何十年も続けていれば全駅を制覇したかもしれないなどと思いつつ、行ったことのない街(駅)がたくさん残っているのはなぜだろうかと考えてみたことがあります。

答えは単純なことでした。マンション開発がない街(駅)だからです。外周部ほどマンションは少なく、比較的都心に近い駅でも、各駅停車しか止まらない小さな駅ではマンションが建設されることは少ないので、筆者には用事がなかったからです。

首都圏全体では年間500カ所も、多いときは1000カ所もマンションの建設が行われたのです。数えきれないほどマンション開発・企画のための土地調査もしましたし、昨今は読者の皆さんから届くマンション評価のために現地を見に行くことも少なくありません。しかし、その多くは前に見たあの場所のそばであったり、同じ駅の反対側だったりします。

同じ駅に何度降りたったことか、反面、駅名・町名は知っていても、また電車の窓から見たことがある街であっても一度も降りたことのない駅もあるのです。

最近、立て続けに3件、世田谷区の新築マンションの評価依頼が届きました。場所は言わない方がいいでしょうが、HPだけを見ると、環境も悪くないし、駅から遠いが妥協範囲の徒歩10分以内。しかし、いずれも竣工して売れ残りを抱えている。依頼者の情報によれば、値引きに応じるという物件ばかりです。

建物プランは中々結構なものです。間取りも設備もデザインも、そして売主のブランド力も低くないのです。

世田谷区に限りませんが、販売長期化マンションの不振原因を探ると「駅力が低い」私鉄沿線であることが多いものです。最近若い世代に人気があるとされる下町エリアでも、「駅力」が低いために売れ残っていると思われる物件がいくつか見られます。

「駅力が低い」とは、簡単に言えば「スーパーマーケットがない。飲食店も少ない」とか「スターバックス」のような洒落たカフェもない寂しい街のことです。もちろん、これは極端な表現ですが、当たらずとも遠くはないはずです。

もちろん、そのエリアは何十年も前から集落があり、人が居住しています。しかし、多分その駅を利用する人口の絶対数が少ないのでしょう。つまり、人口密度が少ないのです。人口が多ければ必ず商売が成り立つと考えて飲食店その他のショップが出店していたはずです。

一戸建てばかりが続く街、すなわち土地の高度利用が進んでいない街か、工場など非住宅の多い街なのでしょう。人口が少ないと賑わいも生まれない、よく言えば静かな街ですが、退屈な街かもしれません。それでも、そこに慣れてしまえば、何とかなってしまうのです。地元の人は、そのことに抵抗なく住み続けているといえましょう。

しかし、他の街から見学にやって来た人は、活気のなさに魅力を感じないのでしょう。だから、素晴らしいモデルルームを見て感激したとしても、また予算と価格が一致したとしても、駅周辺を歩いて帰るときに興ざめしてしまうのです。

マンションが新たにどんどん建てられて人口が増えれば、過去10数年で急激に発展した豊洲のように、あるいは武蔵小杉のように新店舗が出店して利便と活気が生まれ、住民は移住してきたことに喜びと満足を得るのです。活気ある街は、住みたいと思う人を増やし、人気度調査でランクがアップし、ますます注目度を高めて行きます。いわゆる好循環を生むのです。

このような街のマンションは新築価格も高いけれど、中古になっても値下がり率が低い、タイミングによっては購入価格を上回る高値で買い手がついたりもします。需要が多いからです。

駅力が低いままの街は、中古の値段も上がらず、買い手も決まりにくいものです。行政市区別の人気でトップの世田谷区でも、駅によっては中々売れないという実態があります。

その駅の周囲は何もなくて不便、新たなマンションが開発される余地もなさそうである、たまにしか新築マンションは誕生しないとしたら、人口密度は高まらず、従って、新規出店の波は全く来ないので、静かで環境もいいけれど、ずっと寂しいままで人を呼ぶ魅力に欠ける。まさに、悪循環が続くのです。

こうした街で販売中のマンションの中には、売れ残りを安くしてくれることが多いので、それに釣られてつい手を出してしまいそうになるかもしれませんが、ここは慎重に判断したいところです。

高くでも人気のある街のマンションは、将来の売却時に喜ぶ確率が高いのに対し、人気のない寂しい街の場合は、安く買ったから売るときも下がり幅は小さくて済むということにはならないものです。

そのような発展性に乏しい街のマンションを購入するときは、少しの値引きに惑わされないようにしなければなりません。そんなの無理だろうと思うくらいの大きな値引き要求をしましょう。駆け引きをするなら、自分なりの落としどころを決めておいて、そのレベルに達しないなら買わないというくらいの腹づもりが必要です。

マンション選びは街選びでもあるのです。今は寂しいが、遠くない将来発展しそうな街・駅ならいいのですが、あまり期待できない街だったら「安さ」求めましょう。「どのくらいか」ですが、近隣・沿線の活気ある駅で販売中の物件があるなら、その価格と比べて8掛けが目安とお伝えしておきましょう。きっと定価はそこまで安くないはずですが、その差は値引き交渉で埋めるほかありません。

そのくらいの安さにならないのなら買わないことです。賢い選択、賢い交渉術を考えましょう。

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