第635回 そのマンション、門構えはどうですか?

このブログは5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

 

マンションの価値を決める要素はいくつかありますが、何と言っても比重が高いのは「立地条件」です。他の要素がどんなに素晴らしいとしても、立地条件の良さにはかなわないのです。

とはいえ、立地条件がよければ建物は何でもいいというほど単純ではありません。建物価値も大事であることは言うまでもありません。

 

その建物価値は、⓵スケール(存在感)、②外観・玄関・空間デザイン、③建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)で評価されます。このうち、分かりにくいのは②のデザインです。

 

間取りなら、風呂が1620サイズで広いとか、窓の高さが2.2m、横幅が5mあって大きいとか、反対にリビングダイニングは狭くて家具配置が難しい、また南に面している、角部屋であるといったふうに分かりやすいですが、デザインには「格好がいい」「洗練されている」「上質な印象」「堂々としている」、「貧相だ」「シンプル」「軽快な感じ」「重厚」「安っぽい」等々、表現は抽象的で情緒的です。

 

それだけに、買い手も軽視しがちです。軽視はしていないのかもしれませんが、新築マンションの場合は、実物がないためにアピール度が小さく、ついスルーしてしまうのかもしれません。

 

今日は、マンションのデザインのうち「門構え」についてお話ししようと思います。

 

●ゲート付きのマンション

門構えと聞いて何をイメージするでしょうか?そうです。門そのものです。マンションでも門があるからです。門とは今風に英語で言えばゲートのことです。マンションもゲート付きは少なくありません。

 

以下に具体のゲート付きマンションを紹介しましょう。

 

◆グランドメゾン白金の杜ザ・タワー(東京都港区)

(画像:物件公式ホームページ)

 

◆広尾ガーデンヒルズ・フォレスト(東京都渋谷区)

(画像:ケンコーポレーション)

 

◆ブランズ四番町(東京千代田区)

 

(画像:三井健太撮影)

 

◆プレミスト九段(東京都千代田区)

(画像:三井健太撮影)

◆パークコート赤坂 ザ・タワー(東京都港区)

(画像:三井不動産レジデンシャルHP)

 

◆ザ・ハウス南麻布(東京都港区)

(画像:三井不動産レジデンシャルHP)

 

これらのマンションは、どれも高級マンションと言われるものです。規模も一部を除き大型です。

敷地にゆとりがあって、建物壁面までの距離もたっぷりとあります。

 

●エントランスデザイン

マンションは、敷地が広くても駐車場の存在が邪魔をしたり、隣地に長時間影を落とせない「日影規制」や隣地斜線制限などがあったりして、建物位置が決まって来るものです。 つまり、エントランスまでの距離は短くなりがちなのです。

 

また、商業地域では、敷地が狭く、敷地一杯に建物が建ってしまうことが多いものです。敷地が広い場合も、その空地部分は「公開空地」と言ってマンション住人以外の人を通行させなければならないことも多いのです。

こうした理由から、敷地全体をフェンスで囲いゲートを設けることができないことが多いものです。

そこで、ゲートは諦めて「門構え」ならぬ「家の構え」にデザイン力を発揮しようとします。家の構えとは「玄関」のことです。以下でエントランスデザインの実例をご覧ください。

 

◆パークコート千代田富士見ザ・タワー

(画像:三井不動産レジデンシャルHPより)

 

◆グランドミレーニア(東京都豊島区)

(画像:物件公式ホームページ 住友不動産)

 

◆ザ・パークハウス上鷺宮(東京都中野区)

 

(画像:三菱地所レジデンスHPより)

 

◆プラウド成城(東京都世田谷区 129戸)

(画像:野村不動産HP)

 

◆代々木テラスアパートメント(賃貸・東京都渋谷区53戸)

 

◆ペアシティ代々木大山(東京都渋谷区 19戸)

 

 

 

いかがでしたか?目の保養にもならない、つまらない記事だとお叱りを頂くかもしれませんが、玄関周りのデザインに関心を持って頂くきっかけになれば幸甚です。

 

小規模でもエントランスのデザインに工夫をしたマンションは結構あるものです。筆者は、物件の評価するときゲートやエントランスのデザインを対象から絶対に外しません。

 

筆者のマンション評価レポートでは、建物分野20項目の内の1項目に過ぎない「デザイン」ですが、リセールのときに買い手に与える影響度は小さくないのです。なぜなら、外観・玄関デザインは次の買い手に感動を与え得る要素であり、購買意欲を刺激するからです。

 

つまり、「すごい・素敵」をどれだけ言わしめるかがリセール成否のカギを握るのです。感動表現は、「奇麗」、「便利」、「格好いい」、「お洒落」などですが、マンションを買いに来てくれた人が最初に目にするのが外観であり、ゲート、エントランスなのです。

最初に衝撃を与えることができれば、売却は半分成功です。

 

マンション選びで必要な知識、チェックポイントはいくつもありますが、「門構えはどうかという視点」を是非とも忘れないで欲しいと思います。これは資産価値(リセールバリュー)に直結しています。

 

リセールの成否は、他人がどう思うかにあります。自分は「素敵」と思って買ったのに、売るときに見学者の大半が「陳腐だな」とか「不格好」と言わないにしても「普通」の印象では購買力が高まりません。

 

高いデザイン性を誇るマンションかどうかを見る目を養うには、日ごろから多数のマンションを見て比較する意識が必要です。外から見るだけですから、見学予約も要りません。新築のモデルルームを見るより、完成マンションを見て歩くことをお勧めします。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。

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