第634回 駅に遠いマンション。都心と郊外

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このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

 

交通網の目が細かい東京の都心でも、駅から 徒歩10分を要するマンションがあることに気付きます。一方、東京外縁部には徒歩10分を超え、バス利用のマンションは少なくありません。

 

今日は、バス便マンション、バスでなくとも徒歩10分以上を要するマンションの価値についてお話ししようと思います。

 

●駅から遠いマンションのリセールは厳しい

駅に近いほどマンションの価格は高い傾向があります。駅3分は駅10分より価格が高いのです。駅から15分も歩くとかバスを利用しないとならないマンションは、安くなってしまうのです。

 

この傾向は新築マンションも中古マンションも同じですが、中古マンションが特に顕著と言えます。

 

駅に近いマンションは新築時の分譲価格が高いものの、リセール(売却時)では、さらに上がります。駅から遠いマンションは安く買ったにもかかわらず、リセールでは一段と安くなってしまいます。

 

例えば、100で買った駅前マンションがリセールで130になったとき、同時期に80であった駅から遠いマンションが70に値下がりするのです。

 

また、高い時期に120で買った駅前マンションの売却額が120であったとき、100で買った駅から遠いマンションは同時期で80になってしまったということもあります。

 

●駅に近いが都心ダイレクトでない鉄道沿線のマンションは?

東京の外縁部には都心から放射状に鉄道が走るために、鉄道と鉄道を南北につなぐ必要から生まれて誕生した鉄道もあります。小田急線と田園都市線をつなぐ世田谷線や、二子玉川と東横線をつないでいる大井町線などが代表的です。

 

こうした沿線では、たとえ駅から近くでも都心へ向かうには乗り換えが必要になるので不便さは否めません。このような場所のマンションは、バス便ほどではないものの、リセールは低くなります。

首都圏の外周部では、武蔵野線や南武線、東武野田線といった都心につながっていない鉄道がありますが、こちらも同様です。

 

●都心の駅から遠いマンション

中央区にある広域の日本橋エリアは広く、地下鉄の駅で言えば、銀座線・東西線の日本橋だけでなく、人形町や東日本橋、三越前、小伝馬町、馬喰町、水天宮、浜町と8つもあります。日本橋アドレスが使えるマンションは、これらの駅のどれかに徒歩5分以内でアクセスできる恵まれた立地条件になっています。

 

これに対して、都心でも最寄り駅に徒歩7分、8分と少し距離があるエアポケット的な場所があります。稀に10分という場所もあるのです。この場合のリセールバリューは少し期待外れとなります。

 

東京都内でも外縁部の区(世田谷区・杉並区・練馬区など)や目黒区などには駅から徒歩10分以上、バス利用が必須というマンションが結構あります。そのような立地のマンションのリセールは厳しいものになります。

 

●リセールバリューを優先にしない買い手

マンションを購入する人の中には、リセールバリューを考えずに買っている人が少なくありません。超高級住宅地の2億円以上の超高級マンションを買うクラスの人たちは、あまり気にしない傾向があります。気に入ったものには、金に糸目を付けないという性癖があるためのようです。

 

一方、リセールバリューより家庭の事情によって立地選定をする人もあるのです。保育園のこと、親との関係、夫婦どちらかの勤務先の関係、子供の病気の関係などです。 筆者の知人で、子供が喘息だったので、空気のよい郊外、近くを高速道路が走っていないエリアなどという条件から緑地が多く、あえてスーパーマーケットもないバス便のマンションを選んだ人がありました。スーパーがあると、遠くから車でやって来る人が多く空気が悪いと考えたようです。

このような需要層は特別な人たちと言えます。多くの買い手は、売却の可能性があるのでリセールバリューを気にします。

 

●「駅から近い」は何分まで?

リセールバリューに影響を与える要素で最も比重が高いのは立地条件、なかんずく駅からの距離であることは、既にデータで証明されています。駅近の方が有利ということは明白で、駅から5分の物件の方が、10分の物件よりリセールバリューは高いのです。

 

つまり、一般的に歩ける範囲は15分以内と考えられるので、10分は近い方であるという人もありますが、リセールバリューに関するデータでは10分は近いと言えないのです。

 

●遠い代わりにメリットが多いという物件

しかし、駅から少し離れても駅そばの物件より優れているマンションはあるはずです。駅そばの小さく存在感に乏しいマンションより、駅から10分歩いても大型で付加価値があって、環境もよいマンションならリセールバリューが高いということはないのでしょうか?

確かに、そのような物件もないことはないのです。駅前マンションを逆転するには、はっきりとした魅力がなければなりません。つまり、距離があっても、それを補って余りある要素があればいいのです。しかし、現実には稀有です。

 

駅からの長いアプローチの大半が商店街ロードであるとか、幅広で街路樹が美しい歩道が続くとか、現地に着くと今度は感動的な眺望、例えば横浜の港の見える丘公園のような高台にあってオーシャンビューが圧巻であるとか、緑豊かな大公園の最前列に建ち「まるで森の中のマンションといって過言ではないほどの自然林や公園に接する」といった環境の良さが必須です。

 

このくらいのインパクトある代替条件がなければ、駅近マンションに優ることはないのです。ちょっと環境がいいとか、小公園に面するとか、前方が低層住宅地で「永久眺望」が魅力とかと言ってみても、駅前の利便性を上回る例は少ないのです。

 

●都心は絶対距離で優位に立てる例も

都心には最寄り駅にやや遠く、エアポケット的な場所があります。稀に10分以上という場所もあるのです。この場合のリセールバリューは少し期待外れとなると述べましたが、外縁部や郊外エリアほどのマイナスにはなりません。

 

都心とは、千代田区や港区、渋谷区、新宿区、中央区、文京区などのことですが、これらのマンションは絶対距離(直線距離)でオフィス街に近く、いざというときは抵抗なくタクシーで移動でできること、電車が運転を停止しているような非常時には歩いても帰って来ることができるため、駅から5分を超えても大きなマイナスにはならないのです。

 

つまり、急行電車で20分など「時間距離が近くても絶対距離遠いマンション」より、「歩いて1時間か1時間半(4~6km)の都心マンション」の方が強いと言えるのです。

 

都心には、四方八方にターミナル駅や繁華街があって、しかもそこに行くには僅かな移動で生活をエンジョイすることが可能です。買い物も食事も暮らしを豊かにするメニューは多く、選び放題です。最寄りの駅ともうひとつくらいしか楽しむ場所がない郊外のマンションとは対照的です。

 

逆説的ですが、郊外に行けば行くほど、移動しやすい「駅前」が価値を持つということになります。通勤の便を考えても、駅に近い方が楽です。疲れて帰るサラリーマンにとって、最寄り駅に着いて10分歩くよりは、「駅に着いたら3分で我が家」の方がはるかに良いはずです。

筆者も駅から遠い賃貸マンションに住んだことがありましたが、いつもタクシー待ちの長い行列に辟易した経験があります。

 

都心なら駅から10分かかっても大きなマイナスにはなりませんが、郊外に行くほど駅から近い、ズバリ言えば5分以内がリセールバリューに良い影響を与えるものと覚えておきましょう。

 

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選定基準:➀立地条件が良い(駅に近いこと。都心や中核都市にあること)②デザイン性が高い ③ある程度のスケール感・存在感がある ④売主または施工会社に信頼を置ける  ➄総じて特徴が明確な物件・・・・・この基準に達していない物件は除外しています。

 

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