第773回 「中古は安い」・・・本当か?

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論「マンションの資産価値論」を展開しております。10日おきの投稿です。

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言うまでもなく、中古マンションは建物の経年劣化と設備の陳腐化という物理的価値並びに心理的価値の低下によって新築マンションより低くなるのが普通です。

 

*築後20年も経過すると、地域によって差はあるものの、新築の半値くらいになるのが中古マンションの相場です。

 

*そこまで安ければ、思い切った予算をつぎ込んで自分好みの間取りや最新の設備で内装を一新することができることから、お仕着せの新築マンションより満足度が高くなる場合もあることでしょう。

 

*最近は、いわゆるリフォームを超える「リノベーション」に挑戦する人が増えていると聞きます。 例えば、新築が5000万円する地区で、2500万円の中古を購入し、リノベーションに1000万円を投資しても3500万円なので、新築より1500万円も予算を抑えられるというわけで、リノベはトレンドになりつつあると聞きます。

 

●格安中古のメリット・デメリット

従来、リフォーム代金は自己資金で用意するか、金利の高い、短期ローンを組むしかなかったのですが、最近は購入代金とセットで同金利の長期ローンを組むことができるようになっています。それがトレンドの後押しになっているのでしょう。

 

*セットローンは、購入代金とリフォーム代金の融資を分割実行してくれるので、使い勝手も向上しています。リフォーム工事を開始するには、物件を引き渡してもらうことが必須なので、先ずは購入代金を融資してもらうことになりますが、リフォーム代金の方は工事が最短でも1か月以上を要するので支払いも後になり、従って融資実行も後になるのです。

 

*さて、リノベーションは室内を新築と変わらぬ快適空間に生まれ変わらせることが可能です。 新築マンションでも、セミオーダー的な販売手法を採用している例が少なくありませんが、いずれも用意されたメニューからセレクトする方式です。好き勝手にプランできるわけでは無論なく、売主が用意したお仕着せには変わりないのです。

 

*その点、中古のリノベーションは自分の趣味やセンスを具現化することが可能になるので、高い満足度を提供してくれます。

 

*ただ、玄関扉や窓ガラスなどには変更を加えることができません。共用部分に属するからです。同様に、玄関ポーチまたはアルコーブの床を変えたりすることもできません。

 

*また、マンションの外観、特にマンションの顔に当たる共用玄関の内外やエレベーターなどは全く触れることはできません。築後20年を経過したマンションでは、古いとか汚いとか、デザインが陳腐といった印象があったとしても、そのまま受け入れるほかないのです。リノベーション志向派にとって、そこは妥協というか割り切ることが必要になります。

●リノベーション対象マンションは見つかるか?

さて、思い切った予算でリフォーム、すなわちリノベーションを決断するには、購入価格が格安であることが前提となるはずです。格安マンションは、築年数が少なくとも20年を経過しています。リフォーム紹介事例を見ていると、築30年を超えたものも目立ちます。

 

*ここが一番の問題です。耐震性に不安が残る1983年以前に竣工した物件は論外としても、それ以降の物件を物色したとしても、満足できる物に遭遇するだろうかという疑問が残るからです。

 

*外観をはじめとして、共用部分の劣化や陳腐化には目をつぶるといっても限度があるはずです。少なくとも、管理状態は良好でなければならないと考えるでしょうし、いずれ売却するときもあろうから、そのときに首尾よく売れそうな物件であって欲しいと期待したりもするはずです。

 

*築後20年、30年を経過していても、管理状態が良好で、大規模改修工事も定期的に実行しているので、築後10年くらいしか経過していないように見えるーーこのようなマンションが望ましいとしても、そのような物件は格安ではありません。

 

*また、立地条件にこだわると築年数の割には高いと感じる物件ばかりで、思い切ったリフォーム予算をつぎ込むことに抵抗を感じることもありそうです。

 

*モノの値段は、マンションに限らず需要と供給の関係で決まるもので、良い物件・価値ある物件は古くても高いものです。 反対に、格安な物件は何かと問題がある、若しくは格安なりの価値でしかないと思うべきなのです。建物状態か立地条件かのどちらかに何らかの問題や難点・欠点があるからこそ格安になっているのです。

 

*結局、ここがダメ、あそこが不満などと言っているうち、格安中古マンションを買って大がかりなリフォームを施して住むという計画は、対象物件に巡り合えないまま頓挫してしまいがちです。

●リノベーションで多額投資した物件の将来

ともあれ、どこかを割り切り、どこかを妥協して中古マンションを取得できたとしましょう。そして、自分好みの内装と間取りに大胆に転換することにも成功したとします。

 

*それで満足度が高いマンションライフが快適に長く送れるなら、それはそれで結構なのですが、永住することはないとするなら、売却時の価格についても一定の腹づもりなり、覚悟のようなものを持っておくことが必要です。

 

*つまり、築20年なり30年のマンションを買った場合、10年後、15年後の売却価格は期待外れになるかもしれないということです。理由は次の点にあります。

 

*リノベーションし後の間取りや内装が個性的過ぎると、同じ感性を持つ買い手とめぐり会う偶然がない限り、非常に売りにくいからです。また、設備はいずれ陳腐化するもので、設備の一新に数珀万円もかけたと主張してみても、次の買い手が最新の設備に交換したい人であれば、その主張はむなしく響くだけです。

 

*マンションの価値は専有部分だけで決まるものではありません。むしろ、マンション全体の価値、すなわち①外観、②玄関、③空間(敷地のオープンスペース)、④管理、この4つのカンが重要です。勿論、それ以上に重要なのは立地条件です。

 

*何十年と経過しても、Vintageマンションと言われ、価値を保っている物件が存在しますが、その数は稀有です。。

 

*一般のマンションの場合、専有部分を新築同様にするだけで価値が上がり、価格も投下資金に見合って上がれば結構なのですが、実際はそうならないという現実を認識しておかなければならないのです。

 

*中古マンションの価値を判断するのは簡単ではありません。相場を大きく下回る格安マンションに出会う幸運は稀有なことですし、優良な中古マンションは新築並みの価格であったりするのです。

 

*格安マンションに巡り会えたとしても、リフォームの投下資金によっては、リセール時に大損するかもしれません。 結局、長い目で見たとき「中古マンションは安い」のかどうか、疑問なケースも多いと言わざるを得ないのです。

 

*ただ、金銭的な損得ばかりを考えていたら、家は買えないのかもしれません。そこに住んで得られる精神的な満足にも着眼しなければならないのです。 言い換えると、資産価値と使用価値の双方をバランスよく考慮して選ぶべきなのですーーこう考えると、マンション選びは中々厄介なものです。

 

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●基本の「新築VS.中古」

新築マンションか中古マンションかと考えずに、良いものがあればどちらも検討するというスタンスが今は良さそうに思います。 しかし、中古マンションの選択肢は全くないという人も少なくありません。

 

*中古マンションは、価格は安いかもしれないけれど、それでも何千万も払うのだから、やっぱり買うなら新築がいいよねーーこんなふうに思う人が多いようです。 「新築の方が気持ちよく新生活をスタートできるから」という理由があるのでしょう?

 

*潔癖症の人でしょうか、他人の手垢が着いた家は嫌だという声も聞いた何度か耳にしました。

 

*筆者も、実は中古マンションを買った経験は一度もありません。しかし、賃貸マンションやアパート住まいだった頃まで遡ると、購入前の転居は6回か7回、そのうち新築は1回だけで、あとは全部古い家だったのです。

 

*妻は潔癖症だったせいか、クリーニングの済んだ転居先なのに、入居してからも隅から隅までゴシゴシ磨いていたものです。

 

*日本人の大半が新築の家を買いたいと思っているらしいのですが、最近は中古マンションを購入して自分好みの家に大胆に改造する動きも増えて来たと聞きます。

 

*その動きからか、リノベーションという新たな中古マンションの分野も成長しています。不動産業者やリフォーム業者が、築30年以上の中古マンションを買い取って大胆な改造工事(間取りと設備から仕上げ材まで全て更新)を施し、新築マンションのモデルルームのような空間演出をして販売しています。

 

*しかし、そのリノベーション物件の品数は割合としては少なく、欲しい地域内では中々見つからないものです。

 

*結局、マンション探しは一品限定ではなく、新築を始めとする多くのメニューの中から選択することが必要になると考えなければならないのです。

●中古マンションが買いにくい5つの理由

買い手の立場で考えてみると、中古マンションが買いにくい理由は5つ挙げられそうです。要点のみ以下に整理しました。

理由(1)室内の見た目が悪い

理由(2)外観や共用部分が古ぼけていたり汚れていたりする

理由(3)設備が古い・ないものも多い

理由(4)バリアフリーになっていないものが多い

理由(5)建物に対する不安が拭えない

この中で、中古マンションが買いにくい最大の理由は5番にありそうです。1~4番は、むしろ付け足しと言ってもよいほどです。耐震性に関する不安、耐久性に対する不安、瑕疵担保責任の問題などです。これらが漠然と、ときには重くのしかかって来ます。

●積極的に中古を研究しましょう

購入の注意点などに関しては別の機会に譲りますが、中古なんて到底考えられないという人は別として、ある種の割り切り方を取り入れれば、中古も選択肢のひとつにできるはずです。

 

*今は、積極的に中古を検討するべきときです。新築物件の供給が激減してしまったからです。上記1~5の問題を抱えながらも、それらをクリアできるなら、中古は予算を下げて購入することができるのです。 広い家を手にすることが可能かもしれませんし、より立地の良い物件と遭遇する可能性も高くなるからです。

 

*予算を下げなくてよいなら、リフォームに思い切って予算を投下することも可能です。少なくとも室内だけは手垢が消え、見違えるように綺麗な住まいを手に入れることが可能になるはずです。

●新築マンションと中古マンションの比較をしてみると

とまれ、新築と中古の違いを整理してみました。

1)価格

(新築)・・・高いのが普通です。安いものは、何かしら欠点・問題があるものです。

 

(中古)・・・安いのは築年数が長いものに限られます。築浅の物件は新築並みに高いと思った方がよいでしょう。 築20年を超えた物件の中に、新築時から住み続けた人が一度もリフォームしないまま売り出しているケースもあります。そのようなものは購入後のリフォーム代を計算するとお買い得とは言えないことも多く、「安いから」だけで買うと当てが外れることもあるでしょう。

 

2)価格交渉

(新築)・・・売れ残り物件以外は受け付けてもらえない

 

(中古)・・・買主が指値をするのは普通のことで、売主も当然と受け止めるものです。売り出し価格には、「値引きしろ」を5%程度は乗せていると思って間違いありません。

 

3)物件代金以外の諸費用(登記料・不動産取得税・ローン保証料など)

(新築)・・・修繕積立基金(一時金)が必要。

 

(中古)・・・仲介手数料がかかる。リフォーム費用がかかる物も多い。中古の方がトータルでは高くなることもある。

4)固定資産税(土地+建物)

(新築)・・・新築マンションの場合、建物部分の課税は5年間に限り半分に軽減されます。尚、建物は完成後に課税されるので引き渡しの翌年からの納税となります。

 

(中古)・・・築年数によって差異はあるが、新築より安いのは間違いない。

5)修繕積立金

(新築)・・・初年度の設定は安く、5年か10年ごとに増額される計画になっている例が大半。

 

(中古)・・・築年数の古い物件ほど高額に設定されている。

6)住宅ローン

(新築)・・・低利で物件価格の100%まで可能。金利は融資実行時になるので、完成時期が1年後、1年半後などと長いケースは金利上昇のリスクを負う。

 

(中古)・・・物件価格の100%まで可能な場合もあるが、あくまで銀行の査定による。引き渡しまでの時間が短いので、金利上昇によって生活設計が大きく狂わされることはない。

7)建物外観・共用部のきれい度/管理状態

(新築)・・・建物の美観は優れる。モデルルームの演出も感動的。一気に購買意欲が掻き立てられる。 管理状態の確認はできない。

 

(中古)・・・外観やエントランス、廊下等が古ぼけていたり、室内も汚かったりというケースが多く、感動が薄い。 ただし、室内からの眺望が感動的というものはある。また、建物は古くても敷地内の樹木が大きく育ち、緑豊かな空間が感動を呼ぶ例もある。

 

レトロ好きな人もあるのでしょうが、日本人の多くは古い物より新しい物を好む傾向が強いとされます。新しいものは良いものという先入観もあるのでしょうか、一目で古いと分かると購買意欲は落ちるものです。こうしたものを先に見てしまうと、部屋に到着する前に気持ちが萎えてしまいます

 

※室内の見学前に必ず目にするのが外観であり、エントランスやロビー、エレベーター、共用廊下です。定期的に清掃や改修を実施していても、新築と同じようには決してなりません。

 

※管理状態に関しては、実際の管理状態を目視で確認できるほか、修繕履歴や修繕積立金の残高、管理費等の滞納状況などを知ることもできます。

 

※尚、新築マンションでは「長期修繕計画」を立案してから販売に当たりますが、築30年以上の中古には、計画自体が存在しない例も30%くらいはあるようです。

 

8)室内のきれい度

(新築)・・・実際以上に綺麗・素敵に見えてしまいます。家具・調度品、インテリア備品で飾り立てて見学者(買い手)を迎えるからです。

 

(中古)・・・中古マンションの多くが、壁が黄ばみ、浴槽に湯垢が着き、ガスコンロは油まみれになっていたりします。こうした光景を目にすると、見学者の購買意欲が高まることはないでしょう。

 

※これらを補って余りあるもの、例えばバルコニーから見える景色が感動的であったようなときは室内の残念な点も薄らぐはずですが、そのような幸運には滅多に出会えないものです。

 

※中古マンションでも、リフォームやリノベーションを施すことによって新築マンションに劣らない感動を呼ぶ例が最近は増えています。

 

9)設備

(新築)・・・便利で省エネ効果の高い最新設備が期待できる。共用部も防災関連の設備などが定番に。 ディスポーザーは新築でも付かないものは少なくないが、食器洗浄乾燥機や浄水器は大半のマンションで装備されている。

 

(中古)・・・後付けできないディスポーザーなど、新築に比べると見劣りする物件が多い。浴槽のまたぎ高は、新築マンションなら450ミリ前後が定番だが、中古マンションは600ミリタイプが多いことに加えて、浴室内のデザインも「お洒落感」はかなり劣る。

 

※テレビモニター付きのインターホンが100%近くまで普及したマンションだが、モニターの画像がカラーか白黒かというと、築30年クラスは殆んど白黒です。

 

※また、結露ができにくいことで知られる断熱効果の高い複層ガラスのサッシは、築20年未満の比較的新しいものを除くと中古マンションには見られないものです。

 

10)間取り

(新築)・・・平凡な田の字型が多い昨今ですが、工事の進捗状況によっては無料の変更プランを選択できる。カラーやキッチンの高さを選択できるケースも。

 

(中古)・・・最近少ない優れた間取りにお目にかかることもある。 バルコニーの出幅は最近の定番である2mはなく、中には1mという狭い物件も多い。

 

11)天井高・サッシ高

(新築)・・・リビングルームや寝室の天井高は2500ミリ以上が普通。ただし、部分的にできてしまう「下がり天井」の圧迫感を想像できず、完成内覧会で落胆させられることも多い。 リビングルームのサッシは2m高以上が一般的で、開放感が大きい。

 

(中古)・・・古いマンションは2400ミリ以下が普通。リビングルームのサッシ高も180ミリしかないというケースが多い。

 

12)バリアフリー

(新築)・・・室内の床段差は殆どないので、つまずいて転倒などという事故は起こらないのが当たり前になっている。

 

(中古)・・・築30年以上のマンションでは、廊下から洗面所に入る所で100ミリ~200ミリの段差のある物が多い。

13)耐震性

(新築)・・・建築基準法の耐震基準は、震度6強の巨大地震に襲われても倒壊・破壊せず、人命が守られる強度を指定している。従って、ほぼすべての新築マンションは心配ないことになる。より優れる耐震性を誇る「免震構造」や「制震(振)構造」もある。

 

(中古)・・・新しいマンションは対策がしっかりなされているが、古いマンションは十分ではないという先入観を抱く人もあるが、1981年以前に建築確認(許可)を受けた古いマンションは、旧の耐震基準で建設されているため、耐震性能が十分ではない例が多いので、注意しなければならない。

 

※1981年以前の古い中古を検討するときは、専門の診断を受け、「耐震性合格」となっているかどうかの確認は必須です。

 

※尚、リノベーション物件には、旧耐震基準の時代に建てられた物件が多いので、見た目の綺麗さに目を奪われない冷静さが大事です。

14)耐久性

(新築)・・・適切なメンテナンスをて行けば、コンクリート寿命は60年以上と言われるが、最近は100年コンクリ―トが誕生し、施工上の工夫もあって、より長寿命のマンションが増えている。 住宅性能評価を受けている物件では、「劣化対策等級」の項目で最高ランクの「3」を取得しているマンションも珍しくない。

 

(中古)・・・築20年以上の古いものを検討する人が抱くことに、「あと何年ここに住めるのだろうか」という不安が消えないことがある。 マンションの耐久性はコンクリートの寿命だけで論じることはできないものの、給排水管やエレベーター等の設備の寿命は短いためと考えられる。 20年経て交換工事が必要なので、その計画が費用とともに適切に立案されているかを確認することは重要。

15)遮音性

(新築)・・・寝室の隣にトイレや浴室がる場合、使用のたびに目が覚めるなどということがないよう、遮音性を高める設計になっているのが普通。

 

(中古)・・・築30年以上の古いマンションには遮音性の低いものが存在する。排水音の防音対策が不十分。しかし、そのレベルを内覧時に確認することも、詳細な図面を見ることも困難。そこで、内覧のときには水を流すなどして確認したいもの。

16)見学範囲と建物の確認

(新築)・・・モデルルームと建設地の外回りのみ。実物を見られるのは完成してからも販売中という物件のみ。 多くは、図面から完成形態を想像して購入することになる。 それが、完成後に「あれっ?」という違和感を覚えることに繋がる・・・・聞いていた説明、あるいは勝手に思い込んでいた姿との相違を発見するためだ。担当者の説明不足や過失・故意がトラブルに発展することも。

 

(中古)・・・中古取引は「現状有姿(ゆうし)」が原則となっています。後で知らなかったと言っても手遅れなので、目視ですべてを確認することが不可欠。室内も共用部も、可能な限り時間をかけて検査したい。

17)取引の安全性(アフターサービス・瑕疵担保責任)

(新築)・・・売主が一定期間のアフターサービスを行う。半年・1年・2年といった定期的な点検を実施するのが普通。 躯体・構造に関する重大な瑕疵(雨漏りなど)については、10年間の瑕疵担保負担に応じてくれる。

 

※10年間の瑕疵担保責任は、2000年の法律制定により、売主に義務付けらた。売主が倒産したようなときには、瑕疵担保履行保険がカバーすることにもなっている。

 

(中古)・・・個人の売主が圧倒的に多く、瑕疵担保責任は免責される。見たまま(現状有姿)の取引が原則。 最近は、ガスコンロや電気設備等に関しては、3~6か月程度であるものの、売主または大手仲介業者が負担に応じるのが一般化している。

 

※なお、分譲主の「躯体・構造に関する重大な瑕疵の10年責任」は最初の購入者までが対象であり、転売先までは責任が及ばないとするのが原則である。

18)検討可能時間

(新築)・・・発売の数か月前から予告広告を開始するので、余裕を持って検討できることが多いのが、売れ残り物件の「先着順受付中」のタイミングにあれば検討時間は少な短い。

 

(中古)・・・内覧の順に商談の優先権が与えられるが、内覧前の段階では先着順なので、たちまち「売れ切れ御免」になってしまうことも。 広告を見て興味を覚えたら、直ぐにでも内覧希望を仲介業者に申し入れるといったスピードが要求される。

19)物件の詳細な内容の把握

(新築)・・・担当物件に精通した専任営業マンが詳細な資料を携え、物件の情報と関連知識を提供してくれる。模型や映像の販売ツールも用意され、安心感を与えてくれる。

 

(中古)・・・古い物件ほど資料が散逸していたり、最低限度のものしか残っていなかったりするため、担当者も詳細を知らないことが多い。とりわけ、見えない部分の品質がわからないことも多いので不安が残るもの。

20)流通物件数

(新築・)・・中古に比べると圧倒的に少ない。とはいえ、1マンション内での選択肢は広い(階・間取り・方位など)

 

(中古)・・・物件数は新築より断然多い。ただし、同一マンションから一定期間に何戸も売り出されることは少ない。特に小型マンションになると、1年間に売り出しが1件などという例が多い。

21)住み心地

(新築)・・・何もかも新しいので快適に過ごせる部分が多いものの、未完成の段階で出来上がりを想像しながら購入することになるので、欠点に気づかないまま引き渡しを受け、入居後の快適さが減ってしまうことも。

 

(中古)・・・管理状態から眺望・日当たり・環境・上下階と両隣の騒音の有無などまで、確認して購入するので、新築に劣らない快適な暮らしを送れるとも言える。

22)近所付き合い

(新築)・・・全員同時スタートの同級生気分でお付き合いがしやすい

 

(中古)・・転校生気分なので、しばらくの間、疎外感を味わうことになるかもしれない

 

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22項目に渡って比較してみました。マンション研究の一助になれば幸甚です。これ以外に住宅ローンの条件の違いもありますが、割愛しました。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらからhttp://www.syuppanservice.com

 

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