直貼りマンション。当たり前のごとく

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

様々な新築物件に日々触れていると、データを見なくても何となく傾向が分かって来ます。

筆者は、2年以上前に長谷工コーポレーションによる施工案件が増えると読んでいましたが、実際そのとおりになりました。手元の集計でも、長谷工コーポレーションの施工になる物件の数はうなぎ上りに増えています。

「多くは大規模物件ですが、新築マンションと言えば長谷工」と呼んでもいいくらいです。

さて、今日は長谷工マンションの特徴と言ってよい「床の直貼り構造」についてお伝えしておこうと思います。

●直貼り構造のマンション急増中

長谷工絡みのマンションが増えたので、直貼り構造のマンションも比例して増えたのですが、実はそうとばかりも言えないのです。

長谷工コーポレーション以外の施工物件でも、直貼り構造の物件が徐々に増え始めたのです。

背景には建築費の急騰があります。デベロッパー各社は、これに悩まされ続けており、いかにコストダウンを図るかに知恵を絞っているようです。

直貼り構造は必然の結果なのですが、直貼りが歓迎すべき構造ではないだけに困ったものです。
しかし、業界は直床とすることに自ら抵抗線を突破してしまいました。

直貼りマンションのどこがいけないかは前にも書いたので繰り返しませんが、コストダウン策は、床を二重から直貼りに変えるだけに留まりません。

他でもコストを下げるための工夫をいくつも重ねているに違いないのです。見かけは変わらないとしても、見えない所でのグレードダウンを図り、モデルルーム以外の、図面では気付きにくい箇所で仕様を変更したりします。

決定的な項目を挙げれは、直貼りにすること、天井高や階高を下げること、駐車場を減らすことなどですが、小さなコストダウンのアイディアを何十か所も盛り込み、その合計で何%かのコストダウンを図るのです。

コストダウンが快適な暮らしの妨げにならない程度なら許容できるかもしれませんが、資産価値の観点では、下手すれば「安物」を買ってしまう懸念もあるので注意しなければなりません。

●マンションの価値の大部分は立地条件

コストダウンを図った部分が見えてしまうと、買い手の購買意欲は萎えてしまいますから、売主は巧妙に隠すものです。 法に定められた手段と方法により、説明と図面を開示するのですが、残念ながら素人には読み取る力が十分に備わっているとは言えません。

どんなに勉強しても限度はあるもので、見落としが起きます。そのせいで、完成内覧会のとき落胆させられる人も少なくないようです。

購入した部屋の玄関周り、外廊下の床と壁の仕上げ、エレベーターのグレード、エントランスホールの壁、天井、高さ、バルコニーの住戸側の壁の仕上げなどに初めて気づくからです。

ディテールにこだわり、上質感・高級感・個性といったものが感じられるマンションかどうかは一目で分かりますが、遮音性、通風、断熱、耐久性などは、見ただけでは分かりません。

後者は、時間が経過しないと、中には10年以上経ないと分からないことかもしれません。売却するときになって分かるような部分もあるかもしれません。

ともあれ、マンションの価値は立地が左右するという点を忘れてはなりません。

建物の細部にばかりこだわると肝腎の部分を見落す危険もあります。 複眼思考とでも言えばよいか、マクロに見る目とミクロの注意力とをもって最適な物件を選択して行かれますよう心から祈ります。

誤解しないで頂きたいのは、立地が優先すると言っても、建物は何でもいいという単純なものではないのです。

都心の方が郊外よりは一般に価値が高いとは言えても、同じような立地条件同士の物件を比較すれば、いうまでもなく建物価値で最後は差がつくのですから。

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蛇足ですが、最近、床は二重で天井が二重になっていないマンションを新築物件の中から発見しました。

大昔のマンションにはよく見られました。やたらと天井が高いので注意深く見ると天井が吹き付けでした。

今回発見したマンションの場合は、まさかそんな代物ではないでしょうが、果たしてどうなのか?

コストダウンのために階高(コンクリートスラブからコンクリートスラブまでの長さ)を抑えて設計し、天井高が低くなるのを避けるためにフローリングを直貼りにするという策(直床=じかゆか)の代わりに、床は二重にしておき、天井をクロスの直貼り(直天=じかてん)にしたということなのか?

もしそうなら、これまた願い下げです。

早く建築費の低下がやって来ますように。今はひたすら祈るのみです。

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