売却時の業者選び

マンションを売るに当たり、少しでも高く売ってくれそうな業者として、「手数料を半分にします」というチラシをポスティングして来た業者はどうかという質問。
ご質問にあるような業者が頑張って高く売ってくれるかというと、一概にはそうと言えません。仲介業者は、所有者と直接媒介契約を結んだ会社が経営的に有利なので、常に売却希望者を探しているのです。
　ご存知と思いますが、手数料は、売り手から３％＋６万円、買い手からも３％＋６万円を取ってよいことになっていますが、間に入る業者２社ならそれぞれ３％＋６万円の収入となります。通常は、売り手から委任された業者が、不動産情報ネットワークに物件を登録すると、別の業者が買い手を紹介してきます。そこで買い手と売り手が合意に達すると、仲介業者２社による売買が成立するという形になり、これが多いのです。勿論、売り手だけでなく買い手も自ら探した業者は、手数料が両取りの６％＋12万円となります。
　売り手から直接委任された物件を自家物件というのですが、それさえ手に入れられれば、買い手探しは他社に任せても黙って手数料が入って来るので、そうした物件を多く抱えることは、業者の命題になっているのです。
　言い換えれば、自家物件は販売努力をしなくても不動産流通機構（情報ネットワーク）に登録さえしておけば左うちわなので、手数料は少しくらい下げてもメリットはあるというわけです。
　売り手にとっても手数料が安いことはメリットですので、依頼するのは悪くないのですが、値段が下がったら意味がないことになります。買い手にとっては、高く売ってくれる業者さん、おまけに手数料も安い業者さんが良いわけですが、そんな業者はないでしょう。
　営業力があると言われる業者は、買い手の要求を聞いて、売り手に値段を下げさせるような交渉力にも秀でているということでもありますから、業者選びは結構難しいのです。
　強いて言えば、あなたのマンションをよく知っていて、買い手に対し売りマンションの利点や長所などを強くアピ―ルしてくれる可能性のある業者または営業マンということになるでしょう。まあ、営業マンと売り手さんの人間関係や、営業マンの熱心さなどが決め手になると言えますね。もっとも、売りマンションの担当が買い手と会って直接交渉できるかは分かりませんが。
・・・・・・三井健太