発想の転換が生んだ新幹線通勤

ブログテーマ：マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月５と１０の日に投稿しています。

バブル期のことですが、価格が高くなりすぎて通勤圏内にマイホームを持てなくなってしまった従業員を支援するため、新幹線で通勤することを積極的に勧め、その高額な通勤定期代を全額負担する企業が現われました。

当時、上越新幹線の高崎駅や東海道新幹線の三島駅などから乗車して都内に通勤するサラリーマンは、月額8万円前後の費用負担をすることなく遠距離通勤を楽しんでいたと新聞記事にありました。

某ハウスメーカーなどは、従業員のために分譲地まで用意したことで大いに話題となったものです。

三島駅、熱海駅、小田原駅、高崎駅、宇都宮駅といった関東外周部から都区内に新幹線通勤をしている人は、新幹線定期券による乗車数で見ると現状で1万人くらいだそうです。

　
終電が早いので飲み会を途中で抜けなければならないことを除けば、座って通勤できることと、何より価格が安いので、住宅ローンの負担が軽いこと、都区内のマンションと比較したらゆったりとした広さの家に住めることなど、メリットは大きいと言うのです。

ちなみに、三島駅や高崎駅の近辺で現在販売している新築マンションは見当たらないですが、東北新幹線の宇都宮駅には、80㎡で3500万円くらいの物件が見られます。

また、中古マンションなら三島も高崎も多数見られ、築15年前後で80㎡が2500万円ほどで手に入るようです。

新築にしても中古にしても都区内では考えられない値段です。

先に紹介した1万人の新幹線通勤者は、どのような経緯で遠方に住んでいるのでしょうか？

その調査データは残念ながら見つかりませんが、バブル期に親が都区内から移転して来た人の子が都区内に就職したものの、そのまま親元を離れず遠距離通勤を選択したのでしょうか？

あるいは、東京本社から転勤で移住したが、再び東京に戻った後も再移転せずに遠距離通勤しているのでしょうか？

まさか、バブル期のような大胆なマイホーム購買パターンではないと思いますが・・・

いずれにせよ、片道1時間前後の新幹線通勤は快適そのものらしく、家に帰れば広さも満足、家計的にもゆったりとした暮らしが送れると満足している人が多いようです。

首都圏のマンション価格は大きく値上がりして、選択肢が狭まっています。　買いたくても高くて手が出ないとか、気に入るものが中々ないとこぼす人が多い現状にあります。

こうなると、思い切った発想の転換を図らない限り、マイホームにはいつまでも辿り着かないのかもしれません。

筆者は決して新幹線通勤を勧めているわけではありません。　今日言いたかったことは、マイホーム選択に当たって一度出発点に戻ることが必須のように思うということです。

新築か中古か、マンションか一戸建てか、大手か中小か、地縁性にこだわるか知らない土地も検討するか、都心か近郊か、東か西か、北か南か、神奈川か埼玉か、タワーか中低層か、駅近の利便性か少し離れても環境重視か、広さを妥協するかしないか、長く住むのか10年程度で売却するのか、転居の際は売却するか賃貸するか等々、考え直してみるポイントはいくつもあると思うのです。　

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