東北太平洋地震とマンション

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。* * * * * * * * *
2011年3月11日に起きた東日本の巨大地震。マグニチュード9.0という世界最大級の地震、そして大津波は世界中を驚かしています。今日時点で、行方不明者の膨大な数、1万人を超えるであろうと予想される死者。避難所で不安な日を送る30万人余の人たち。私の親類も被災しました。幸い命は助かったのですが、これから生活をどのようにして行くのか全く不明な状態にあります。・・・・
新幹線が不通で、支援に駆けつけることもできないでいます。今日、ようやく電気が開通したと親類の一人からメールが届いたのですが、水は出ないし、食料も底を着きかけているそうです。私は自分が無力であることにいらだちを覚えています。でも何かできないか考え続けています。・・・・
ある親類の家は、鉄骨造りで土台がしっかりしていたのでしょうか。津波で冠水したものの、幸いにして元の位置に原形を留めているとのことでした。しかし、近隣の家は殆どが消失したと伝えてきました。・・・・・
今回の大地震は、地震動による建物倒壊ではなく、津波による流出被害が目立っていますが、震度6強の強い地震でしたから、津波の被害がなかった地域では、地震動だけで被害を受けた建物も多かったに違いありません。しかし、鉄筋コンクリートの建物は堅固であったことが分かります。津波の被害から免れている建物も鉄筋コンクリートであったことは、テレビ画面からも窺えます。・・・・・
チリの地震、メキシコの地震と、平成22年初頭に海外で続いた大地震のニュースに触れた時もそうでしたが、今回の東日本の大地震で、自分の記憶が再び蘇って来ました。・・・・・・・・・・・・・
私が体験したいくつかの地震の中で、最も強烈な記憶は、1995年に発生した阪神・淡路大地震です。いわゆる阪神大震災です。あれから16年が過ぎました。・・・・
その頃も東京に住んでいた私ですが、丁度その日は、大阪のホテルに居ました。出張で、いつものホテルのいつもの部屋で寝ていたのです。・・・・・・・・・・・
朝6時前のことです。大きく揺り動かされて目が覚めました。少しくらいの地震には驚かない私ですが、激しく揺れたことから、すぐにテレビのスイッチを入れてNHKの情報に目を凝らしました。初めは震度5強という発表でした。少し大きいなというくらいのことで、まあ、5くらいなら心配あるまい。そう思ったのです。あとで6強に訂正されるとは思いもよらないことでした。・・・・・
仕事に行く準備を整えて7時過ぎにホテルを出たのですが、どうも様子がおかしい。その日は奈良方面に行く用事があったのですが、交通機関も正常な運行状況でないことに気付きました。次第に情報が明らかになり、阪神間が大変なことになっていると知ったのは、昼過ぎのことでした。・・・・・
1週間後、再び出張が入り、今度は兵庫県の姫路市でした。しかし、交通は遮断され、大阪から西方面にはスムーズに行けそうにないことが分かっていました。訪問先の企業から、岡山に飛行機で来てバックするという方法を教えてもらい、そのとおりにしました。訪問先では、地震の話でもちきり、仕事にならないほどでした。・・・・
翌週、再び姫路に。今度は、大阪経由で行くことができました。といっても、途中で連絡バスに乗る必要がありました。JRが寸断されていたからです。バスを待ったのですが、満員通過ばかりでした。仕方なく30分以上も歩きました。その時に見た光景は、言葉に表せない凄まじいもので、今でも鮮明に記憶が甦ります。・・・・
戦争経験のない筆者ですが、映像で見た空襲跡の町はこんなであろうか。そう思ったものです。家という家が皆つぶれ、瓦礫の山が続いていました。・・・・・・
歩きながら、はるか先まで見通しが利く状態になった町にぐるりと目をやると、ポツリポツリと、そびえ残っている建物に気付きました。マンションです。見知ったマンションもありました。・・・・・
「あ~マンションって、なんと頑丈なのだろう」。その時、改めてマンションの強さを知りました。なにしろ、一戸建て住宅は、殆どが倒壊していたのですから。・・・・・
東京で、この話をすると、聞き手は皆、怪訝な顔をしました。テレビの報道は、マンション倒壊のニュースを盛んに流していたからです。それから暫らくの間、東京のマンションは売れなくなりました。・・・・
倒壊したマンションは昭和40年代に建てられた古いものばかりで、比較的新しい物は亀裂が入ったものの、生活できない危険なマンショも、倒壊したマンションもなかったのです。昭和57年に建築基準法の規定が改正され、新耐震基準ができました。それ以来、マンションはそれ以前のものより頑丈にできていたため、被害は小さかったのです。・・・・・・・・・・
しかし、テレビの影響力は本当に大きなものです。被災マンションの現場ばかりを映像として送り出し、丈夫なマンションは画面に出てこないため、被災地から遠くに居る人は誤解してしまったのです。・・・・・
その後、建築基準法が更に強化されて、マンションは一段と安全になりました。震度6強の激しい地震でも倒壊しないように設計されています。マンションは、揺れるから恐いという声がありますが、確かに階数や構造によっては、大きな揺れに見舞われることもありますが、倒壊はしないということです。・・・・・
マンション建設では、免震工法や制振工法が盛んに採用されている昨今ですが、これは耐震性に揺れが少ないという利点が加わった優れものです。しかし、そうでない普通のマンション(耐震設計)でも、心配はほとんどない。それが、私の実感です。・・・・・・・・・・・・
大地震でマンションが倒壊するとすれば、その時には大抵の建築物が倒壊し、都市そのものが壊滅状態になっている。つまり、どこにいても同じこと、どんな家に住んでいても同じであろう。私は、そう考えています。・・・・
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