独立型キッチンの長所

●対面型キッチンのオープン化現象

マンションに対面式キッチンが登場したのは、いつごろだったでしょうか?最近のキッチンスタイル「対面型」は、流し台の上部にあった吊り戸棚も取り払われて開放的な、まるでリビングルームのインテリアの一部という印象さえ受けるものが主流になっています。

対面式が登場した頃は、作り手もニーズを捉え切れて切れていなかったのでしょう。他のタプも半分はあったと記憶します。他のタイプとは、「独立型」と「壁付けのオープン型」の2種です。

それまでのキッチンは、すべて後者の「壁付け」タイプでした。つまりダイニングルームにいる家族に対して背中を向けて調理するという姿でした。

その昔、キッチンは寒く暗いイメージで、単なる主婦の家事労働の場所でしたが、マンションが都市住宅の主流になるに従い、裏方から表舞台に躍り出たのです。その風潮を後押ししたのが、対面式キッチンでした。

家事労働というより、楽しいクッキングスペースとして住まいの中心になって行きました。いわゆるシステムキッチンという商品開発と連動しての変化だったとも言えます。

システムキッチンは進化を続け、今はマンションデベロッパ―のオリジナル商品も増え、きめ細やかな配慮の盛り込まれた、本当に便利で美しい姿になりました。また、冒頭で述べたようにインテリアの一部としてこだわったものも多く登場しています。

●独立キッチンのススメ

このような流れに逆らうかのように「独立型」キッチンが今も健在ですが、必ずしも人気があるわけではないように感じます。

新築マンションでは「対面型」、しかもオープン型がすっかり定着しました。検討者の女性は、このキッチンタイプにある種の憧れを抱いているようにも見えます。

しかし、マンションの間取りを物件ごと一覧すると、必ず「独立型」キッチンが混在しています。圧倒的に「対面型」が人気なのに「独立型」が少なくないのは、どうやら意識して誕生させたのではないように思います。

敷地に対する建物の配置計画上、なるべくしてなった事例も多いのです。特に1住戸の計上が変形になりがちなタワーマンションに「独立型」が見られます。

ともあれ、人気薄の独立キッチンも見ようによっては利点・長所もあります。メリットとデメリットを整理しておきましょう。

①暗い・・・角住戸ではキッチンに窓が付くケースもありますが、中住戸は暗いのが欠点です。

②リビングが狭く見える・・・リビング・ダイニングの一角にキッチンがある形が普通ですが、オープンタイプのキッチンは全体を見渡せる開放感があり、この部分を狭く見せないところが長所です。対して、独立キッチンは初めから区切ってしまうため、リビング・ダイニングが狭く見えてしまうのです。

③暑い・・・言うまでもなくキッチンは熱気がこもります。換気扇があるとはいえ、クッキングの熱がキッチン内部にこもってしまうのです。

④孤独感がある・・・楽しいはずのクッキングも家族から遮断された形になるのが寂しい

⑤生活感が出にくい・・・キッチンはモデルルームのように綺麗なものではなく、実生活では雑多に物が並び、最も生活臭が強い場所と言えます。ふいに客が来たら、見せたくない物が見えてしまうので、独立キッチンが好きという主婦もあります。仕事を持つある主婦は「ボロ隠し」と表現しました。

⑥来客に手元を見られずに済む・・・客に、お茶やお菓子を用意するとき、手元が見られない。音が聞こえづらい

⑦リビングが汚れにくい・・・料理の残滓(ざんし)が、リビング・ダイニングまで拡散することがない

⑧料理の臭いがリビングに残らない・・・これも同様です。

いかがでしょうか?独立キッチンも悪くないと思うのですが。飛躍しますが、何事もメリットがあればデメリットがあるのですね。独立型には長所も少なくないですし、対面型も長所ばかりではないのです。

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