8月10日その2「マンション着工戸数は増加傾向だが・・・」

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

2008年1~6月55,400戸/2010年1~6月22,006戸/2011年1~6月36,527戸
この数字は首都圏(1都3県)のマンション新規着工戸数を表わしたものです(国土交通省調査)。今年の上半期は前年同期比66.0%増と、大震災の影響も見せず、大きく伸びましたが、2008年の同期に比べると、3分の2の水準に留まっています。
2008年は、リーマンショックが起きた年で、近年のピークでした。このレベルまでの回復は、おそらくもうないでしょう。

さて、上記の数字は、どんな意味を持つのでしょうか?中身を検証してみました。

問題は、東京都が着工増加の中心であることです。データは省きますが、埼玉県や千葉県の新規供給は極端な低水準にあることです。反対に、都心の供給数は十分需要に見合うレベルと言えそうです。

首都圏全体では、半期で36,527戸を単純に2倍すれば72,000戸ですから、着工ベースでは首都圏の年間需要量とほぼマッチするレベルです。しかし、都心の高額な物件を購入出来る人ばかりではありません。都区内に住んでいても、予算的な事情から郊外で探したいとする人も多数あるのは事実です。

言うまでもなく、首都圏の働き手の全てが都内に通勤しているのではなく、それぞれの県で仕事をしている人も多いわけです。県内に勤務する人は、県内でマンションを買いたいと考えています。また、都区内に勤務している人の中にも、価格の手ごろな地元での購入を希望している人は少なくありません。

こうした需要に対し、供給が足りない「ミスマッチ状態」にあると見られること。ここに問題があるのです。因みに、6月の千葉県の新規着工戸数は僅かに222戸、埼玉県も481戸でした。

首都圏以外の地域も、同様の傾向が見られます。近畿、中部、その他の地方大都市圏も供給量は低迷しているのです。

都区内を除く各地域での着工戸数が少ないということは、今後販売されるマンションを待っていても、希望条件を満たすマンションがさっぱり出て来ないという状況が続くことになりそうです。

今後、マイホーム購入を検討したい人は、新築マンション、中古マンション、建売住宅、中古住宅と対象を広げることが必須になっているかもしれません。

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)

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