いま郊外マンションの人気には疑問符が付く

ブログテーマ:マンション購入に関する疑問や各種問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。・・・・・・
2月10日のブログに「売れ行きを見て物件価値を判断するのも悪くない」ということを書いたが、誤解があると大変なので補足をしておこうと思う。span>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2011年現在、首都圏ではマンションの販売は大変好調に推移していることが、各種データからも明らかである。そのおかげもあって、デベロッパー各社は供給量を増やし始めた。2010年1年間の新規発売戸数は、前年比で22.4%も伸びたのである。その中の13.3%が即日完売だったという。・・・・・
2011年も発売戸数は更に増える見通しという。売れ行きも恐らくは好調を維持するのではないかと思われる。(何やら不穏な空気が中東にあり、原油高騰が今後どう景気に影響してくるか注視しなければばらないが)今春発売を予定している物件の中には、今から即日完売間違いなしと予想されている物件も多い。・・・・・
だが、問題なのは供給地域の偏りである。簡単に言ってしまうと、東京都内偏重で、郊外が少ないということ。いわずもがな、郊外は価格が安く、都区内は高い。3LDKで2000万円台後半から3000万円台のお手頃物件の供給割合が少ないことを意味している。・・・・・
新規発売戸数が増えるのは、埼玉県、神奈川県、千葉県も例外ではない。だが、その絶対戸数はとても少ない。需要に見合う戸数が供給されるわけではなさそうなのである。・・・・・
首都圏のマンションデベロッパーの数は、ピーク時には500社を超えていたが、現在は200社をはるかに下回る。2008年に起きたリーマンブラザーズ事件以降、世界的な金融危機とそれに続く景気後退がマンションデベロッパーの経営を直撃し、市場から退場を余儀なくされてしまった。残った業者は、大手または大手系列ばかりとなってしまった。このため、低額物件のシェアが高い中小デベロッパーの供給分が、市場からごっそり消えてしまったのである。・・・・・
郊外には、噴火寸前のマグマのように、購買層が溜まった状態にあると言える。従って、品薄の郊外マンションは、どんな物件でも高い人気を集める可能性が出て来た。・・・・・
人気が高いと聞くと、その品物はとても良いものだと錯覚する。これが人間心理だ。しかし、たまたま、今の時期は品数が少ないために人気を集めてしまうだけで、一過性の人気であることに注意しなければならないのだ。・・・・・
勿論、郊外物件がすべてそうだというのではないのだが、この物件が人気と聞くと、首をかしげざるを得ないものがいくつもある。そこで、物件価値を判断する冷静さが求められることになる。モデルルームがごった返していたというだけで、良い物件だと判断してしまうのは少し安易過ぎることになるかもしれない。・・・・・
最寄り駅から徒歩5分以内にあることや、都心までのアクセスが良いこと、街の発展性が確実に期待されること、もしくは将来の衰退が懸念されないことなど、立地条件に関しては念入りに調べ、熟慮したいもの。・・・・・
住んでみたい街ランキングの下位にランクされているとか、幹線鉄道でない、新線ではあるが街の発展スピードがゆっくり過ぎるといった懸念、街が既に成熟し、衰退の方向に向かっている可能性が高い。今春発売物件を見ていると、こうした地域の物件もいくつか見られる。・・・・・
それでも、競合もないし、販売が途絶えていた地域だから、きっと売れてしまうのだろう。そんな予想ができる物件も少なくない。しかし、私には「それを買ったら将来きっと後悔するだろうなあ」と思える物件がある。・・・・・
人気に釣られて早合点しないことを祈りたい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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