モデルルームで必ず聞きたい重要項目

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

●質問を忘れるほど夢中にさせるモデルルームの巧妙な仕掛け
新築マンションのモデルルームには、魔力があります。その演出と最新の設備に心を奪われてしまい、肝心なことを聞き忘れてしまう見学者が実に多い。そんなことをときどき感じます。経験者なら、想像いただけることと思います。
販売センターには、モデルルームをはじめとして、購買意欲を掻き立てるための仕掛けが多数用意されており、その中身は強力な販売ツールとして見事なものがあります。
仕掛けは別にしても、古い賃貸マンションなどに住んでいる人から見ると、モデルルームの設備の新しさやインテリアデザインなどは感動的でさえあるようです。思わず感嘆の声を上げてしまう人も少なくありません。

モデルルームは、クルマと同じでスタンダードではなく、最もデラックスなタイプを展示するのが普通です。極端なケースでは、そのマンションにたった1戸しかない、広くてルーフテラス付きなど最高の部屋をモデルルームとしていることさえ少なくありません。
そんなモデルルームを見せられたら、舞い上がってしまう人が現われても不思議ではありません。冷静さをなくし、見た眼の豪華さと、表面的な“売り”の部分のみが頭に焼き付けられて帰途につくこととなります。売り手の思惑にまんまと嵌まるのです。

また、マンションの特徴はモデルルームだけでは説明できませんから、売り手は模型を展示したり、映像を使って夢のようなマンションライフを想像させようとしたりしながら、商品の購買意欲をあおり立てます。

●説明をあえて省略する部分があることに気付こう!
これらのアピールは、一口で言えば「どうです、凄いでしょ」と自慢しているように見えます。営業マンの口からも繰り返し“売り”の部分が強調されます。しかし、並み以下の部分は大抵積極的に説明しようとはしません。
法律に定められた重要事項は嫌でも説明しなければなりません。また、あとでクレームにつながりそうなことは、説明しておこうと考えます。
ところが、重大な欠陥とは言えないもの、あるいは建物の品質面で普通以下の部分などは、決して説明をしようとしないものです。

重大な欠陥ではないのだから、聞いていなかったとしても問題はないのでは?そんな疑問をここで感じた人もあるかもしれません。ところが、そうとも言えないことが多々あるのです。

次のリストを見てもらうと分かりますが、マンションの基本性能に関する質問が中心です。つまり、実際に住んでみて快適に暮らせるかどうかを左右する部分なのです。いわゆるデザインや大きさ、広さといった目に見える部分とは無関係なものです。

例えば、4番の「耐震等級」は、多くのマンションが「1」です。それでも震度6強から7の地震が来ても倒壊しないはずです。しかし、等級2なら、その1.25倍の強度ですから、より安心できるというわけです。
等級2なら、いかにも凄いでしょと言わんばかりに胸を張って力説するに違いありませんが、等級1のマンションでは、質問されない限り「等級1ですから安心です」などとは言いません。
だから質問をしてみることが大事です。そして、きっと「大丈夫」と答える営業マンに、どう大丈夫かを突っ込んで聞いてみましょう。その結果、納得と安心感が得られたら後悔することも少ないでしょう。

●何を質問してよいかが分からない人のために
このような例は多数あります。
ただ何を聞いてよいかが分からないという買い手さんも多いものです。営業マンは「何かあればいつでもご質問ください」などと、商談の最後で百万ドルの笑顔を見せながら、しかも誇らしげに言いますが、その実「そこには触れてほしくない」ものを隠し持っていることが少なくないのいです。

例えば21番の断熱に関わる問題ですが、「1階の専用庭」をセールスポイントとして語ることはあっても、その反面1階住戸の冬の寒さには決して触れようとしません。
実際にどのくらい寒いかは、住んでみて上階の部屋と同時間帯に比較してみるしかないため、分かりようがありません。しかし、断熱の設計と施工精度次第では、1階はとても寒いと感じる例が少なくないのです。
場所によっては、暖房費がびっくりするほどかかるという問題が起こる場合があります。それに気付いても後の祭りで、クレームの持って行きようはありません。

これらの質問を落としても致命的な問題は起こらないかもしれません。しかし、入居後「しまった、やっぱり選択をあやまった」と後悔し、入居して1年もしないうちに売却という例が実際に数多くあります。
売却で損失を被るからと、そのまま住み続けるとしても、ストレスを感じながらでは楽しくありません。
以上の意味から、転ばぬ先の杖として下記リストを印刷して活用されることをお勧めします。こんな物を持ち歩くのは気が咎めるという人は、自宅に戻ってからメールで質問するという使い方もありますね。

<  >内は望ましい答えです。

●基本性能についてお尋ねします

1.長期優良住宅の認定は受けていますか?(例は少ないのが現状ですが)

2.設計性能評価は受けていますか?

3.建設性能評価は受けていますか?または、受ける予定ですか?<YES>

4.耐震強度は何等級ですか?<2または最高ランクの3>

5.免震構造ですか?<YES>

6.または制震構造ですか?<YES>

7.耐震ドアですか?<YES>

8.非構造壁にスリットはありますか?<YES>

9.自治体認定防犯マンションですか?<YES

10.オートロックは何か所ですか?<2箇所以上>

11.エレベーター内に監視カメラは有りますか?<YES>

12.各戸玄関の鍵の性能は?

13.駐車場の出入りはフリーですか?<NO>

14.駐車場に監視カメラはありますか?<YES>

15.バルコニーからの侵入防止策は?<センサー付き>

16.共用廊下側の窓の侵入防止策は?<センサー付き>

17.二重床ですか?<YES>

18.二重天井ですか?<YES>

19.コンクリートの劣化対策はどのようになっていますか?

20.コンクリートの強度と耐久年数は?<24ニュートン。60年以上>

21.最上階と最下階の断熱処理は?<外断熱>

22.角住戸と北側個室の断熱処理は?

23.窓の断熱性能は?<Low-E複層ガラス>

24.窓ガラスの遮音性能は?(交通量の多い道路面の場合)

25.この間取りの場合、風通しはどうでしょうか?

26.給水管の材料は?<ステンレス鋼管>

27.将来のリフォーム対応は、どこまで可能ですか?<S&I構造がベスト

28.間仕切り変更は可能ですか?

29.エアコンの設置不可能な個室はないですか?<無い>

30.大梁が部屋を横断していませんか?<いない>

31.梁下寸法は?箪笥を置ける?

32.柱の出っ張りはないですか?

33.エレベーターの台数は少なくないですか?<問題ない>

●アフターサービスと管理内容についてお尋ねします

34.重要な部位のアフターサービス期間は何年?<10年以上>

35.定期点検の頻度は?また、最後は何年目まで?<10年以上>

36.長期修繕計画書は何年先まで作成していますか?<30年>

37.管理人の勤務体制はどうなっていますか?<1日7時間週5日以上>

38.夜間の管理は機械のみですか?<有人管理>

39.ゴミ出しはいつでも可能ですか?<いつでも>

※スムーズに答えられない担当者には注意が必要です

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。
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