マンションのオーダーメード・ヒント集

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

「間取りをある程度自由にできるマンションが望ましい」と考えている人は、検討者の半数近くを占めるのだそうです。新築マンションポータルサイト MAJOR7(メジャーセブン=住友不動産・大京・東急不動産・東京建物・野村不動産・三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンスの7社)の調査データがそれを示しています。
その結果を受けてということでしょうか、最近、新築マンションの販売の際、一定の制約はあるものの、間取りの変更が以前より大掛かりにできる物件が増えています。
多くは、予め用意されたメニューの中から選択する方式ですが、それでもバリエーションが随分豊富に用意されるようになったという印象があります。

●500通りのバリエーションを謳うマンションも
工事がもうだいぶ進んでしまったので、今はもう希望を叶えられないかと思うのですが、川崎市内で販売中の「ワンズレジデンス」という物件では、何と500通りの間取りが用意されていました。
標準タイプが14あり、それぞれが8~10の変更バリエーションを持つというので、選ぶ楽しみのある物件ということが言えるでしょう。

マンション工事は、所定の期間で終わらせることが必要なため、変更(選択)の期限を設けるのが普通ですから、竣工時期が近づくほど選択が困難になっていくという恨みはあるものの、間取りを含めて個性を発揮したい人には嬉しい販売システムと言えるでしょう。

また、メニューから選択するのではなく、オーダーメード的な「自由設計」を標榜する販売方法を導入しているマンションも、少数ですが存在します。
この方式では、売主側が参考に用意したプランもありますが、基本は買い手の希望を聞きながら間取りや設備等を採り入れて行くことが可能なスタイルが「自由設計」です。
工事の進捗状況によっては、自分好みの注文マンションを手に入れることが可能になるというわけです。

●マンションライフを楽しくするオーダー例
可能であるなら、自分流の住まいを実現したいと考えている人のために、マンションの室内設計に関するアイディアをいくつかご紹介することにします。少数ながら既存のものが中心で、特に目新しいものではありません。既に、紹介するアイディアが盛り込まれたマンションも実在しますが、検討してみてはいかがでしょうか?
◆下足入れ扉の裏にスリッパハンガー
玄関はなるべく物を置かずに広く使いたいものですね。必須のスリッパラックも床に置かずに、下足入れの扉を利用すると重宝です。

◆玄関ホールに壁付けコートハンガー
狭い玄関に無理にワードローブ(コート入れ)を設けても、嵩張るコートは納まりきらないことが多いものです。ぎっしり詰まった状態ではシーズン中の出し入れはとても面倒なもの。可動式のコートハンガーをインテリアとして置く方法もありますが、狭い玄関が余計に狭くなりがちです。そこで、お勧めするのが壁掛けハンガーです。
既製品を購入して入居後に付ければいいのですが、壁が石こうボードになっていたり、コンクリート直貼りクロスであったりすると、取り付けは困難です。予め売主に下地取り付けを依頼しておきましょう。

◆パントリー(食品庫)のあるキッチン
食品ばかりでなく、様々な台所用品や頂き物の食器、小型家電などを収納するのにも便利。システムキッチンの収納や、食器棚だけでは不足することが多いので、パントリ-は重宝。

◆流し台の最下部に脚立をしまえるスペース
吊り戸棚の中の物が取りにくい人には、脚立があると便利。これを仕舞っておくスペース。

◆主婦の家事用具を一切合財、収納・整理するための専用棚・専用引き出しコーナー
仕舞う場所など、どうにでもなるようなことですが、整理・整頓好きな主婦には「わたしだけ」の収納スペースがあるのは嬉しいものです。

◆天井空間を利用した物入れ
飛行機の座席上にある荷物棚のような、扉を下に引いて開ける形状が使い易い。普段使わない小物類を収納するのに便利です。

◆寝室の壁面を天井までのネットハンガーで覆う
部屋が狭くならないことが、お勧めの理由です。このハンガーに洋服を掛けてみると、その量の意外な多さに驚くことでしょう。クローゼットに入りきらない物を掛けたり、絵画などを掛けたりしてインテリアに変化を持たせることも可能。子供部屋なら、ハンガーにフックを付けるとカバンや野球のグローブ、帽子などを掛けておくことも可能です。

◆寝室からまっすぐ台所に行ける間取り
忙しい主婦にとって、最短コースでキッチンに行ける動線が嬉しいものです。朝おきたら「廊下に出ず直行でキッチンに」ですね。

◆寝室から洗面室へダイレクトに行ける間取り
これも最近はよく見かける間取りですが、一旦廊下に出ないで寝室と洗面所(浴室)を行き来することができる動線は何かと便利です。

◆オープン型対面キッチンが、ときには「クローズドキッチン」に変貌
キッチンをインテリアの一部に見なす傾向が強まって、開放的なタイプが主流ですが、それが嫌いな人もあります。そうした人のためには、独立キッチンが良いわけですが、閉鎖的なキッチンと開放的なキッチンと、両方使い分けたいというニーズも実はあります。
そのような人には、普段はオープンに、必要な時はクローズするという「扉付き対面型キッチン」がお勧め。カウンター部分に折れ戸または不透明ガラスの引き違い戸を設けます。

◆雨の日に洗濯物を乾すスペース
洗濯機置場の上部、幅60センチほどのスペースに洗濯物を一時的に掛けられるハンガーパイプを設置。下着干し場としても重宝ですね。
浴室内に干すこともできますが、ここの方が入浴のときに取り込む面倒がないので便利です。但し、たくさんは無理です。そこで、もうひとつのアイディアは、洗面所の天井にハンガーパイプを据え付け、必要なときだけ引き下げて使うという製品の利用も検討しましょう。

◆居間の隣の部屋を「家族共用のスタディルーム」にする
モデルルームでよく見られるリビングに繋がるオープンなDEN(私室)は、書斎のイメージで展示されていることが多いですが、むしろ家族全員の共用室とし、パソコンを利用したり、子供の学習場所として使ったりしてはいかがでしょうか?

◆リビングの隣の個室を高床の和室に。床下は収納にも
マンションの和室は随分少なくなったように感じますが、あると何かと便利なものです。バリアフリーが絶対の家庭でなければ、和室の床を高くすることをお勧めします。
雰囲気の異なるリビングスペースとして、客間として、茶の間として使い分けることができます。
床下はリビングルーム側からの引き出し収納に活用できます。天井が高い物件なら、床高を大きく取って掘り炬燵を設けるのもいいですね。

◆対面キッチンのカウンターを大き目に造り、引き出し等を設置する
子供は子供部屋で勉強するということでなくていい、むしろ部屋に閉じこもることが減るようにした方がいい――このような研究結果もあるようです。ならば、ダイニングに学習机があったらいいですし、勉強コーナーを設置してもいいわけです。
そこで、対面式キッチンのダイニング側に、流し台を囲うような形で大型テーブルを造り付けるというアイディアが生まれます。

◆対面キッチンのカウンター下を収納にする
これは、モデルルームでよく見られるオプションです。ダイニングテーブルを置くと邪魔になって使いにくい場合もあるので、カウンター下の全部を使うか、半分にする、二つに区分するなど、工夫が必要になります。

まだまだアイディアは尽きませんが、参考になれば幸いです。下記の書籍も参考になると思いますので、ご利用ください。

★無料プレゼント!!新刊書籍「マンションのダメ間取りと名作間取り 特選50」
三井健太監修の「マンションのダメ間取りと名作間取り 特選50」が完成。本書(電子書籍)は、購入予定者がマンションの間取りの実態(欠点)を知って頂くとともに、様々な制約の中で工夫を凝らして実現させたディベロッパー各社の秀逸なプラン・名作間取りに触れて頂きながら、目を肥やして頂くことを狙いに編集したものです。
そこで得られた知識は、良い間取りを見極める目を養うとともに、カスタムビルドの間取りを自らつくるときに大いに役立つことでしょう。少なくとも、住んでから「ダメ間取り」に気付いて後悔しないための一助ともなるはずです。
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