マンション購入で「あるべき優先順位」とは?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

何もかも条件が整っていて、非の打ちどころにないマンションは存在しない。こう断言しても過言ではありません。
筆者が知る限り、完璧なマンションは数年に1物件出るか出ないかですが、立地条件、建物の質、管理サービスの内容など、どれも庶民には憧憬の存在でしかありません。当然その分譲価格は恐ろしく高く、億円単位になるのは言うまでもありません。
このような物件は、価格の高さにも欠点がひとつだけあります。それは価格です。その意味では「完璧」ではないことになります。
そう考えると、どのようなマンションでも、美点と欠点、一長一短、メリットとデメリットがあることになります。やはり、完璧な物件は存在しないのです。
だからこそ、買い手は購入の際に葛藤するのです。おそらく、最後は何かを妥協して決断しているはずです。言い換えると、何かを決め手として購入の意思を固めているのです。
今日は、「決め手をどこに置くべきか」または「優先順位の決め方」について考えて行くことにしました。

●あちら立てればこちらが立たず
おそらくパーフェクトな物件はないのでしょう。多くの購入者が、どこかを我慢し、どこかを優先しながら決断していくのだと思います。
そのとき、何を外すかが問題です。
「内装が気に入ったから」や「設備が良かったから」、「駅に近いから」といった目に見える要素が決め手になる人もあれば、「担当者が誠実な態度だったから」という決め手を語る人もあります。更には、「価格が下がったから考え直して決めた」という人も現実にいます。
そこに至る過程では、例えば以下に挙げるような葛藤もあります。つまり、「あちら立てればこちらが立たず」は誰もが経験することでしょう。

<マンション購入の際に発生する葛藤の例>
高くても有名マンションVS無名な割安マンション
共用施設の充実した物件VS管理費の安さが売りの物件
部屋数VSリビングの広さ(同じ広さの2LDK VS コンパクトな3LDK)
高い角部屋VS安い中部屋
広い東向きVS狭い南向き
静かな住環境VS駅からの近さ
便利な東京湾岸エリアVS遠くても地盤強固な内陸部
大規模マンションVS小型マンション
タワーマンションVS低層マンション
高層階VS低層階
眺望VS価格
アイランドキッチンVS普通のキッチン
家族の希望VS自分のこだわり

――こうして並べてみると、キリがないほど事例が思い浮かんで来ます。もちろん、このような二者択一の単純なものだけではありませんね。複数の要素が複雑に絡んで来るのが普通です。この点とこの点は気に入ったが、気になる点は複数あり、どうしたものかと思い悩む人は少なくありません。

●大事なことは何か?
毎日の生活の基盤が家・マンションです。通勤の便や買い物、学校など欠かせない条件があり、自己実現の欲求とでも言うべき「こだわり」も重要です。こだわりとは、好みと言い換えてもよいでしょう。
そうした前提条件や希望などを満たそうとして物色するものの、何もかも満たす物件は存在しません。先に述べた通りです。

モデルルームを見て「こんなマンションに住みたい」と感動したが、よく考えたら通勤が大変だなので悩んでいるという例があります。
予算が少ない自分たちにとって広さが魅力の物件だが、バス便が問題という例もあります。
場所も建物も最高だが、買える部屋は1階の日当たりの悪そうな部屋しかない、こういう選択をして問題は無いか。どうなのだろうかと悩む人もあります。
長く住みたいので、日当たりと眺望を重視しているが、予算は希望の広さ・間取りに届かない。どうしたらいいのか。こうした悩みを訴えて来る相談者もあります。
また、自分は一流志向なので「売主」や「場所・アドレス」を優先しています。今とても気に入っている物件があるのだが、施工会社が大手ゼネコンでないのが唯一のひっかかりとして残っている。問題はないかと相談して来る人も。

こうした悩んだ後、最後のところは些細なことが決め手になっても不思議はないものです。ところが、そのときに大事なポイントを置き去りにしてしまう人が少なくありません。筆者にはそう思えて仕方ないのです。では、何を忘れてはいけないのでしょうか?
通勤・通学などの絶対条件は別とし、その他で大事な条件、そして優先順位はどのようなものでしょうか?
提案したいのは、将来の売却を想定し、その価値を決める要素を忘れないことです。その前提を置くと、優先順位も決まって来ます。それを次に紹介しましょう。

●価値を左右する条件と順位
全ての条件が揃っていなくとも、以下のような順番で条件を満たしていれば高い価値を持つマンションとなります。
第1位:立地条件
(地域一番の場所。できたら都心に近いこと。最寄り駅に近いこと。5分以内が理想。妥協しても7分。最も価値を左右します)
第2位:建物規模
(少なくとも50戸以上。小さ過ぎると管理費が割高になるか、管理内容が悪くなるため。また一定の規模がないと共用スペース・共用設備も貧弱になるため)
第3位:外観・玄関・空間デザイン
(外から見て他人が羨むようなものであること。価値の源泉です)
第4位:内装や設備など、その他の建物プラン
(同じような価格の物件は、どこも大差がないので後順位になるのです。向き、階数、間取り、設備・仕様などを総合的に見て選択します)
第5位:ブランド
(有名業者が売主、または大手ゼネコン施工の物件。これは第4位に繰り上げたいほどですが、ブランドにふさわしくない物件も見かけるので5番目としました)

一番目の立地条件が該当しない物件は論外です。他の条件が束になってかかっても立地条件の比重を上回るものではありません。
ともあれ、第1から、せめて第4位までは満足している物件を選びたいものです。これらはリセールバリューに大きく影響すると思って間違いないからです。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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