値下がりするかもしれないマンションを買う場合の考え方

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
立地条件の良いマンションは、価値が下がりにくいものです。駅10分より、駅1分の方がマンション供給の確率は低く、従って、駅1分のマンションは稀少価値を生むからです。

反対のケース。都心から遠く離れた駅は、駅前でも青空駐車場や空き地があり、マンション供給がいつでもできそうな雰囲気を漂わせています。駅から少し離れると、軽工業の工場や資材置き場があったりします。
そこへ建てられるマンションは稀少性に乏しく、新築マンションが年に2、3棟は発売され、1年中「モデルルーム公開・好評分譲中」の広告が目につきます。

このような場所では、中古マンションが値上がりすることはありません。最新の設備とインテリアで化粧された新築との競争に勝てず、いつも安値取引になってしまうのです。

地方に転勤し、いつまでも狭い社宅住まいというわけにはいかないからと、地方都市でマンションを買ってしまう人もいます。その場合も、中古になったとき、ショックを受けるほどの値下がりに見舞われるケースがあります。

このような対比を知った後でも、安値になる懸念を持ちながらマンションを購入する人が存在します。

今日は、値下がり必至のマンションを買うときの考え方と対策をお話ししようと思います。

●住まいは売らない限り、経済的な損得は現われない
25年以上も前(1988年以前)にマンションを買った人の多くは、大きな値上がりを体験しました。タイミングや購入した物件・場所によって差はあるものの、短期間に我が家が2倍、3倍になったことで驚いたものです。

しかし、現に住んでいる家の値段が何倍になろうと、何の得もありませんでした。むしろ、固定資産税がアップしたことで苦々しく思った人もあったはずです。

一方、売却した人は驚くとともに、手にした金額に喜び一杯だったことでしょう。ただし、その金でもっと良い住まいを手に入れようとすると、郊外のまだ値上がりが及んでいない街へ行くほかにありませんでした。売却した場所の近くは同じように値上がりしていたため、売却して得た金銭に(新たなローンなどで)プラスしなければランクアップした家は買えなかったからです。

反対に、バブル期に高額な住まいを購入した人は、その後の極端な値下がりを体験することとなりました。

何かの事情で売りたいとなったとき、現実の厳しさにぶつかりました。売却して得る金銭では住宅ローンの残債を清算できないことを知ったからです。いわゆる追い銭が必須でした。
その金額の大きいこと。結局、売却を断念した人も多かったはずです。

これは、含み損を抱えてはいるものの、損失を確定しないで済んだというケースですね。

つまり、値下がりしても、売却しなければ損は表面化しないのです。

●永住はあり得ないとしたら
近年、永住志向の買い手が増えたと言われますが、私にご相談くださる人の100%が検討マンションが値下がりしないかどうかに強く関心を持っています。

10年から20年くらいの幅で、将来の売却を想定しています。その中には、値上がりが期待しにくい場所での購入を予定している、つまり、都心でない場所で購入を検討しているご相談者も多いのです。

それでも、少しでも値下がり幅が小さい買い物をしたいという希望を持っています。ところが、どう見ても厳しい予想しか出せない物件を買おうとしています。

こうしたケースでは、何年か先に損失が実現してしまうのです。それを覚悟して購入することになります。としたら、購入するときの心構えはどうあればいいのでしょうか。

●見方を変えてみよう!!
大きく値下がりしても、次のように考えれば、損とは言えなくなるという考え方があります。それを紹介しましょう。

シミュレーションとして、15年間住んだ後に転居する場合を想定します。

①まず、今後15年間の生活を家族で楽しむ(快適に暮らす)ための買い物であると考えます。

②購入住戸を賃借したと仮定した場合、毎月の賃料はいくらになるか調べます。15万円の家賃が相場としたら、15年間で15万円×15年×12カ月=2700万円の賃料総額が消える計算です。

③15年後に売却するとき、家賃を払ったと仮定した分の2700万円の値下がりでトントン。それ以下の値下がりで済めば、その差額が儲けになると考えます。もし、購入マンションが4000万円とし、15年後に半値の2000万円になったとしたら、700万円の儲けが出る理屈です。

④しかし、半値になった場合、住宅ローンが清算できる金額を確保できるでしょうか。金利によりますし、借りた金額によっても異なります。その計算は銀行のHPなどで簡単に計算することが可能です。清算が難しい場合は、15年の間に可能な限り何度か繰り上げ返済を実行し、残高を減らすよう努力することが必要です。

⑤次善の策はこうです。繰り上げ返済はせず、次の住まいの頭金として確保しておきます。最初のマンションは、売却しないで賃貸します。賃貸することで、他人にローンを返済してもらうようなものです。
いずれ完済するときがやって来ます。そのときに売れば、更に値下がりしたとしても、築30年ほどのマンションは購入価格に対し30%程度で納まることが多いはずです。その結果、手元に老後の生活資金として(4000×30%で)1200万円くらいは残ります。
勿論、この30年間にマンション相場が上昇していれば、もっと高い金額で売却できるので、手残りは1500万円かもしれないし、運が良ければ2000万円くらいになるかもしれません。

●価値観は個人差が大きい
値下がりしても、つまり経済的な損失を被っても、精神的利益が大きければ、トータルでは損はないと言えないでしょうか?

郊外に住んだおかげで、我が家は大きく値下がりしてしまったが、その代わりスープの冷めない距離にある親の家を行き来して親孝行ができたと思えばいいのです。親が子供(親から見て孫)の教育に一役も二役も買ってくれ、金銭では測れない結果を得ることもできます。

こうした考え方をすれば、損得は二の次となってくるかもしれません。価値あるマンション、値上がりするマンションを選択するよう情報を収集する、勉強するという姿勢は大事です。

しかし、思惑通りにならないこともあるでしょう。今日の話が、そんなときの参考になれば幸甚です。

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