中古をあきらめて新築を買うという選択も出始めたか?

新築は高いので中古をずっと追いかけて来ましたが、どれもこれも気に入るものに巡り会えないまま今日に至りました。最近、新築マンションをもう一度見てみようと検索していたら、思いがけず安い物件に遭遇したのです。この選択はありでしょうか?

こんなお便りが飛び込んで来ました。

普通は、「新築は高いから中古へ」という思考の流れになるものです。その反対もあることもあることを教えていただいた気がしました。とまれ、「中古は新築並みに高いし、リフォーム代もかかるから中古はかえって高くつくから新築へ」というケースですね。
そう云えば、以前も同様のケースは少なくなかったのです。単に読み飛ばして来ただけでした。新築志向が強い人は、中古を自ら否定する理屈が欲しかっただけと思ったものです。

初めから中古を探していた人が新築に鞍替えするというのは、それだけ中の取引が活発化し、値上がりも進んだことの証しなのでしょうか?

ともあれ、中古より安い新築とはどのようなものでしょうか?逆に、中古で新築より高い物件とはどのようなものでしょうか? ここをよく考えてみることが大事です。

今日は、新築・中古を問わず「価格の安さに惑わされないこと」についてお話ししたいと思います。

中古はリフォーム代が加算されるから高くつく、少なくとも新築並みになるというのは一理ありますが、それは大掛かりなリフォームをした場合です。やはり中古は新築より安いのです。

リフォーム代が壁紙の張り替え程度ですんだケース、それでも新築を上回る中古もあるのは事実です。千代田区の番町アドレスや港区麻布、青山、赤坂といったブランド地の高級マンションの中には、築20年になろうかという物件でも新築マンションと変わらない高額な事例もあるのは事実です。

しかし、それは別格というべきもので、一般のハカリでは測れば針が振り切れてしまう代物なのです。

そのような特殊な物件ではなく、普通のマンション、言い換えるとブランド地でないエリアの場合で、なぜ「中古も結構高いなあ」と買い手に思わせる原因はどこにあるのでしょうか?

答えは簡単、買い手は「より築浅」を狙うことや、その他の条件でも「より良い」物件を狙うためです。そのような優良中古は絶対戸数が少ないので、つまり稀少価値が高いので、中古といえども高いのです。近隣の新築に良いものがなければ、条件の良い中古は築年数のハンディキャップを軽々と乗り越えてしまうというわけです。

では、中古以下の価格で買える新築とはどのようなものでしょうか? これはお分かりの読者も多いことでしょう。そのマンションの中で最も条件が悪い住戸だからです。広告効果を高めるために「目玉商品」として極端な安値にする場合もあります。

また、立地条件で著しく劣るケースも同様です。都心から遠い、駅から遠い、都心から遠くはないが寂しすぎる駅、工場地帯の駅、駅には近いが鉄道と高速道路のW騒音がある、ビルとビルの狭間にあるロケーションなどです。

物件個別に価値判断を依頼される筆者の立場では、マクロデータでは分からないことも見えて来ます。新築マンションの広告・ホームページでは長所・魅力のポイントしか見せてくれないものですが、調べて行くと見えて来ます。

物を売るときにウソも欠点も隠せないものとはいえ、広告では隠したがります。マンション販売でも、所在地を隠すことはできないのですが、わざわざ「工場地帯です。環境は良くないですが、モデルルームにお越しください」などとは言わないものです。

欠点や弱点は見せず、または隅の方に小さく目立たないように追いやり、魅力のポイントを大きく目立たせて集客を図るのが常です。

価格を訴求したければ目玉住戸の価格を「3LDK〇〇万円~」からとします。上階の眺望が素晴らしければ、その眺望写真を大きく掲示します。大規模面開発でプライベートガーデンや子供の遊び場(キッズルーム)などが充実していれば、その完成予想図を描写します。交通便の良さをアピールしたいときは、「東京駅まで乗り換えなしで〇〇分」などと謳います。

しかし、実際に現地を見学に行くと、広告で植え付けられたイメージとは違って、検討者をしばしば失望させます。安いと思ったのに、欲しいと思う住戸は高いのです。予算内で再選択すると広さ・間取りが合わないのです。
眺望を期待して来たのに予算内では前の建物が邪魔であることが分かってがっかりしてしまったりします。

価格も中々教えてもらえないというケースも多いようです。
また、代表的な間取りを見て「良さそう」と思って来たのに、希望の階や向きの間取りは気に入らないというケースも少なくありません。

何より建設地の環境が悪く、期待は打ち砕かれて帰途に着くという人も少なくありません。

中古マンションの広告はどうでしょうか?

中古は広告(仲介業者のWEBサイト)の段階で、築年数も当然のごとく明記されていますし、価格も階数も間取りも表記されています。よく見ると所有者が居住中であるとか、空室である、リフォーム済みであるといったことも分かります。眺望写真も掲載されています。

新築にせよ中古にせよ、価値ある物件は高いものです。反対に安いと感じる物件は何か悪条件があるものです。一見安いマンションを「なぜ安いのですか?」と質問すると「グループ会社から安く譲り受けたので」とか「安い時期に買っておいた土地なので」などともっともらしく説明しますが、どこまで本当かは怪しいもので、よく調べると安い理由は別の所にあったりします。

中古では、人の良い・欲のないオーナーが仲介業者の安値査定を鵜呑みにして売り出した場合などの例外的なケースや売り急ぎの理由があって安値で売り出したケースもありますが、普通は安い物件は安い理由がちゃんとあるものです。

中古を諦めて新築へという潮流が来ているとは思いませんが、新築と中古を行きつ戻りつしている買い手が増えているのかもしれません

新築にせよ中古にせよ、条件の悪い物件を価格の安さに魅かれて取得してしまったときは、売却のとき、より安い価格になることを覚悟しておくことが必要です。もともと安く販売されていても、「高い家は高く、安い家はさらに安く」という法則が不動産取引にはあるのです。つまり、「安さに惚れてはいけない」のです。

マンションに「掘り出し物」はないこともないのですが、滅多にあるものではないことも真理です。「良いものを安く買いたい」買い手心理は痛いほど理解しているつもりなので、掘り出し物ではなくても「より価値ある物件」、特にリセールバリューの高い物件を選ばれるよう、いつも祈っています。

しかし、見極めが難しいことも確かです。勉強すればするほど知識と情報が豊富になるが、情報洪水に巻き込まれてしまう人や、方針が定まらない人もあるようです。つまり、知り過ぎて混迷を深めてしまうのです。

誰かが言いました。「世間を知らないのは怖いことだが、知らないままの方が幸せな場合もある」と。

後悔しないためのマンション探し。そのコツやハウツーをたくさんの角度からお送りして来ましたが、最近感じることは「歴史は繰り返す」です。このブログを始めた2010年頃は新築価格のピークでしたが、その後は一旦下落したものの、2013年からは再び上昇トレンドへ、そして、間もなくピークアウトし、下落に向かいます。

今はまだ高い時です。それだけ悩ましいことばかりですが、筆者でもお役に立てることは少なくないと思っています。

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