マンション価格は上昇の気配?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

株価が上がったことで、含み資産が増えた富裕層の間では、財布のひもが緩み、デパートでは貴金属や宝飾品などを買いに訪れる人が増えているのだそうです。
分譲マンションの販売では億ションが好調に売れているとテレビ報道にも取り上げられています。

先週には企業の決算発表が行われ、円安のおかげで利益を急増させた輸出主体の企業が話題になっていました。企業の業績が良くなれば、従業員の賃金増につながるのは間違いなく、夏のボーナス増などの形で来月には早くも恩恵が表れそうです。

株式売買が活発な証拠に、証券会社に初めて口座を開く個人が急増しているとも新聞に書いてありました。

今、株にしてもREIT(リート)にしても、個人投資家が活発に動き出しています。その関連報道が毎日シャワーのように降り注ぎ、バスに乗り遅れるなと叫んでいるようにも聞こえます。

景気は気から来ると言いますから、先行きが明るいというムードだけで流れが変わるのでしょう。

もう1年もすれば名目賃金が上がり、好景気を実感する人が増えて来るのでしょうか?今は確信が持てなくても、期待できそうなムードが国内に蔓延し始めたように思えます。

マンション販売の前線でも、そんなムードが溢れて来たらしく、3月の新発売戸数は前年同期比で48%も増え、かつ発売当月の末日までに売れた割合(初月契約率)が80%を超えたという発表もありました。

こうなって来ると、価格の動向も気になるらしく、売れ行き好調は値上がりの前兆とばかりに買い急ぐ人も増え始めたという声も揚がっています。

●中古マンションの気になる値動き
東証住宅価格指数を見ると、中古マンションは東京都の場合で2012年10月を底に上昇に転じています。大きな上昇ではないものの、毎月着実に上昇しているのです。

新築マンションの供給が活発になりつつあるとはいえ、リーマンションック以前に比べると水準は低く、このため中古に目を向けている人も多いと見られます。需要が増えれば価格が上向きになるのは自明の理です。

市況の悪いときでも優良な中古マンションは常に良い値がつくものですが、最近はその値が一段と強含みになっているのだそうです。
不動産市場もデフレ脱却と景気回復の期待と同じで、ムードが良くなって来たのでしょう。価格も上向きになって来たと実感する人も増え、それが買い急ぎにつながっています。景気回復とマンションの売れ行き好調のニュースに接するたびに、きっと価格も高騰するに違いないと懸念する人を着実に増やしているように感じます。

●新築マンションはすぐには上がらない
中古マンション市場は値動きが早いもので、売り出して3か月経っても買い手がつかないときは売り出し価格を下げざるを得なくなります。幸運に買い手が現れても指し値が厳しく、成約価格は売り出し価格から10%も低くなったりします。

反対に、1か月もしないうちに買い手が決まる状況が続くと、成約価格と売り出し価格の差がなくなります。

簡単に言えば、中古価格は1~3か月タームで変動するのです。

これに対し、新築マンションは一度公表した価格を簡単に上げ下げすることはできません。ご承知のように、竣工が1年先だというのに、販売が始まっている物件がたくさんあります。

全戸数を一気に売り出すのではなく、分割して売り出す手法が普通になっている現在、価格は売り出しの都度公表して行く形になっています。
従って、市況が良いからと、途中で売値を上げることができないわけではないのですが、縦に同じ広さ、同じ間取りが並ぶとき、10階の値段が20階の値段より高く出せる道理はありません。
つまり、未発売住戸の値段はオープンにしていなくとも事実上は決定していますから、全戸が売り出されるときまで価格は固定的になっているわけです。

早く言えば、新築マンションは1年間価格上昇がないのです。ここが1戸だけを売り出す中古と、数十戸ないしは数百戸を売り出す新築との違いです。

活発な市況がデベロッパ―の事業意欲を高め、土地の物色に駆り立てる状況が出て来るのは間違いないと予測しますが、そうなると用地争奪戦が激しくなって地価は高騰するでしょう。しかし、その高値買いした土地でマンション建設が開始され、売値に反映されるのは早くて今から半年年先のことです。平均的には1年先のことなのです。

●駆け込み購入は危険
中古マンションは先行的に価格が上がるでしょうが、新築マンションは遅れます。中古を探している人は、気に入る物件が現われたら早い結論を求められるケースが今後は増えるかもしれません。一方、新築を検討する人は価格の面では慌てなくていいのです。

とはいえ、中古にせよ、新築にせよ、市況が良くなれば取引は活発になります。つまり、慌てさせられることになりそうです。急がないと次の客へ売りますよと販売員から急き立てられることになるのです。

そんなときでも、決して慌てず、よく品定めして結論を出すようにしなければなりません。モデルルーム(マンションギャラリーと称する販売事務所)のムードに酔って舞い上がってしまうことだけは避けるよう、今から心しておきましょう。

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