五輪で劇的に変わる東京のマンション市場

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

アベノミクス効果で、新築マンションの販売が活況を呈していると盛んに報道されるようになりました。
これに東京オリンピック開催決定が絡んで、とりわけ東京のマンション市場は大きく変わりそうだという声が高まっています。

●オリンピックが直接の影響を与えるエリアと波及効果

新聞・テレビ報道によれば、オリンピック選手村に近い三菱地所の大型タワーマンションでは、開催決定と同時に見学者が急増したとか。
2020年までか、短くとも向こう3~4年くらいは、競技会場が集中する江東区を中心に中央区、港区の湾岸エリアの物件が大いに注目されることでしょう。

江東区有明地区では、住友不動産が商業施設を含む大型開発を進めていますし、大和ハウスが同エリアで最近用地を取得したというニュースもありました。新豊洲では、大手6社+東京電力の共同プロジェクト「スカイズ タワー&ガーデン(1110戸)」が好調な販売状況にあると言われています。

駅から遠いのでどうかと思われる有明テニスの森公園駅付近の物件や、苦戦中の豊洲や辰巳駅、あるいは木場、東陽町あたりの物件も、この分だと加速がついて一気に完売してしまうかもしれません。東京のマンションは、品薄感が強まる気配濃厚です。

災害の不安から目を向けていなかった需要層も、これからはオリンピックのおかげで湾岸エリアに注目するようになるでしょう。競技会場付近の晴海や有明だけでなく、周辺エリアへも波及すると考えられます。

言い換えると、湾岸物件の好調販売は、結局ほかのエリアの販売も後押しすることになるのです。

首都圏全体の新規供給戸数は、最近3年間だけを見ると年間に4~5万戸ですが、潜在的な需要を勘案すると、実は年間2万戸くらいは足りないという推計もあるのです。従って、品薄感はやがて首都圏の全域で強まり、市場の熱狂を呼ぶかもしれません。

それを見越して、マンションメーカーの多くは土地取得に熱心に動くはずです。いいえ、既に水面下では激しい用地争奪戦が繰り広げられているのです。

●価格高騰の惧れはあるか

用地争奪戦が激化すれば、地価は必ず上昇します。
オリンピック効果で湾岸エリアが値上がりし、都心と東部の価格格差が縮まる可能性が高くなりますが、問題は広範囲に地価が上がることです。

マンション価格も地価の影響を受けます。今後は、湾岸エリアに留まらず、価格上昇が顕著になって来るでしょう。

オリンピックは、建築費の高騰ももたらすと予想されます。会場建設と交通インフラの整備・補修工事等が期限付きで着実に進んで行くからです。
プレオリンピックの行なわれる6年後まで、時間はあまりありません。関連工事はまだ発注されていないものの、もうすぐ動き出すでしょう。

好調な販売状況を受けて、マンション工事が前倒し発注となる可能性も高まっています。

建設工事の需要が増えれば、必ず工事単価は上昇します。震災復興需要が続いているため、労務費が上昇し、既にコストアップに苦しむゼネコンが多い現況にあるとも言われていますが、これが一段と強まって来ます。

1年後の建築費は、おそらく10%以上は上がるでしょう。

ゼネコンにとって、もともとマンション建設は精度の高い施工が求められるため、儲からない分野と言われてきましたそれでも、公共工事が急減し他に受注できる工事がないので、仕方なく請け負って来た台所事情がどのゼネコンにもあるのです。

今後は、オリンピック関連の工事との兼ね合いから、価格交渉に強気で臨むゼネコンが増え、マンションメーカーは仕方なくコストアップを容認せざるを得なくなるはずです。

地価が上がり、建築費が上がればマンション価格は間違いなく上がります。

望ましくない状況が近づいている、その懸念が強く感じられます。

●経済効果とマンション市場

昨年末に安倍政権が誕生して以来、アベノミクスは着実に効果を上げてきました。

当初の3本の矢に、オリンピック開催の幸運によって第4の矢を追加した形となりました。
金融緩和が株価の上昇と円安をもたらしました。そのおかげで、高額商品は販売を伸ばし、輸出産業各社の業績は好調です。

消費と設備投資が活発になるのはこれからですし、賃金の増加につながるのは、その先になるのかもしれませんが、既に兆しは表れています。

●五輪が契機となって市場が変転する

アベノミクスのスタートで変わり始めた経済が、オリンピック開催という、またとない最強のエンジンを手にして加速度を増し、デフレ脱却と景気回復、所得増をもたらすことになりそうです。

所得増に先駆けて、マンション購入に活発な動きも見られます。その動きに拍車をかけることになりそうなオリンピック開催。既に、慌て始めた購入者も少なくありません。

遅れて所得が伸び、先行きに明るい見通しを持てるようになる2年先くらいには、、マンション市況が一段と変わることになるでしょう。

マンション市況は、「アベノミクスの期待」で変わり始め➔「アベノミクスの実質効果」でより活発に動き出し➔「アベノミクス五輪効果」で劇的に変わることでしょう。

●五輪後の不安要素

このような状況は、7年先まで続くことになるかもしれません。その後はどうなるのか、詳しくは時機を見て解説しようと思いますが、需要の反動減、そのことによる値下がりといった事態も考えられます。

また、選手村に建てられる予定のマンションが民間に払い下げられ分譲されるそうですが、その数は何と17,000戸もあるというのです。これは、首都圏の年間供給量の3分の1に匹敵する、とてつもない数です。

中央区ですから、価格もそれなりになるはずです。その数を消化するのは大変なことですから、これが市場の波乱要因になる可能性もあります。

もし、値崩れを起こすようなことになれば、我が家の資産価値も下がると警戒しなければならないでしょう。

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