消費税増税が無関係な不動産取引

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
金利の先高観測や消費税の増税に加えて、景気回復はマンション価格の高騰を呼ぶだろうとの読みが、購入を急がせていると言われます。

そのことを裏付ける現象やデータがいくつも見られるようになって来ました。

ともあれ、消費税の増税が正式に決定するとしても無関係な取引があります。それは中古マンション・中古住宅の場合です。

案外、誤解している人が多いらしく、住宅に関する消費税のあらましについて改めて述べておくことにします。

消費税は土地には課税されない

マンションは、借地権マンションを除き、敷地権と呼ぶ土地の所有権と一体的に売買されます。法的に言えば、「敷地権付き区分所有建物 売買」となるのです。

建物部分に対してのみ消費税はかかって来ます。売買契約書も見ると、土地と建物が分離表記され、建物価格が明記されています。現状は建物価格の5%が消費税になるわけで、金額も正確に提示されます。

広告等には建物価格がいくらと表記されないうえ、消費税額も書いてあるケースは殆んど見られません。マンションの価格は「土地代+建物代+税」の合計表示なのです。

このため、つい5000万円のマンションは消費税が8%に上がると、3%を乗じて150万円もアップすると暗算してしまうのでしょう。

実際は、東京都心などでは建物割合が50%前後なので、70~80万円の増額のみです。郊外は地価が安いので、建物割合が高く70%前後の物件が多いのですが、仮に4000万円のマンションなら、その7掛けの2800万円に対して3%をかけて84万円の増税となるのです。

中古取引では売主によって消費税はゼロも多い

消費税は、事業主が販売商品・サービスに対して課税分をプラスして買い手から一旦預かり(受け取り消費税)、それを後日まとめて納税するという方式になっています。

事業主は、他方で仕入れ材等に消費税を支払っていますから、受け取り消費税から支払い消費税を差し引いて納税するという面倒な計算をしなければなりません。

従って、個人商店などの零細事業者には作業負担が重いからという理由で納税義務を免除しています。同じように、一般個人もモノを売却する際に消費税を納める義務を免れているのです。

個人が売却するものには、不動産やオークションでの貴金属等が挙げられます。

将にマンションの売却においては、買い手から消費税を受け取って預かるという行為は不要なのです。
従って、消費税がどう変わろうが、買い手は個人からの購入の際には無縁となるわけです。

では、売り手が法人ならどうでしょうか?言うまでもありませんね。不動産業者の中には、中古マンションを安く買い叩いて内装を新築同様にリフォームし転売するという「買い取り販売業者」が存在します。
このケースが消費税の増額で影響を受けることになるのです。中古をお探しの人は要注意と言えます。

ついでに言えば、不動産業者が売主ではなく、単に仲介するだけで受け取るのが仲介手数料という一般のケースでは、この手数料に消費税が課税されます。手数料は3%なのでそれが5%増税になっても0.15%増えるだけということになりますね。

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増税の影響だけを考えるならば、中古マンションを駆け込み購入する必要は殆んどないことになります。

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