格安マンションを探してはいけない

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
ときどき人気の格安マンションについてのご相談を受けます。そんなとき、とても暗い気分になります。
理由は、格安物件なのに「良い物件を選ばれましたね。前進しましょう」と言えないからです。客観的に物件の判定すると、格安物件といえども「良い物件」にはならないことが多いのです。

今日は、格安マンションは止めた方がいい、「高い物件を選ぶ方が正解」という話をしたいと思います。

格安マンションの多くは立地条件に問題がある

バス便マンションは、人気が二分されます。バス便に抵抗があるため、検討はしても最後は見送るという結論に至る人も多いのです。
売れ行きも芳しくない物件が多く、建物完成後は大幅な値引きを余儀なくされるというのがお定まりのコースです。

バス便マンションは、格安にしたつもりでも売主の期待を裏切る結果となってしまうのです。

これに対し、最寄り駅から近い、概ね10分以内であるのに格安という物件をときどき見かけます。
例外もありますが、首都圏郊外の駅近・格安マンションは人気を集めて短期完売という、売主にとっては笑いを堪えられない良好な成果となっています。

同じ格安マンションでも、駅から徒歩圏の物件とバス便の物件の差はこれほど違うのかと、事業者に改めて教訓を残す比較事例となっています。

このように書くと、それは一体どのマンションかと知りたくなって来ることでしょう。できたら、ここで具体の物件名を表記して解説の続きを書きたいところですが、差し控えます。

さて、郊外の駅近マンションという、その駅はどのような駅なのでしょうか?格安価格で分譲できるということは、言うまでもなく、郊外の、かつ都心へのアクセスは良くない、そんな駅なのです。

各駅停車しか止まらない駅、始発駅でもない、幹線鉄道でなく支線・枝線の駅、乗り換えの不便な路線etc.

それだけではありません。郊外だから環境は良いだろうと想像しがちですが、実際に現地を確認すると、あまり好ましいロケーションではないケースが多いのです。

畑と雑木林、住宅地と工場や倉庫・資材置き場等が雑然と混在する未整備な街、ローカル色の濃い駅前商店街といった光景が代表的で、いわく言い難い風景・環境なのです。

格安にできる理由

しかし、そのような場所であっても「駅近」「格安」、一見して「普通以上の価値ある建物計画」ゆえに、人気を集める例が見られます。

相場を下回る安値は当然ですし、仮に支線・枝線にある物件であるとしたら、本線・幹線の物件に比べて20~30%も安い印象を与えています。
本線・幹線の物件が4000万円というとき、同じ面積で当該物件は3000万円前後、1階住戸などは2800万円といった低価格です。

さて、そのような価格はどのようにして実現しているのでしょうか?

土地の取得費がとても安いこと、表面的な建物品質(モデルルーム)は普通レベル、見えないところでは低品質にしてコストを抑えています。

土地代が安いのは、規模が大きいため買い手がつきにくいこと、環境的に難のある場所にあること、この二つが理由です。

広い土地であれば、スケールメリットが生まれて建築費も抑えやすいのです。駐車場も金のかかる機械式にせずにすみます。

格安マンションは売却価格も安い

首都圏の新築、中古の両方をウォッチングしていると、大雑把に言って、高額マンションほど値上がりし、安値のマンションほど値上がりしないことに気付くのです。

郊外の、立地条件に問題ありそうなマンションを安値に釣られて買ってしまうと、のちのち後悔することが多いものです。

銀座の土地は売り地自体が滅多にないものですが、売り地があれば坪1億円出しても買いたい人(法人)が常にいます。そんなに高い価格で購入して採算が合うかと疑問を持つ向きもありますが、採算ではないのですね。

マンションも同じようなもので、換え難い価値の場所があり、30年以上前の旧耐震基準で建てられた物件であっても、新築マンションと変わらない価格の人気マンション、今やヴィンテージと呼ばれる物件が都内にはいくつかあります。

坪単価で言えば400万円から500万円クラス、分譲時の価格を超える中古の億ションです。
それでも、「そのマンションに住みたい、価格はいくらでもいい」といった需要があるのです。

この反対の位置付けにあるのが、格安・郊外マンションなのです。いくら安くても結構だ、というわけです。「まあ、1000万円くらいなら考えるけど」という発言すら出て来るほどです。

高いマンションは、ますます高値になり、安いマンションは買い手を見つけることすら難しい。このように考えるしかないのです。

高い物件は立地が良い。買うなら高い物件を!!

マンションは立地条件が全てと言っても過言ではないのです。

都心は高い。駅近は高い。人気のある街は高い。みんな場所の値段です。

大手デベロッパ―の手になる優良な物件だから建物コストもかかっている、だから高いということもありますが、ここでは他の要素を無視して説明します。

人気のある場所では、なかなか売り地が出て来ません。たまに出たら、競争入札で高値の取引が成立し、取得したデベロッパ―はそれでも強気に企画し、高額マンションを売り出します。すると、滅多に売りのない新築物件ということから、あっと言う間に完売してしまいます。

こうした場所は、需要に比べて供給が少ないのですから、当然の結果でもあるのです。人気の街では、新築がないなら中古というわけで、中古マンションも高値取引が当たり前になっています。

また、そのような街では中古の売り物も実はあまり出ないのです。高く売れることを知った所有者は、売ってしまうと次にここで買いたいというとき買えなくなる恐れがありそうだと考えます。かくして、売らずに賃貸して転勤する人も多いからです。

場所が良ければ高いけれど、それを買っておけば将来の資産価値は倍増する。だから安い物件を探すのではなく、結果的に高い物件を探すスタンスが望ましいと言えるのです。

勿論、人気エリアというだけで建物プランがよろしくないものもありますし、価格も妥当とは言えない物件もあります。また、人気の街とはいえ、ピンスポット的に良いとは言えない場所もあります。そうした基本のチェックは必要なのですが・・・

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