隠れ持ち家族。家を買う

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

将来は親所有の家に入るので、それまでは賃貸マンションでいいと、結婚して以来ずっと思って来ましたが、家賃が勿体ないなと感じてマンション探しを始めました。

このような買い手さんは少なくないと思うのですが、読者の皆様はいかがですか?

ご承知のように、少子化の影響で相続する家は長男長女が一人で相続するケースが増えています。東京近辺に親が住むケースでは、いずれは住む家があるので買わなくてもよいという賃貸マンション族があっても不思議ではありません。

筆者は、これを昔から「隠れ持家族」と呼んで来ました。筆者の子供も、その一人ですが、それでもマンションを買いました。筆者も妻も長生きしそうだからというわけでもないでしょうが、購入したのです。しばらくして転居したので、今そのマンションを賃貸に出しています。

マンション需要を予測する研究をしているとき、外せないのは人口・世帯数の増減と持ち家比率です。10年ほど前は「団塊2世」と言われる大きな塊の世代が30代前半にあって、マンション購入へ向かったと推定されました。

一方、単身世帯の増加によって1世帯当たりの家族数が減るとともに、人口の伸び以上に世帯数が伸びました。単身世帯の増加は単身の高齢者世帯もありますが、他方、晩婚化と非婚化によって親元を離れて暮らす若い世帯の増加も要因です。

単身世帯には「独身女性」も多く、かつ所得の高い階層も着実に増えて来たのです。

この結果、単身者がマンションを購入するという、かつては少数派であった需要層が高いシェアを持つに至りました。

話を戻しましょう。結婚した二人のどちらも一人っ子というケースはどのくらあるのでしょうか? もし、二人とも一人っ子で、親はどちらも東京圏に家があったら、若夫婦には相続で住むことのきる家は2軒あるということになります。

こんな夫婦は滅多にないのかもしれませんが、少なくとも片方の親は東京圏に住んでいる確率は低くないかもしれません。

しかし、一方では世界一の長寿命を誇る日本のこと、長生きする人は多く、特に女性は90歳まで生きるのが普通です。としたら、相続なんて随分先のことになるでしょう。

しかし、その親の世話をするときがやって来るかもしれません。そのとき、そのまま実家に同居する、実家を改修する、2世帯住宅に建て替える、新たな家を購入するといった選択肢が生まれます。

どちらにしても、お金はかかるはずです。そのお金は貯金を崩し、住宅ローンを借りたらすむと簡単に考えてしまう人もあるかもしれませんが、家賃を払い続けるより、購入によって資産を残すという道を探ってもいいはずです。

このように考えてマンション購入を検討しているのかどうかは確信がないのですが、少なくとも「賃貸はもったいない」と思っている人は多数あるようです。

しかし、賃貸は何も残らない、購入は資産が残せる。本当にそう言えるでしょうか?購入したマンションが住宅ローンを利用していた場合、完済の前に売り出したら購入額の半値になり、住宅ローンを清算するために手元預金を崩すことになったとしたら、資産形成にはならないのでは?

逆に、銀行との清算後に売却代金が何千万円も手残りしたら、つまり購入価格以上で売れたら資産形成になるのでは?

半分の頭金を入れて購入したらどうなるのか?半分に下がっても大丈夫なのでは?いいえ、やっぱり値下がりしたら意味がないのでは? 分岐点はどの辺にあるのだろうか?

このような疑問の「解」を求めながら購入マンションの物色を続けている人も多いのです。

本稿では、その解を割愛しますが、「物件の選択を誤らなければ購入に価値がある・資産形成は可能」とだけお伝えしておきましょう。

次に、万一購入したマンションが値下がりし、売却するとき手出しが必要になるとしたらどうすべきでしょうか?

親の家に入るときに建て替え費用や改修費用が必要になるので、預金は崩したくないとしたら、所有マンションを売りたくても売れないという状況になるのではないでしょうか?

しかし、建て替え費用・改修費用をローンにすれば解決するかもしれません。

いずれにせよ、しばらく賃貸しながら保有を続けるという選択肢も考えられます。賃貸料で毎月のローンをまかなえればいいですね。そうしておいて売却のタイミングを測り、適当な時期に処分すればいいわけです。

また、処分しないで持ち続けるという選択肢も考えられます。これはどんなものでしょうか?

いずれ、ローン返済は終了します。そうなれば返済に回っていた賃貸料はそっくり残ります。それが第二の年金のように安定収入となりそうです。ただし、長い間にはマンションの老朽化が進み、お荷物になる危険があります。としたら、そうなる前に処分することを考えた方がいいかもしれません。

ローンは残っていないのですから、極端なことを言えば二束三文で処分しても問題はありません。しかし、できたら良い値段で売りたいですね。

持ち続けるにしても、売り抜けるにしても「維持管理」がカギを握りそうです。

根本的なところでは、立地条件をはじめとして価値あるマンションを持つことが大切になって来るのです。言い換えれば、最初が肝心ということになりましょう。想定外の何かが起こり、自宅マンションを処分しなければならないとき、もしくは賃貸中のマンションを処分したいというとき、少しでも高く現金化できるマンションを選ぶようにしなければなりません。その知恵を手にしたいものです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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