自宅を賃貸した後の売却で注意すること

ブログテーマ:業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

これからマンションを購入しようかという人の中には、転勤のときに売却または賃貸がしやすい物件を選びたいという考えを持つ人が少なくありません。

今日は、自宅マンションを賃貸したときの注意点について書こうと思います。

●売却か賃貸か?

折角買ったマンションに、1年も住まないうちに転勤になってしまったというケースがあります。中には、一度も住まずに転勤したという笑えない実例もあると聞きます。

家を買うと転勤になるというジンクスがあるとかないとか。

ともあれ、サラリーマンにとって転勤は避けて通れない出来事です。

単身赴任を覚悟している人は別として、家族ぐるみで転居となったとき、困るのが自宅の処分です。貸すか売るかで悩むことになるでしょう。

高値で売れる物件なら躊躇なく売る決意を固めることができるかもしれませんが、今売るのは損だという結論に至る場合もあるはずです。

損するのは仕方ないと考えたとしても、住宅ローンの清算に必要な金額に達しない低額では困ることでしょう。

よしんば高値で売れそうだとしても、戻ったときに住みたいと愛着を持つ我が家を手放す気になれない人もあるでしょう。

また、希少価値が高いので売るのはもったいないと考える人もあります。

●賃貸を決断したら

結局、賃貸することを決定したとして、そのときに気を付けたいことがあります。

借りてくれる人を勤務先が斡旋する (大抵は同じ会社の転勤者)という例もあるそうですが、普通は赤の他人に貸すことになります。

願わくは、丁寧に使ってほしいと思うものですが、そうしてくれるかどうかは全く分かりません。祈るのみです。

まあ、汚され、傷をつけられると覚悟しておく必要があるでしょう。

転勤が長引き、借り手が入れ替わることも考えられます。そのたびに室内のクリーニングをして再募集をかけることになるのですが、クリーニングでは済まず、壁紙の張り替えをする必要が生じるかもしれません。

また、家賃が滞りなく入金されるかのチェックもしなければなりません。

こうした手間は、信頼できる不動産業者を選んで任せるのが一番いいようです。留守宅管理の委託料を払うことになりますが、そうした方が気楽ということです。

転勤期間がほぼ決まっている場合は、戻るタイミングで借り手には退去してもらうことが必要になります。そんな都合のいい貸し方などあるでしょうか?

法律は、このような家主ニーズに応えてくれる契約条件を誕生させました。すなわち「定期借家契約」です。

これで、居住権を主張して退去しない借り手も排除できるようになったのです。つまり、契約期限が来たら必ず退去するという条件付きの賃貸借契約というわけです。

●賃貸のメリット・デメリット

折角買った我が家ですが、転勤を福となすことができます。それは、他人に住宅ローンを返済して貰えるからです。

何年か経って「住宅ローン償還表(返済予定表)」を見たら、借入残高がいつの間にか大きく減っていることに気付きます。ものは考えようですが、賃借人殿のおかげで借金がなくなりかけているというわけです。

住宅ローンが大幅に減っていると、その後の売却で買い値を下回る売却額になったとしても、手残りは大きく、結果的に大きな利殖になるという場合があるのです。

デメリットは、住宅ローン控除の有効期間中に転勤になってしまう場合に表われます。税金控除は、自己居住が条件だからです。

条件によって、メリットにもデメリットになるものもあります。

賃貸収入を得るということは、「不動産所得」の申告しなければならないことを意味します。

不動産所得は、家賃収入の申告とともに経費も併せて申告できます。経費とは、住宅ローンの金利や火災保険料、管理費、減価償却といったもので、差し引きすれば家賃収入を大幅に減らして税務申告することが可能です。

条件によっては、見かけ上マイナス所得となる場合もあります。実際に現金支出のない「減価償却費」というありがたい経費(損金)科目があるからです。

税法には「損益通算」という原則があり、不動産所得が赤字なら給与所得から差し引いてくれます。実際にそうなるかはケースバイケースなので、メリットともデメリットとも言えないというわけです。

少しでもプラス所得があると合算で所得増加となり、運が悪いと税率の変わり目を超え、増えたはずの所得が手取りでは変わらないという場合もあります。

●売却は空室にしてから

転勤から戻ったときにタイミングよく空室になっていれば、仮住まい先を探さなくていいというだけでなく、空室になっていると売却のときも都合がいいのです。

賃貸したままで売却することも可能ですが、そうなると賃貸目的の投資家だけが買い手対象となり、売り手にとっては不利です。

どう不利なのでしょう。
投資家は、賃料と購入額のバランスを優先します。つまり利回りです。少ない投資で高い収益を上げたいのです。

従って、投資家相手に高く売るというのは難しいのです。売るなら、買い手の多い居住目的を対象とすべきです。そのためには空室が条件になるのです。

定期借家契約は、一般に家賃を高く設定しにくいとされますから、転勤から戻るタイミングが明確でない人、あるいは戻っても住まないかもしれないという人は、期限付きではなく、契約更新が可能な一般契約を選択するのが得策です。

としたら、売却のタイミングも退去時期に合わせることが必須となります。2年ごとの契約更新の際に「お願い」の形になるものの、更新しないことを通知する必要があります。

借り手を転勤族に限定しておくのも策です。長く居座るという心配が少ないと考えられるからです。

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