直床構造のマンションの何が問題か?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

最近、直床構造の新築マンションが増えているように感じます。
野村不動産の「オハナ」シリーズを代表に長谷工コーポレーションの施工する物件の大半が直床構造ですが、長谷工以外の物件でも見られます。

直床マンションは良くないというイメージがありますが、実際どのような面で良くないというのか、今日はそこにスポットを当ててみました。

●二重床マンション誕生の理由とメリット

マンションが日本で本格的に普及する前、黎明期の昭和30年代はコンクリート直にカーペットを張り付けた構造だったようです。天井も二重になっていない例が結構多かったのです。直天(じかてん)と呼ぶ形が普通でした。

カーペット貼りは、軽衝撃音は響きにくい利点がありますが、ドスンといった重衝撃音には無防備です。

また、給水管やガス管はコンクリートに埋め込む形だったようです。電気配線も天井のコンクリート内部に埋め込んであったのです。

当時は、老朽化したときの配管の交換などは考慮していなかったのです。

このようなマンション供給を続けているうち、騒音苦情に分譲主や施工会社が直面する機会が増えて行きました。

配管のルートも、耐久性を考慮して埋め込みは良くないと気付くようになっていきました。

そして誕生したのが二重床・二重天井という構造のマンションです。

水道管やガス管はコンクリートに埋め込まず、「床ころがし」という方法を採るようになりました。電線も天井裏を通す形です。

床の二重構造は、最初は細い木の角材を何本もコンクリートの上に置き、その上に板を張って、更にカーペットを張るという方式でした。

コンクリート直ではないので、床の上で飛び跳ねても騒音は小さいはずだと考えられました。

しかし、実際は空中に浮いているわけではないので、音は伝播します。完璧に音を消すことは今も困難ですが、遮音性の高い材料の開発や施工技術の研究を重ねながら、何種類もの方法が試されて来たのです。

●直床(じかゆか)のどこが問題か

直貼り床のどこがいけないのでしょうか? 二重床にしないと階下に生活音を響かせるのでしょうか? いいえ、必ずそうなるとも言えないのです。
遮音性は、コンクリートの厚さや梁から梁までの長方形面積、施工方法、施工精度など様々な要素が絡み合って差ができるものです。

単純にはコンクリート直より、別の素材と空気層をサンドイッチした方が良いに決まっていますが、実際は違っています。

二重床の方が直床より遮音性は高いことを証明するデータはありません。むしろ、直床の方が遮音性は高いというのが一般的です。実際、二重床で遮音性の低いマンションはいくらでもあるからです。

直床構造の最大の問題は、将来のリフォームが制約を受けやすいということです。つまり、問題点に気付くのは10年以上も先に行ってからというわけです。しかも、大掛かりな間仕切り変更を計画したときに初めて気づくというレベルなのです。

比較的築浅の段階で売却するときは問題ないですが、築20年くらいになって来ると直貼りの問題がネックとなって買い手が中々つかないという事態に直面するかもしれません。

最近、新築より安い中古を買って改造し、自分好みのマンションにしたい夢を持っている人が増えています。いわゆるリノベーションを前提にする人ですが、その種の買い手を候補として迎えたと想像してみましょう。

立地条件を気に入り、広さも条件に適っている、価格も予算以内にあるということで商談が進みました。買い手候補は、間取り図を見ながら改造案を巡らせます。その過程で、リフォーム業者と打ち合わせを行います。

そのとき、管理人室に置いてある設計図書(竣工図)を見て、天井の低さや配管ルートの取りづらさなどに気付き、改造プランの実現が困難であると知るかもしれません。

その結果、購入を断念する、売主から見れば客を逃すということになります。結局、間仕切りまではしなくてよいという買い手にしか売ることはできない可能性も高い。そう覚悟しなければならないかもしれないのです。

当然、価格も安くなってしまうかもしれません。

天井が低いと書きましたが、直貼りマンションの殆んどは「階高=コンクリート面同士の高さ」が低いのですが、床を高くしないので天井高が確保されているに過ぎません。

従って、直貼りマンションをリノベーションで二重床のマンションにするのは極めて難しいことなのです。

また、直張りのフローリング材は、遮音性を高めるためにラバーのようなものが張り付けられたタイプが用いられるため、歩行すると柔らかくて沈み込む感じがあり、何となく頼りない印象を受けます。

その点、二重床は遮音性を高めるためのコストが増えますが、沈み込むようなフローリング材を採用せずに済みます。床材の選択の幅も広がるメリットが多いのです。

上記以外に、直床は本当に問題ないのでしょうか? 残念ながら、客観的な情報はありません。直(じか)よりは二重にした方が良さそうだというイメージが先行するだけとも言えます。

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