イメージで伝える耐震・制震・免震の違い

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

東日本大震災が発生してから1年を経過した現在、頻発する余震等の影響でしょうか、地震対策に関心を持ち続ける国民がとても多いようです。
新築マンションの販売現場では、防災や耐震性のしっかりしている物件が人気を集めています。そんな中、構造に関心を持つ人が多い反面、説明を聞いてもよく分からないという声も届きます。特に制震構造と免震構造の違いがいまひとつ理解できないというのです。
そこで、今日は耐震性で3種類に分けられる構造の違いを解説することにします。

●耐震構造:体に例えるとよさそうです。骨格を丈夫にし、筋肉を付ける。すなわち「筋骨隆々タイプ」。大きな力が外から加えられても、骨が折れたり転倒したりしない、いかにも強そうな肉体を持つ格闘家というイメージです。
この構造では、揺れはあまり抑えられません。
問題は、どのくらい強いかにあります。建築基準法で定める最低の強さは、震度6強から7の地震でも倒れない(倒壊しない)というもの。その1.25倍の強さを持つ建物は、避難所にもなっている頑丈な建物ですが、性能表示制度では「耐震等級2」に当たりますが、この触れ込みのマンションも少しずつ増えています。

●制震(または制振)構造:電車や自動車が走行時の振動を抑えて乗り心地を向上させるため、下部にばね(サスペンション・スプリング)を装備していますね。あのイメージです。
オイルダンパーや油圧式ダンパー(damper=振動吸収装置)をマンションの壁や柱、屋上などに設置して揺れを吸収、というよりは制御して揺れを早く収束させます。
ただ、揺れ幅は耐震構造に比べて、期待するほど小さくならないと言われています。主たるメリットは、一般の耐震構造より地震に耐える(倒壊・破損しない)能力が上ということになりそうです。

●免震構造:建物と地盤面の間に、コロコロ転がるパチンコ球やローラーベアリングまたはボールベアリングのようなものを挟んだ(敷いた)イメージを浮かべてみてください。
あれと同じで、地盤との接触面積が小さいため、地盤が動いても建物には振動が伝わりにくいのです。これが免震構造です。
建物の基礎部分に特殊なゴム層などの免震装置を入れて地盤と縁を切る形にし、地震の震動が地盤から建物に伝わるのを防ぐ仕掛けです。
免震構造は、優れて揺れの少ない建物であり、恐怖心と家具や家電の転倒が引き起こす二次災害から免れるというメリットがあります。
ただ、徐々に増えつつあるとはいうものの、まだ採用例が少ないのは、コストが耐震構造よりかかることが多いためです。業界各社およびゼネコン各社の更なる研究と努力を期待したいものです。

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