値上がり期待を裏切る「高値づかみ」に注意

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

過去10年から5年前くらいを振り返ってみて、分譲時に話題を集めた首都圏の人気物件は今どのくらいの値がついているのか? 

資産価値の向上、平たく言えば値上がりを期待して購入した人が多かった物件の現在価値は期待通りだったのか?

期待通りだったとしたら、その値上がりファクターが予想通り働いたのか、逆に期待通りにならなかった物件はどこに期待を裏切る要因があったのか、そんなことを考えてみました。

調べて行くと、話題になった物件は中古市場では驚くほどの高値で売却できている例がたくさんありました。
5~10年の時間を経過して、購入価格から50%以上の高値で売れた例も僅かながらありましたが、その数は20物件くらい、10%以上に線引きを下げると、50物件はあったのです。

一方で、「あんな優良な物件が何故?」と一瞬の疑問を感じるほど意外な価格の物件もあります。

この調査で分かったこと、筆者にとっては自身の理論の確認作業でもあるのですが、それは「良い物件でも当初の価格(分譲価格)が高いと期待外れになる」ということでした。

具体的な物件名を記すことは憚りますが、要するに「高値掴み」だったのです。

期待度が高い超大型マンション

話題を集め人気を博するマンションは、ほぼ例外なく「大型マンション」ですが、東京での大型とはメガ級を指し、概ね300戸以上と筆者は区分しています。

ご承知のように、1000戸を超えるような物件も少なくない東京です。 最近話題の物件を挙げると、「勝どきザ・タワー(中央区1420戸)」、「SKYZ タワー&ガーデン(江東区1110戸・完売)」、「ドゥ・トゥール CANAL&SPA(中央区1450戸)」、「GLOBAL FRONT TOWER(港区883戸)」、「富久クロス(新宿区1230戸・完売)」などがありますし、300戸台まで入れるとキリがないほどです。

上記の4物件は、いずれもタワー型(超高層マンション)ですが、準郊外に眼を転じると、「桜上水ガーデンズ」のように878戸が全9棟、6階から14階建てで構成された団地型も話題の物件の中にはあります。

大型マンションには、例外なく各種の共用施設と24時間有人の管理、コンシェルジュサービスが付帯し、足元には公園や遊歩道などをレイアウトし、豊富な植栽を計画しています。

これらは、例えば3LDKがいくらといった専用部分の価値比較だけではなく、付加価値が多数あるのでトータルでは割安に映り、多数の買い手を引き付けるのです。

例えは良くないですが、グリコのおまけつきキャラメルや、オリジナルバッグ付き雑誌のようなもの。ゆえに、安いと感じるのかもしれません。お得度の高い買い物ということですね。

加えて、実質価値より安く買えれば、売却するときに損せずに売れるかもしれないという心理が働いて一層購買意欲を掻き立てているのでしょう。

言い換えると、資産価値と価格の間に「含み益が存在する」資産を保有することになるからの人気なのです。

一方、マンションの周辺が一体的に、つまり街ぐるみで開発されているような場合では、発展途上のため価格が際立って安いというケースもあります。

マンション周囲の何万ヘクタールという範囲で一体開発が進められていて、数年先にはショッピングセンターや賃貸マンション、公共施設、ホテル、オフィスビルなどが建てられる予定になっているものの、マンションの販売時点では極端に言えば荒涼たる砂漠のような状態で、利便性は著しく悪いというとき、それなりに安く分譲されます。

こうした場合は、予定されていた各施設が出そろったとき、街が完成したとき、街並みは大きく変貌し、利便性は大きく向上します。その結果、購入価格と資産価値との間に「含み益」が発生するのです。

●高値掴みかどうかの判断基準はどこに?

実質価値より安いお得な買い物をするケースにしても、周辺開発によって資産価値が上昇して結果的にお得な買い物となるケースも、その判断は買い手の自己責任で行われます。

判断は的確であれば、何年か先には思惑通りの含み益を確認できる経過となります。同じマンションの中から売却事例が出て来るからです。不動産仲介業者の広告(チラシ)で知るのです。

「あら、うちと同じ間取りの売り物があるわ。わあ、嬉しい。こんなに高くなっている」と歓声をあげたりするというわけです。

最近の買い手は価格の妥当性を知るための情報収集手段を知っていますから、購入時点で割安だとか、将来価値が向上しそうだとかといった判断が的確にできるのでしょう。

しかし、すべての買い手が適切に判断できているわけでもありません。最近の人気物件の中にも、「優良だが価格が妥当かどうかは怪しい」物件が多数見られます。

購入時点で「既に含み益のあるマンション」か、将来価値が向上することで「含み益が発生するであろうと予想されるマンション」か、いずれにせよ、それは高い期待値を持つ物件ということです。

しかし、冒頭で述べたように「高値掴み」の結果、期待を裏切られるケースがあるのも事実です。

●高いと分かっていて買うという判断もあっていいが・・・

「良い物件であることは確かだが、高過ぎる」として止めた人がある一方、「高いが良い物件だから」と購入を決めた人も多数あって、それはそれで結構なことです。

しかし、購入者の多くが「含み益の期待」を持っているはずです。それを裏切るほどの高値なのか、思惑通りの結果をもたらしてくれるのか、単純比較では分かりにくいマンションの価値判断だけに、「高値掴み」とならない選択をしたいものです。

人気物件は付加価値が高く優良なものなので、単純比較では相場より高いのは確かですが、それが30%も高いとしたら、果たしてそれでもお買い得な物件なのかどうか、筆者にも疑問に感じる例が結構あるのです。

都区内の物件に限って最近10年を平均すると、購入価格と大差ない価格で売却できたとされます。

しかし、それはあくまで平均の話で、個別に見て行けば上は50%の値上がり物件から下は40%の値下がりまで幅が大きいのです。 少なくとも、平均以上の結果を得たいものです。

その判定は筆者の仕事とするところですが、決して簡単ではありません。

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