第739回 「築20年を超える古いマンションの将来価格」

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。

「築30年マンションと40年マンションで市場価格はどの程度の差に見られるものでしょうか?」

・・・このようなお問い合わせをいただいたことがありました。   筆者のお答えは次のようなものでした。   新築を100としたときの中古マンションの価格を調査したデータがあります。 東京23区を例に取ると、新築を100としたときの築30年マンションは40%の水準になっているというのです。築40年マンションになると、30%です。   30年マンションを40で購入したら、10年後は30になる、つまり30÷40=75%だから25%下がるという理屈です。

ところが、現実は違います。相場が全体として底上げされ、例えば10年後の新築が2倍の200に上昇していれば、40で買った築30年マンションも10年経過して築40年になったときの価格は2倍でないとしても、1.5倍程度には底上げされます。 つまり、30ではなく45になるのです。 従って、45÷40=12.5%の値上がりになるのです。  

しかし、この説明はマクロデータを解説しているに過ぎません

「傾向としてはこうだ」という理解をするためには必要な知識になるかもしれませんが、マンションは個別性が強いので、あまり意味がないのです。 なぜなら、東京には、築35年を超えて近隣の新築マンションに並ぶ高額な人気マンションも存在する一方、築10年足らずで30%も値下がりしたマンションも現実に存在するからです。

  マンションの価値は年数だけで機械的に判定されるものではないのです。 マンションを土地と建物と便宜的に分けて説明すると、建物は経年劣化しても土地は減価しないので、土地の価値が高い場所のマンションの価値は下落率が低いという傾向が見られます。  

次に、同じ地域の同じ築年数のマンション同士を比較した場合を考えてみましょう

この場合は、建物の差異が価格に影響するはずです。建物差異とは、例えばスケール感です。

  200戸のマンションと50戸のマンションでは、スケールがもたらす存在感がまるで違うはずです。「スケールの差」は年数によって変化しないのですから、他の要素が同じ比率で減価しても、「古いけれど威風堂々の立派なマンション」という評価につながり、50戸のマンションより値下がり幅は低くなるのです。

  何年経っても変わらないファクターは他にもあります。同じ駅をお最寄りとしていても、一方が2分で他方は10分という差があるという場合が分かりやすいでしょうか。 2分の物件に人気が集中しやすいため、両者の値下がり率には差が現われます。

  敷地(場所)の価値が、年数が重なるに連れて価値を増すということもあります。敷地内の死樹木が大きく育ち、建物を包み込む光景をイメージしてみてください。建物の周囲を樹木が包んでいる光景です。 三井不動産は、「経年優化」という造語を使って企業姿勢をアピールしていたことがあります。

つまり、樹木が育てばマンションの価値も高くなるという考え方です。 確かに、世田谷区や目黒区に行くと、大きく育った木々がマンションを包み込むようになったものがあります。分譲時のコンセプトに盛り込んだマンションだったのでしょう。

樹木が葉を広げて外壁を包み込むようになると、外壁の汚れなぞ、全く目立たず、経年劣化は分からないのです。 このようなマンションは、大体において、建物内部の管理も良く、美しい姿を保っているものです。

 これはある意味でカモフラージュということになるのかもしれませんが、建物を樹木が覆うような姿を想像してみてください。敷地内に植樹した木々が育つとマンションの形が変わるのです。建物は劣化しても、建物の周りを覆う樹木が補います。大きく育った樹木がマンションの足元を隠し、顔を挙げると建物は見え隠れしているといった景観は美しいものです。

10年経過で20%ダウン、20年だから30%ダウンなどという評価方法はなく、様々なファクターでマンションは判定されるのですが、その計算式のようなものはないのです。 かくして、築40年近くても同駅圏の新築マンションに並ぶ高値の取引が成立してしまうことが現実にあるのです。

  料理は食べてみなければ分かりませんが、マンションは住んでみて住み心地を味わってから買うということができません。 しかし、見るだけで分かるのがマンションと言えないこともないのです。 見栄えがいいかどうか、マンションはそこが大事です。見栄えを良くしてくれるもののひとつが植栽です。

 古いマンションを検討するときは、建物の内部や住戸内部も軽視はできませんが、外構にも目を向けたいものです。特に植栽に注目しましょう。    

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらからhttp://www.syuppanservice.com

 

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以下は、売主様への提言です。

1.売却見込み額をお調べします。 2.どこの仲介業者に依頼したら良いのかについて助言します。 3.適切な売却時期を提案いたします。 4.少しでも高く売却するためのコツをお教えします。  

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少しでも高く売るためにはコツがあります。不当に安く見られてしまうことを避けるためには、室内を上手に演出することをはじめ、売出しのコツがあります。   HP作成を業者任せにせず自ら参加するなど、ご所有のマンションに合わせた具体的な提案をいたします。   購入希望者を迎える時の留意点、室内の展示方法なども適切に助言します。

5.お買い換えの場合、売却と購入、それぞれの適切なタイミングをお伝えいたします。

マンションを買い替えしたいけど、売却が決まってからか買うのが良いか、それとも先に購入してしまう方が良いかなど適切な住み替えのタイミングをお伝えいたします。

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