マンションにバブルの様相?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

最近のご相談者のメッセージの中に、「価格の上昇が懸念される」という類の文言が多く見られるようになりました。また、「適正な価格かどうかを知りたい」というご質問も増えています。どうやら買い手にも価格の先高観が感じ取られるようになった表われと言えそうです。

このブログでも再三お伝えしてきましたが、マンション価格の上昇は「じわり」ではなく「急激に」広まりつつあります。

その裏付けとなるデータは、10月5日の記事でご紹介した通りです。

このような状況は、決断を急がなければいけないという、ある種の強迫観念を買い手に与えつつあると感じます。

そんな中で、好立地の好物件に限っては人気に拍車がかかってしまうのも自然な成り行きなのかもしれません。

ただ、苦々しいことも起きつつあります。その状況に悪乗りするかのようなデベロッパーも見受けられるようになって来たからです。

ここで具体的にご紹介することはしませんが、首都圏の某所で販売中の物件が高い人気を背景に価格を上方修正したという情報があるのです。

機を見て敏とも言えますし、商魂たくましいとも言えるのかもしれませんが、「高く売れるものなら高く売ろうよ」と、そんな裏話が聞こえて来そうです。

5000万円を超える物件ですが、1000万円も値上げしたそうで、それでも買いたい人が多数あるのだとか。

バブル現象は、実力以上に高く評価される経済現象であることは誰でも知っているところですが、グローバルに見ると、東京の不動産価格は割安なそうで、決してバブルを生み出しているわけではないのです。

都心のビルや高級マンションの買いが外国から入るようになったのは確かであり、それが価格の上昇に要因のひとつかもしれませんが、まだバブル勃興とまでは言えないと考えます。

話しを元に戻します。外国人が狙うのは都心の超一等地にある億ションが中心ですが、筆者がバブル的というのは、6~7千万円のミドルクラスでの現象です。外国人が買い手に多数見られるわけでなく、日本人サラリーマンの買い手が100%と思われる物件でのことです。

1980年代後半から1990年代初頭にかけて起きたバブル現象は「買うから上がる。上がるから買う」というスパイラルによるものであったことを思い起こさせます。

不動産経済研究所の9月調査によれば、郊外部では売れ行きが鈍化したかのように解説されていましたから、バブルはほんの一握りの現象なのかもしれません。筆者に届いた情報でも、値上げしたという物件は、まだ3件ほどですし、今後もかつてのような狂気の現象には至らないとも考えます。

ただ、値上げの噂は業界各社にたちまち広がり、追随する売主も出てこないとは断言できません。

業界各社が目先の利益追求に走る、強気な価格政策を志向しないことをひたすら祈るしかないのですが、筆者には、「検討しているタイプの上層階住戸が100万円値上げされました」や「次期売り出しでは値上げする予定なので、と営業マンから言われました」といった声がたびたびもたらされています。

ミニバブルとでも言えばよいか、そんな兆候が見えて来るのです

建築費の高騰は、マンション価格に転嫁されています。直近相場は上昇していますが、営業マンたちはそのことには一切触れず、「同時期に販売中の他社物件との価格比較で高くないことを強調したりするようです。また、今後はもっと上がるから買うなら今しかないような発言もあるそうです。

こんな情勢下で冷静になれと言ってもむなしい叫びに過ぎないかもしれませんが、高いのは仕方ないとも言えるだけに、「最低限これだけは妥協しないぞ」と心に誓って臨まれるよう進言したいと思います。

最低限の条件とは何でしょうか? それは個人の事情によって異なるはずです。

ともあれ、万一、高値掴みになったとしても、快適な暮らしが長く送れるなら、経済的な損失は問題ではなくなるのです

そう思えるような納得ずくの買い物をすることが重要なテーマとすべきです。

最後にひとつだけ付け加えておきます。

営業マンの説明の中には、誇張や欺瞞が隠れているということです。「冷静に」という言葉の中には、「言葉に踊らされないで」の意味もあるのです。

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