ルーフテラスへの出入りに注目!!

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

ご承知のように、図面で出来上がりを想像しながら選ぶしかないのが新築マンションという商品の特性とでもいうべきものです。

モデルルームは用意されているものの、自分が購入できるタイプとは似ても似つかないという場合は少なくありません。

買い手は間取り図を見て、モデルルームの印象を重ね、違いを修整しながら商品の形と色などを想像の世界で描いて行くほかないのです。

ここに新築マンションを購入するときの難しさがあります。 完成内覧会の立会いをご依頼下さる方と現地でお目にかかるとき、「思ってたより狭いなあ!」と少しく落胆する声を何度お聞きしたことか。

広さの実感を平面図やCG三次元映像などで正しく把握することは中々難しいものですが、今日は落胆が大き過ぎ、ショックで寝込んだ人のお話をしようと思います。

●梁の下がり・斜め柱の問題

「下がり天井に注意しよう」という記事を1月8日に投稿したので、お読みくださった方も多いことと思いますが、マンションの天井はどこかが必ず低く垂れ下がっているものです。
問題は、その下がり方と位置にあります。

仮に、リビングのど真ん中に太く低く下がっていたら、知らずに買ってしまった人は、それこそ大きなショックを受けることでしょう。

梁や排気ダクトが天井のどこかにあるのは確かで、それをいかに目立たないように商品化するかは、設計士や施工業者の協力に負うところ大なのですが、配慮の足らない、もっと言えば無神経な建物は少なくありません。

梁やダクトだけではありません。天井が斜めになった部屋もあるのです。 「斜め柱」と言って、上層階の住戸にできてしまうことがあります。 これは建築制限(道路斜線や北側斜線など)に基づき、一定の線からはみ出さないように設計した結果の産物です。

そのことは無論、図面に明記されているので、クレームをつけても「よく見なかった方が悪い」という判定になってしまうのです。

平面図だけでは分かりにくいので、その部分だけを断面図で明記してありますから、間取りだけに気を取られて見落すことがないように注意しなければなりません。

担当営業マンは、買い手の購入意欲が後退してしまいそうなことは言わないものです。つまり、「ここは柱が斜めになっていますが、よろしいですね」などと警告をしてくれるとは限らないのです。

●使えないルーフテラス

角部屋に多く見られる広いテラス付きの住戸は稀少価値があるので、常に人気を博します。

売主は当然ながら高い価格を設定しているものですが、それでも抽選になることが多いのです。

ルーフテラスを「アウトドアリビング」として使うとか、「ガーデニング」を楽しむとかと、夢を描きながら購入するのでしょう。

ところが、中にはとんでもない代物と言うべきか、価値のないルーフテラスもあるので注意しなければなりません。

理由はこうです。 ステップ(踏み台)がなければ出入りが困難であったり、通常のバルコニーからぐるりと回ったりするしかないような「使えないテラス」があるからです。

窓が掃き出しになっていないのです。部屋内の床レベルから60cmほど高い位置に窓があるため浴槽に入るときのような「またぎ」が必要なのです。掃き出しにしなかった設計者の意図は勿論あるのですが。

その意図とは、ルーフテラスには庇がないので雨の吹き込み防止のためです。

また、通常のバルコニーから回り込めば「またぎ」なしで使えるケースでも、その動線上には必ず大きな段差があるものです。段差ができる理由もあるのですが、ともかくバリアフリーとは行かないのです。その点でも、使いづらいというほかありません。

遠回りでも段差があっても、何とか使えるならまだマシですが、回り込みができず、出入りは常にステップを使うというのでは、失望感は小さくないはずです。

しかも、テラス付き住戸は同面積の住戸より価格が何百万円も高くなっていますから、高いものをつかまされたという思いに至る人もあるのです。

下がり天井同様に、各ページ隅々まで、図面はよく確認することが重要。肝に銘じておきたいものです。

●ルーフテラスとルーフバルコニー。どちらが正しい?

ところで、マンション業者は失敗経験から得た教訓を様々な箇所で活かしていますが、本稿の「下がり天井・斜め柱」や「テラスへの出入り」などはクレームに慌てたり、泣かされたりしたので、表示を正確にしようと努めて来ました。

そのおかげでクレームは減ったと売り手は喜びますが、買い手にとっては完璧な商品展示(説明)にはなっていないのです。そのために、最後は泣き寝入りせざるを得ないことも今も残っています。

売り手の中には、「表示をしてあるのだから落ち度はない」と高慢な態度で買い手のクレームや指摘に応じる企業がある一方、販売時に「図面をよく確認して下さい」と一言告げる企業もあります。

これらは、セールスマン教育を徹底しているかどうかは別として、売り手の姿勢の問題であるわけです。

神経の使い方が並々ならない売り手もあるということですが、そんな企業でも小さな間違いはあるものです。

アルコーブとポーチの違い、テラスとバルコニーの違いなどに表われています。

ちなみに、テラスは和訳すると「露台」で、屋根のない台という意味です。バルコニーは、窓から張り出した台で、上階のバルコニーが屋根代わりになったものという違いあるのです。

まあ、「そんなことはどっちでもいい」と批判されそうな話ですが、企業姿勢がこんな些末な部分から感じられるのも事実です。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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