複数の駅が利用できる物件の価値

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少し前ですが、とても良いデータを見つけました。それは「複数の駅が利用できる物件」と「ひと駅だけを利用する物件」の価値の差を比較したものです。

普通に考えれば、ひと駅だけより複数の駅を利用できる方が便利に決まっていますが、どのくらい価格に影響を与えるものかはよく分からなかったので、このデータは実に価値があるものです。

データは不動産調査の東京カンテイ社が公表したものですが、それによると築10年以内のマンションの売却額と購入額との差、いわゆるリセールバリューは、最寄り駅から10分以内の場合、93.1%・89.5%とあります(首都圏2013年時)。

複数の駅が利用できる物件が93.1で、ひと駅だけの物件は89.5%だというデータです。その差は3.6%。

同様に6分以内、3分以内でもデータを出していますが、駅に近いほど差は小さくなる傾向を見せています。11分~15分の物件も2.8%と、やや小さい結果となっています。

マンションの広告を見ていると、最寄り駅の表示はできるだけ複数の駅、複数のルートを表示しようとしていることに気付きます。

できるだけ幅広く買い手を集めたい売主は、複数の路線、複数の駅を表示することが有効だと考えているのです。 A駅を利用している買い手だけでなく、B駅利用者にもアピールできますし、A路線利用者とB路線利用者の双方に注目してもらえます。その方が販売促進に有効になるわけですから、当然の措置です。

マンションの名称は、一般的に最寄りの駅名を使うパターンが圧倒的に多いので、買い手は先ず物件名から場所を把握します。その瞬間に興味を失う人も少なくないので、広告の紙面では複数の路線と複数の駅を大きく表示して買い手の関心を引き留めるのです。

インターネットの検索においても、複数の路線・駅をタグとして付けておけばヒットの確率が上がりますから、売主は例外なくそうするわけです。

中には、とんでもない方向の駅からのバス便を表示する例も少なくありません。最近、人気を集めている東京湾岸の物件にも多いのですが、路線が単数だからでしょうか?

さて、話を元に戻しましょう。

駅からの距離が近いほどリセールバリューは高いということは広く知られていますが、複数の駅が利用できるものの距離はどちらにも徒歩10分という物件と、利用できる駅はひとつながら駅からの距離が近い物件、どちらの価値が高いのでしょうか?

答えは「近い」のレベルがポイントになります。単数であっても、例えば最寄り駅に5分以内と近い方が価値は高いと考えて良いのです。

中古マンションの売り手(個人)が分譲時と同様に複数の駅を利用できる物件として流通市場に公開したとすれば、ひとつだけよりは多くの買い手候補をひとまずキャッチすることができるかもしれません。

しかし、内覧に導くことができる確率は、最寄り駅が遠い物件ほど低くなると考えるべきです。

買い手が普段使う駅はひとつです。客寄せの策で複数を表示してみても大きな効果には結びつかないのです。理由はこうです。

新築マンションの場合は、とりあえず見に行こうとモデルルームを訪問する人が多数あります。

一般に、新築マンションは見学者が契約者の10倍あると言われています。広告では、建設地が地図上で明示されていますが、工事中であることが多いので、内装や設備、間取りを見たい人はモデルルームを訪ねるほかにないからです。価格も中々教えてくれないので、訪問は検討初期段階に必須の行動になります。

これに対し、中古マンションは仲介業者のホームページ上に価格も明示され、間取りも分かるようになっています。新築にように「未定」というのはありません。価格が予算をはるかに超えていれば見学を思いとどまることでしょう。

売主が入居中というケースが多いので、無遠慮に見学に出向くというのもはばかられます。

従って、最寄り駅、路線等をよく見てから、検討に値すると思った買い手だけが仲介業者経由で内覧に出かけるのです。 買うとしたら、どの駅からどの鉄道を利用して会社へ行くことになるかを内覧の前に決めていると考えられます。

複数の駅が利用できる中古物件は、検索段階では多くの検討者の目に留まりますが、見学に結びつく確率は売り手の期待ほどは多くないと見るべきなのです。

勿論、複数の駅がどちらも徒歩5分以内にあるという場合は別です。先のデータが示すように複数の駅が利用でき、少なくとも二つの駅のどちらにも近い物件は見学者も増えます。

見学者が多数になる物件は高値になりやすく、見学者が中々現れない物件は価格を下げる方向に行きやすいものです。

駅から近いのは片方だけで、もう一方は遠いという物件は、繰り返しますが見学(内覧)に結びつく確率が最寄り駅単数の場合と大差がなく、従ってリセールバリューも高くなりにくいのです。

複数の駅が利用できる、しかもその駅の路線が別々というケースで、かつどちらの駅にも徒歩5分以内というようなケースが最も高い人気を博し、内覧者同士が競争し合う状況をつくるのです。

それが高値取引につながって行きます。そして、その差はひと駅のみ利用の物件に比べて数%高となるということです。

複数の駅が利用できるというだけでは決して強みにはならないということ、大事な点は最寄り駅がひとつでも、それが徒歩5分、妥協しても7~8分と近いことにあるのです。

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