強気に転じたマンション業者(2015年6月10日partⅡ)

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

2年前は「この価格が通用するかを探っているところです」、「建築費の上昇分を価格に転嫁したいが、これだけ高くなると厳しいことになるかも」などと語っていたデベロッパー各社ですが、最近はまるで態度豹変とも言うべき行動が目につきます。

 強気な価格を設定し、それでも反応が良いと、傲岸にも価格を吊り上げる業者も出て来ました。価格を上げて、それで売れるなら利潤追求が目的の民間事業者にとって当然の事業活動なのでしょう。 しかし、どこか不快さを感じます。

バブル経済期、地価が暴騰したことを受けて数多くの識者が声を揃えていたのが「土地は公共財だ」でした。 そして、土地取引にタガをはめるべく、一時は区域を定めて、100㎡以上の土地取引にまで届け出制(実質的な許可制)を導入したのです。

当然ながら、土地付きマンションも規制の対象となり、やがて地価上昇は終焉しました。バブル経済の終わりでもあったのです。 国土利用計画法という法律に基づく措置でした。

最近のマンション価格上昇は、地価の上昇もありますが、大半の原因が建築費の高騰によるものと言われます。従って、これを規制をしようとしても自由主義経済の下では有効な策はありません。

対策は「不買運動」しかないのです。しかし、現実にはこれも不可能なことです。最後は、買えなくなって断念する人が増え、売れ行きが悪化するのを待つしかないのかもしれません。

ところが、昨今は訪日する中国人の爆買いさながら、東京のマンションを外国人が多数訪れ高値で買うという現象まで発生しているということでは、当分収まりそうにありません。

ひとつのマンションに外国人向け価格表と日本人向け価格表、言い換えると外国人向け高値住戸と、それ以外の住戸が混在する裏価格表があるといった話がまことしやかに伝わって来ます(真偽のほどは不明)。

外国人投資家が、東京のマンションを狙うのは割安だからで、東京を100としたとき、香港は235、台北市165、上海市150、シンガポール145くらいと、いずれも東京より高いという点にあると言います。

新築だけでなく中古マンションも購入しているようで、双方合わせて5年前の20倍に取引件数が伸びていると言います。 2011年10月の75円から125円に大きく円安に振れたことも背景にあるようです。

都心のマンションに限られるものの、増益のチャンスが来たとばかりに価格を吊り上げるマンション業者が増えています。

首都圏全体から見れば少数の物件に限られる話かもしれませんが、日本人向け住戸も含めて強気の価格で売り出す事例は徐々に拡大している印象を受けます。

売れ行きが悪化、すなわち需要が離れて行けば、売り手はやがて買い手に媚を売ることになるのです。 つまり、様々な販促手段を講じてモデルルームへの呼び込みを図り、同時にディスカウント販売するようになります。

しかし、今のところ都心物件ではその気配は全く見られません。むしろ、強気の一部業者・一部物件に便乗したか、高値の物件が次々に出て来る始末です。 (そうでないことを信じますが)

「価格が上がるから買う。買うから上がる」という悪循環によってマンションバブルは起こったのです。直近の地価調査では、東京圏の地価は調査地点の9割で上昇した(4月1日時点。国土交通省調査)そうです。

こうした傾向はますますマンション価格の上昇を後押しするもので、これを含め、買い手の立場では歓迎できない情報ばかりの昨今です。

購入物件の選択に当たっては、ますます慎重さが求められましょう。

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