2年で50%も値上がりしたマンションにびっくり!

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

新築に比べ、1年くらい前から中古マンションの「物件評価」依頼が増えていましたが、この10~11月はついに逆転してしまいました。

新築物件の発売が減少していることや、新築価格の高騰を嫌気して中古へ目を向ける人が一段と増えたからだろうと考えています。

とまれ、ご依頼の中心は中古物件の価格が適正なものかどうかというものですが、ご依頼に際し、分譲時の価格を情報提供して下さる方がいらっしゃいます。

仲介業者が「この物件は分譲価格が〇〇万円だったので、〇〇年で〇〇万円上がった価値ある物件です」と言いたかったらしいのです。

それを聞いた検討客の、ある依頼者は「中古なのに、新築より高いなんて納得いかない」と感じたそうです。

価格が上がったのは、優れた物件というより、新築相場が高騰したことで、割安だった中古の人気が上がり、結局は中古も高騰しただけという物件が多いのです。

その中古を検討している依頼者も、「中古だから安いはずではなかったのか」という思惑違いに落胆していたのかもしれません。

中古物件は、新築ほどの細かな情報が用意されていないものが多く、マイソクと呼ばれるビラ一枚と、あとは「実物を見れば分かるでしょ」的な感覚でで営業しているような業者が多いせいか、それだけでは不安ばかりで決断ができないと感じるのでしょう。

そんな背景から、筆者への「評価依頼」となっているわけですが、分譲時からの価格上昇は不思議でも何でもない都心の物件の中には、びっくりする値上がりに驚く昨今です。

●竣工から1年で50%も値上がりした千代田区の高級マンション

具体の物件名は伏せますが、千代田区にある高級マンションで、分譲価格1億2000万円の住戸が引き渡しから1年を過ぎたばかりなのに1億8,000万円で売り出されているのです。

販売されたのは竣工の1年前、つまり今から2年前のことでした。その頃、別の住戸ですが当該マンションの評価と将来価値についてレポートしたことを思い出して保存レポートに目を通してみたところ、筆者の評価は確かに高いレベルにあり、しかも将来性も筆者の格付けでは「A」ランクでした。

つまり、将来価格は大いに期待できるもの、平たく言えば値上がり間違いなしという評価を出した物件でした。

しかし、契約時から短期間に50%も値上がりするというイメージではなかったので、2年で50%も上がったことには驚くばかりでした。

当該物件だけでなく、同地域の他の売り出し物件もチェックしてみましたが、同じような物件の売り出しはなく、「やはりそうか」という印象でした。

高級マンションが建つエリアは、ブランド地とか高級住宅地、邸宅地などと言われ、そのようなエリアの特徴は次のように分析できます。

①中古の売り物が少ない(所有者が使わなくなっても売却せずコレクションに加えてしまう)

②土地に売り物が滅多に出ないので、新築の開発も難しい

③新築の供給も中古の売りも少ないということは、憧憬の地のマンションは稀少価値が高いことを意味する

④売り出される中古の大半は専有面積が広く、価格は億を超えるが、購入者は比肩するものがないこともあって、投資額に糸目はつけず買ってしまう傾向が強い

このような特殊なエリア内の優良物件だからこそ、2年で50%もの値上がりなのでしょう。しかし、多少の差はあっても都心の中古マンション価格が急上昇しているのは読者もご存知の通りです。

ただ、注意深く市場を観察している人の中には、そろそろ危ないと感じ、東京五輪のころでは遅いと、早くも売却に転じた人もいると聞きます。

筆者は投資家ではないので、何ら行動は起こしていませんが、先刻もこのブログで書いたように中古に限れば年明けから変化が表れるだろうと見ています。

といっても、1~3月は取引が活発な時期なので統計数値に明確な変化が見えるかは分かりません。データに表われるのは、ずれ込んで4月くらいかもしれないなあと予想しているところです。

●高くなった家を売っても次の家も高ければ喜びは半分!?

先に紹介した50%アップの事例は、都心が折からのミニバブル的様相にあることを伝え聞き、売手も強気になったからでしょう。けしかける仲介業者の存在が数字を押し上げたことも間違いないところです。

売却する理由や事情は知る由もないですが、所有者が投資目的で購入したのであれば機を見ての行動と理解できるのですが、自己居住であるとしたら、転居先はどうするのかという好奇心に駆られます。

何故なら、中古が高くなるのは新築が高いことで人気を集めた結果ですし、そのエリア的広がりの中では、買い替える物件も新築・中古ともに高いからです。

自宅を高値で売ることができたら、買う方は値上がりが及んでいないエリアを選ぶことで資金の追加が要らない理屈になるのです。お釣りが来る場合もあることでしょう。

しかし、そう都合よく暮らしが展開することは少ないものです。

都合よく展開しないのは、初めてマンションを購入する場合も同じです。きっかけとも動機とも言えるものとしては、結婚、子供の誕生、転勤、子供の進学、子供の独立、定年といった人生の転機やライフステージの転機が挙げられます。

このような動機で買いたいと思った時、あるいは買わなければならない時に、価格が安定期や下落期にあるとは限りません。高値掴みしてしまうこともあるのです。今はそういう時期に当たっています。

高値で買ってしまうと、売却時が上昇期に当たったとしても期待した値段では売れないかもしれません。無論、売却時が反対の下落期だったら残念な結果になることでしょう。

●売らなければ損も得もない

家族が増えて手狭になったから、勤務先または子供の通学先が変わり不便だから、近隣環境が変わり住みにくくなったからなど、例を挙げるとキリはないのですが、自宅マンションを売却する理由は様々です。 

しかし、売らずに住み続けて行くとしたら、自宅マンションが50%も値上がりしても何も得はありません。反対に、値下がりしても損はないのです。

住み替えの必要が起きたときに「売却」という選択をすれば、そのとき初めて問題が浮上します。

ひどく値下がりしたマンションに居れば、住宅ローンの残債を下回ってしまい、人によっては銀行清算にために手出し資金が必要になるかもしれません。そこまで値下がりしていないとしても、売却したら手元には100万円しか残らないことが分かり、新たな家を買うには頭金が足らないという問題に直面するかもしれません。

こうした点を考えると、やはり損を少なく抑えられる、できたら儲けられるマンションを買っておきたいところです。

しかし、値上がりしにくい地域で暮らす人もあるわけですし、みんなが2年で50%も上がった千代田区の億ションを買えるわけでもないのです。

また、タイミングが悪く「買い時でないとき」に買いたい事情が発生してしまう家庭もあるのです。 前にも書きましたが、買いたい時と買い時は一致しないものです。

筆者へのご相談者に中に、今が売り時と判断して高値でうまく売却した人がいます。その方は、かなり儲けたようです。しかも、「現に居住の用に供していた住宅」に該当するので特別控除を受けて譲渡所得は発生しないはず。従って、結構な金額を手にしています。

どうするのかを聞いたら、「五輪が終わるまで古く程度の低い賃貸マンションで生活する」と答えられました。

「価格が下がり切った(と判断できる)ところで、今度は終の棲家を買うのだ」と自信に満ちたお顔で語っていました。

このような人は稀です。人生は・・・などというのは口幅ったいのですが、そうそううまくは行かないものです。

そんな中でも、最善の方策、次善の知恵を探ることが必要なのだと思います。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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