「築10年、値下がりしなかった」 は普通のことだ!!

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

マンションは、建物の劣化に伴って価値が下がっていく。これが理に適っているように思えますが、実際は逆の場合があります。今日は、その理由をお話しします。

●中古価格は新築価格に連動する

新築相場が上昇して行くと、価格が安い中古へ需要が集まり、中古相場も上昇します。言い換えると、中古マンションの価格は新築価格に連動するということです。

数字を使って詳しく説明しましょう。

新築相場が10年の時間経過で100から150になったとします。その結果、中古物件は、新築時100から10年後80になるのではなく120くらいになるというわけです。つまり、20%高く売却が可能になるのです。

「中古だから80だ」では、僅か10年、すなわち、まだ50年以上の耐久期間が残っている建物が150の新築の半分の値段では安過ぎるのです。それだけ安いなら新築をやめて中古も悪くないと考える買い手が増えます。結局、新築の8掛け程度に収れんするのです。

新築相場の8掛けと言ったのは築10年だからで、これが20年になれば新築の5~6割程度となります。しかし、仮に20年で新築相場が100から150になったとするなら、20年後の中古は80くらいになるということです。購入時の100から見れば、20下がるだけです。100が50や60になってしまうわけではありません。

●東京と地方の差

ここで用いた数字は東京都の場合です。東京都以外の首都圏、或いは地方都市は異なります。
新築相場の上昇率が違いますし、新築相場と中古相場との開差も東京都より広いのが実態です。

その差は、需要量が違うから生まれるのです。新築と中古を合わせた総需要量が大きい東京都は、どちらも価格が上振れしやすいと言いましょうか、上昇圧力が強いのです。

話を少し戻しますが、10年間に新築相場が100から150に50%も上昇するでしょうか? 先のことは分からないですが、過去10年どうであったかを示すと、実は25%強の上昇でした。結果的に中古は購入時から4%弱の値下がり(東京都)に留まりました。
ちなみに、神奈川県は8.8%、埼玉県は13.6%、千葉県は15.4%、それぞれ値下がりでした。

東京都の場合、アバウトに言えば、殆んど購入時に近い価格で売却ができたということです。

●平均と個別

以上の説明は、あくまで平均の数字です。新築相場の上昇率にしても、中古のそれにしても、3.8%の下落率にしても、あくまで平均の統計数字です。

従って、その中身を覗くと40%も値下がりした物件もあれば、反対に50%も上がった中古物件が事実あったのです。その中間にプラスとマイナスの物件が年間に数万戸あるというわけです。

平均がマイナス4%なら、プラスの(値上がりした)中古マンションは半分近くもあったということになり、マイナスになった物件も半分強はあったということです。言い換えれば、築10年の中古マンションが買い値と変わらなかったとしても、東京都内なら、それは当たり前とも言えるのです。

これからマンションを購入する人にとって大事なことは、値下りグループに入らない物件を選択することであり、できたら10%くらいの値上がり結果を期待できる物件を選択したいものです。確率は50%くらいかもしれませんが、コトは単純ではありません。

どのような物件を選べばマイナスグループに入らずにすむか、それは折に触れて述べて来ましたが、今後もご紹介して行くつもりです。

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