今から考えておきたい老後の住まい

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

初めてマイホームを買おうかという人に老後の住まいを唱えても意味がないと非難されそうですが、そうとも言えないと支持して下さる方も少なくないので上記テーマで書くこととします。

若い人の中にも、定年後を見据えて蓄財や投資に励む人が少なくありません。

30年先の世の中がどうなっているか、自分の身の回りがどう変化しているかを想定しつつ、どう変化していようが資産を豊富に持っておいて邪魔なことはないはず。そう考えて生涯の資産形成計画を実行しているのでしょう。

計画的な人たちには、老後の住まいのことも念頭にあるようです。頂くメールに「永住のつもりで考えていますが、一人になったら老人ホームに行くこともあるので、そのときの資金になるかどうか?儲からなくてもいいが、大損しないマンションかどうか?」といったお尋ねが多く見られます。

今日は、価値あるマンションの選び方について論じるのではなく、前提となる「老後の住まい」のカタチを考えてみようと思います。

●ライフスタイルによって選択肢はこのくらいある

住まいの形態から考えてみると、「子供と同居か近居する」、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者住宅」などに入居する

住む場所の観点では、「故郷に帰って住む」、「子供の住む街へ行く」、「郊外の住まい」、「都心・準都心に住む」などとなりましょうか。

選択肢によっては、資金があまり要らないもの、多少はかかるもの、多額の資金が必要なものと分かれるはずです。

資金とは、入居金や購入資金などの一時金だけでなく、毎月の生活資金も必要ですし、それが年金だけでは足りないと想定することが必要なのかもしれません。
貯蓄などの金融資産、退職一時金、不動産などが原資となりましょうから、何を置いても資産形成が必要になりますね。

「リバースモーゲージ」の活用も考えてもいいでしょうか。みずほ銀行が2015年1月からマンションも対象にしています。メガバンクでは初めですが、東京スター銀行は従来からマンションも実施、地方銀行でも一戸建て中心に取り扱っています。

自治体では、武蔵野市が20年以上も前から一戸建てを対象にリバースモーゲージを市民対象に融資していると聞きます。

資金のことはさておき、高齢者専用ホームを除いて、老後の住まいの選択肢を整理しておきましょう。

<一戸建ての「改築」>
子供が独立し夫婦二人だけになるなら、間取りを変えて趣味を楽しむ部屋を設けたり、余った部屋を独立させて部分貸ししたりする

<不便な一戸建てから駅前マンションに移住>
駅からの道が遠く坂道でもあるので、不便で体力的にもつらくなるから、駅前のマンションに住み替える

<二世帯住宅を建てて子世帯と同居> 
孫の面倒を見られる子世帯との同居は願ってもないカタチ。子世帯から見れば孫の世話を頼めるので、夫婦ともに働けるので理想的な住まいになる

<郊外・田舎でスローライフ>
都会暮らしに飽きたから、郊外の自然豊かな地域に中古住宅を買って住み替える
 
<都心でアクティブライフ>
老後の暮らしを豊かにするには、旅行に行きやすい空港や新幹線駅に近い街や、観劇や美術鑑賞が楽しめる東京都内のターミナル駅にすぐ出られる街に住み替える。

<別荘でスローライフと刺激的な都会ライフの複数ハウス生活>
長く都会暮らしをしていると田舎暮らしは退屈だ。そんなときは、いつでも帰る家が都会にある。そんな二重生活も悪くない。

●マンションか一戸建てか

ところで、田舎暮らしであろうと、都会暮らしであろうと、また老夫婦だけか2世帯住宅かを問わず、家の形態はマンションでも一戸建てでもいいはずですが、どちらがふさわしいのでしょうか?
そこで、ここからは一戸建てかマンションかについて、触れておきたいと思います。

一戸建て住宅には何もしない自由というものがありますが、マンションには共同住宅ゆえに拒否できないことや煩わしいことも少なくないのです。

例えば、家の修繕です。一戸建てなら放置する自由がありますが、マンションではそうもいきません。管理費や修繕積立金を毎月納めなければならないことに経済的な負担を感じる人もあるでしょう。

防災訓練も近所付き合いも面倒だと感じる人もあるかもしれません。

それでも、老後はマンション暮らしがいいという人が多いらしいのです。

<50歳以上の住み替え希望者は半数がマンションを希望>
2015年1月、首都圏在住の50歳以上を対象に調査したところ(調査機関:長谷工総合研究所)、住み続ける人と住み替えを希望する層では、住み替え希望は15.8%に上っています。

住み替え派のうち、マンションへの住み替えを希望する人は50.4%(所有42.3%、賃貸8.1%)と、半数を占めていることが分かりました。

マンション居住者で一戸建てに住み替えたいという回答も31.2%あるのですが、マンションへの住み替えを希望する人が54.3%(内、賃貸は6.0%)と半数を超えます。

注目すべきは、一戸建て居住者のマンション住み替え希望者が45.9%(内、賃貸10.4%)と半数近い点です。

<高齢者に安心なマンション>

段差のない家 カーシェアリングで車の利用も可能。マンションでしか備えられない設備(宅配BOX・ディスポーザー・AED・24時間有人管理・防災用の各種備品)とコンシュエルジュによる生活サポート・厳重なセキュリティシステムなどがあると老後は安心です。

近隣住民とのトラブル解決に管理人などがクッションになってくれる、災害時の共助システムなどもマンションでは一般的です。 

<高齢者が安心して住めるマンション>
筆者は、大型マンションがシニアにとって価値あるものになり得るのではないかと随分前から思っています。、管理ソフトが付加される大型がよさそうです。

マンション住民は入れ替わりがあるというものの、20年以上住み続ける人も多いので、
住民の50%は定年に達したなどというマンションも今後は増えていくと考えられます。

筆者がかつて15年ほど住んだマンションのお隣さんは、最後は80歳過ぎになられていました。お一人だったので、いつも寂しそうにしていたと家内は語っていました。

最近、中堅のあるマンションデベロッパーが「シニア専用マンション」を多数手掛けていることに気付きました。いわゆる老人ホームではなく、普通の分譲マンションをシニアのニーズに応える付帯施設とサービス体制で販売するというものです。

宣伝文句によれば、「コンシェルジュサービスと医療サービス、介護サービスという充実のサービスを整えています。各サービスは、それぞれの分野に精通したスタッフが従事。すべてのスタッフが、皆様の健康状態などの情報を共有し、各分野での連携を図りながら、きめ細かく手厚いサービスを提供します」とあります。

筆者のイメージに、このようなシニアを隔離するような専用マンションの形態はありません。筆者もいずれは後期高齢者の仲間入りをすることは間違いないのですが、そのときが来ても「同病相憐れむ」のように群れに加わるのは抵抗があります。若い世帯との交流は人生を楽しむうえで不可欠と思っているからです。

しかし、米国などには、元気なシニアを対象とした「リタイアメント住宅」が数多くあるのだそうです。いくつかの形態があるようですが、ひとつは個々の住宅は独立しており、タウンの中に共同で使う施設や敷地を交流の場としているシニアタウンがあると雑誌で読みました。

他人との緩やかなつながりを保ちながら、孤立や孤食を防ぐという観点では価値があると思いますし、それも選択肢にあってよいとも思いますが、個人的な希望を言うと、老若男女がひとつの世界・ひとつのコミュニティの中で生きていたい、それが自然なことと考えています。

シニアを区分した調査データが見つからないので確信はないのですが、大型マンションに住めば、シニア同士でも、または幼児を含めた多段階の年代層との交流の機会も得られるのではないか、そんなイメージを抱いています。

●修繕積立金が課題か?

マンションは、毎月の固定的なランニングコストが問題になると言われます。新築分譲時の初期設定は専有面積1㎡当たり100円でも、30年先には5倍の500円になる計画が少なくありません。

500円ということは、70㎡なら35,000円です。これに管理費が15,000円かかるとすると毎月黙って50,000円の出費となるのです。

一戸建てなら、この費用がゼロです。おまけに自家用車を買っても駐車料金は一切かかりません。

だからマンションは損かというと、そうとは言えないと思います。一戸建てでは得られない有形・無形のメリットがマンションにはあるからです。

しかし、管理費等のコストは少ない方が良いわけですから、メリットとコストを天秤にかけて物件を選ぶほかないのかもしれません。

●人生90年時代の老後資金を生むマイホーム選び

老後の生活資金を年金で賄える時代ではなくなるかもしれないという論調の報道には、もはや驚かない昨今です。

生産人口が減って、高齢者を支え切れないのですから、今後は年金受給年齢が遅くなったり、受給額を減らされたりするのは確実と言われます。

国民の多くが将来の生活設計に不安を感じつつ、「年金制度の崩壊」を諦め半分で受け止めているようにも感じます。

老後をどこで暮らすか、どのような形の家で暮らすか、その解が何であるにせよ、若いときに選ぶマンション(一戸建て)が資産形成に役立つものである方が良いに違いありません。

価値あるマンションの選び方に不可欠な情報と研究成果を、筆者なりに今後も発信して行こうと思います。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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