第615回 新築より高い中古と感じる人の行動心理

このブログは5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論を展開しております。資産価値を重んじる方のための購入のハウツーをお届けするもので、お気に障ることもあろうかと思いますが、満点の家はないと思っていただき、失礼はお許し下さい。

 

新築が高いので中古を探してきたが、中古も諸費用やリフォーム代などを入れると安くない、中には新築より高いと感じたので最近は再び新築に戻って探しています。このようなお便りをいただくことが少なくありません。

 

新築より中古が高いなどということはあり得ないことです。あるとしても、バブル時代のような実需に基づく売買でなく、投機的な動きが活発になったときだけです。

 

でも、中古が新築より高いと感じる人が多いのは事実なので、今日はその深層を語ろうと思います。

 

●中古は安いという固定観念がもたらす誤り

マンション探しの活動を始めるに当たって、最初から中古に向かう人も無論たくさんいますが、新築志向の強い日本人ゆえか「新築の方が、気持ちがいい」ことや、「最新の設備が付いている」こともあって、新築マンションを見る人が圧倒的に多いのです。

しかし、価格を聞いてびっくりし、もう少し安い所はないかと他の地域も当たってみたりします。それを繰り返しているうちに「自分たちには新築は無理かもしれないなあ」などと考えるようになり、中古も探すようになります。

予算から検索条件を絞り、はじめは「中古なら手が届きそうだ」と希望を再び持つのです。ところが、いくつかの中古物件を見て行くうち、新築のモデルルーム見たせいで、満足感が得られないことに気付きます。設備も旧式だし、汚れも気になる。奇麗な使い方をしているオーナーさんもないことはないけれど、トイレくらいは交換したい、できたらガスコンロとグリルも新品だといいなと思ったりします。

数を重ねるうちに、次第に欲が出ます。駅から遠い、共用部が貧弱、間取が良くないなどと、他の条件は良かったのだが、「あちら立てればこちらが立たぬ」こと、「理想と現実のギャップが大きい」ことなどに気付きます。

そのうち、かろうじて条件に合いそうなものに遭遇します。価格は予算オーバーだったが交渉次第かなと思って見学し、気に入って申し込みしたものの、売主の返事は100万円未満で予算に収まらず、断念することに。

 

このようなマンション探しの旅をして行くうちに、はじめは思った通り安いと感じたが、より良い物件をと望んで分かったことは「中古も安くない。リフォーム代と仲介手数料を入れたら新築と変わらない」という印象を持ってしまった人も少なくないのです。

中古が新築並みだと感じるのは当然とも言えます。中古だから新築より安いだろうという先入観があるためです。ところが、優良な中古は新築と変わらないどころか、新築より高い(と感じる)物件も事実あるので話は厄介です。

 

●比較する対象の新築物件が問題

新築並みに高い中古、それは新築より劣るものは築年数を除くと何ひとつないからです。とりわけ、立地条件が良い。これが理由です

最近数年の市場に対する当職の感想は「新築はろくなものがない」ことです。 築年数10年以上の中古の方が、新築より良いものが多いのです。資産性が高い・低いは、新築か中古かで決まるものではありません。

100で買った新築が10年後に80に下がり、築20年の優良中古を80で買ったら10年後の築30年時点で80のままということが市場では普通にあります。つまり、それぞれの個別要因(条件)が全く違った結果を生むのです。

マンション(不動産)は十把一からげにして語ることはできません。「安い新築は、駅から遠く、高い中古は駅に近い」、「安い中古は幹線道路に面しているが高い中古は大きな公園の前にある」、「安い新築は付帯施設が全くなく、高い中古は付帯施設も豊富である」、「安い新築は建物全体のグレードが低く、高い中古は高級マンション」、「安い中古は規模が小さく存在感に欠けるが、高い中古は規模が大きく風格がある」といったふうに物件価値がそもそも違うのです。

 

単純に坪単価をはじいて比較したり、諸費用や税金の計算などまで細かく計算したりして比較することを否定はしませんが、立地+建物+管理までのトータル価値の比較が先です。

 

新築の中には、付加価値が高く立派な物件も無論ありますし、特定の中古と比べたら圧倒的に中古を凌駕する物件ということになるでしょう。付加価値は、マンションの建物内部だけでなく、敷地のオープンスペースまでを含むものですから、大規模物件ならほとんどの中古を上回るかもしれません。

 

しかし、そのような価値ある新築物件は極めて稀で、大規模な敷地は郊外ならいざ知らず、都心・準都心にはないので、期待できるのは再開発だけと言って過言ではありません。

ところが、大規模再開発プロジェクト(オフィスビルやホテル、店舗などとの複合開発)も、マンションだけの再開発でも何十人と地権者が多いために協議を整えて契約に至るまでに長い時間がかかり、利害調整のために土地価格も上昇してしまうものです。

つまり、物件価値は確かに高く魅力的ではあるものの、価格は異様に高いという結果になります。「こんなに高いとは思わなかった。買えない・諦める」という人が続出するのです。「こんなことなら、あのとき検討した中古を買えばよかった。今思えば安かった」と、述懐する人も少なくないのです。

●新築より価格が高い中古。それは価値ある証拠だ

賢明な読者にはご理解いただけたことと思いますが、中古マンションは欲しい人があって値が付くものです。高い値が付くなら、その中古は価値があるのです。反対に、安い中古は何かしら問題があるはずです。

新築も同様です。安い新築は安い理由があります。ところが、高い新築は多くの場合、その価値以上の高値が設定されていることが多いのです

 

新築にせよ中古にせよ、大事なことは「正味の価値を判断する目」です。ただ、総じて今の新築はろくなものがないのです。見た目の設備だけは良いものの、間取が悪かったりしますし、コストカットの工夫が随所に見られたりします。最も強く感じるのは、場所が悪いという点です。

(こちらの記事に詳しく書きました。https://www.e-mansion.co.jp/blog/archives/9733/

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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