第620回 中古マンションの価格。依然上昇中

この記事は本日2本目の投稿です。

東日本不動産流通機構は2017年度(4月~3月)の市場データを発表しました。

それによると、首都圏の成約件数は前年割れが7か月もあり、年間で37,172件、前年度比0.7%減となったそうです。この件数は、新築の契約戸数とほぼ同数です。

 

筆者の注目点は、この「同数」という点にあります。よくマスコミは日本の中古取引は諸外国に比べて極端に少ない(新築が80%以上)という国土交通省のデータを引き合いに出して「中古住宅の取引を増やす策」を取り上げますが、これは全国の全ての住宅売買、すなわち一戸建ても含めてのことであり、マンションに限ると実はそうでないということが上記データから伺えます。

 

少なくとも首都圏に限れば、中古マンションの取引は新築に並ぶレベルになっていることが証明されたのです。もっとも、新築の供給が減ってしまったことが相対的に中古の地位を上げたということでもあるのですが・・・

 

中古の取引がやや停滞気味になったとはいえ、依然として価格は上昇傾向にあることも分かりました。中古マンションの成約価格(単価)は、3月で63か月(5年以上)連続上昇中となったからです。前年同月比では+5.7%になった模様で、これは新築の+8.3%(暦年)よりは低いレベルでした。

 

一方、高い相場に気を良くしたオーナーの中には、今のうちに売ろうと考える人も増えているようで、売り出し戸数(新規登録件数)が増えています。このため、在庫が積み上がっているようです。3月末の在庫件数は前年同月比7.8%増の46,240戸となったからです。

 

不動産流通機構の分析では、この在庫の増加を危険信号としています。つまり、そろそろ潮目は変わると見ているのです。中古も価格は上がり過ぎた。そういうことかもしれません。当然、取引も低調になることを心配し出したということでしょう。

 

・・・・・この記事はここまでです。ご購読ありがとうございました。第619回の記事も同日の投稿です。ご高覧いただければ幸甚です。

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