第627回 値下がりしやすいマンション
- 2018.05.10
- マンションの資産価値
このブログは5日おき(5、10、15・・・)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
どんなマンションがリセールでマイナスなのか、売りにくいのか、価格に下方圧力がかかりやすいのか、その注意点を整理してみました。
ご注意いただきたいのは、それぞれの条件が価格に与える影響度には幅があること、どんな物件も、これらの条件のどれかひとつくらいは当てはまるものであること、言わずもがな、ひとつでも当てはまる物件は買わない方がいいということではありません。
●立地条件が良くない・・・最も影響度が高い項目です
・駅から遠い(10分以上かかる)・・・理想は5分。妥協しても7分。
・駅から遠い(バス利用)・・・相場が大きく上昇したときですらバス物件はおいてきぼり
・高速道路の際に建つ・・・快適な生活ができるとは言えない
・線路際に建つ・・・高速道路よりましなのは、深夜は走らないことだ
・急行や快速電車が止まらない郊外・・・通勤の便が悪い
・飲食店の数が少ない・・・外食したいがいつも同じ店になり飽きてしまう。楽しくない
・川を越える・・・〇〇川の手前がいいと考える人は少なくない。アドレスも変わるものだ
・東京都心からの絶対距離が長い・・・深夜タクシーで帰ることもある人は距離が問題
・都心に出るには乗り換え必須の駅・・・乗り換えなしの通勤がいい
・ネオン街に近い・・・良い環境とは言えない。女性は怖がる
・底地・谷地・窪地に建っている・・・好まれない
・崖地に建つ・・・不安を感じる
・駅からのアプローチがフラットでない・・・勾配が大き過ぎると敬遠される
・斎場や工場、マル暴事務所などの嫌悪施設がそばにある・・・好む人はいない
・道幅が狭い・ガードレールもない道・・・狭いと歩きにくい・車が危険。開放感に乏しい
●建物品質(全体計画)・・・次に重要な項目
・規模が小さ過ぎる・・・周囲の街並みに埋もれてしまう
・ペンシル状の外観である・・・細すぎて貧相に見える
・エントランスホールが貧弱・グレード感がない・・・床材がタイルだけとか
・外観デザインに個性がない・・・工夫したつもりでも平凡な外観
・外観がシンプル過ぎる・・・コストダウンのための没個性形
・外観が格好良くない・・・気に入らない。そういう人も多い
・外観が賃貸アパートみたい・・・高い買い物なのに
・外廊下の手すりがコンクリート立ち上げでなくアルミ手すりである・・・安物の印象
・エントランスホールにロビーもラウンジもない・・・エレベーターに向かう通路だけ
・エントランスホールにモニュメントがない・・・大きな壁画や壁飾りもない
・エントランスの天井高が低い・・・豪華さが足りない
・内廊下式の建物で、廊下幅が狭い・・・ホテルライクというキャッチフレーズに注意
・エントランスに車寄せがない・・・雨の日、タクシーで帰宅。買い物袋を提げている
・外壁のタイル張りマンションで、吹き付け部分が多い・・・タイル張り面積は僅かである
・階段が鉄骨である・・・たまに使うだけだが、大きな足音が響く
・エレベーターの基数が少ない・・・70戸未満に1基が理想
・店舗付きマンションで、飲食店が入居している・・・ゴキブリに襲われる・臭気も問題
・ワンルーム混在マンションである・・・賃借人の多くが若者である。モラルが問題に
・緑地面積が少なすぎる・・・殺風景である。目に優しくない
・中高木の植栽がない・・・低木や草花だけでは足りない
・駐車場の数が少な過ぎる・・・「自分は車を使わないからいい」ではいけない
・共用施設が何もない・・・無駄なものではないのである。「自分は使わない」としても
●建物品質(間取り)
・専有面積が狭い・・・狭いよりは広い方がいい
・眺望が良くない・・・バルコニー(リビング)の前に壁がそびえている。不快である
・プライバシーが覗かれそうだ・・・前面のマンション・アパート等から丸見え。不快だ
・日当たりが悪い・・・職業がら日当たりは気にしない人もあるが
・玄関にアルコーブがない・・・のっぺり顔よりは彫の深い顔立ちがいい
・エアコンの室外機を奇麗に収める工夫がない・・・玄関脇に無造作に置いてある
・主寝室のプライバシーに配慮がない・・・外廊下との距離が近過ぎる
・脱衣室の出入りがDK部分にある・・・家事動線的には良いとも言えるが
・リビングダイニングが広くないうえに正方形である・・・家具レイアウトが難しい
・洗濯機置き場の物入がない・・・乱雑になりやすい場所なので必須アイテムだ
・リビングの窓幅が狭い・・・開放感に乏しい
・子供部屋が暗い・・・照明があればいい。そうだろうか
・バルコニーが狭い・・・洗濯物が干しきれない
・玄関収納が小さい・・・女系家族は靴の数が多い
・主寝室の壁に押し付けないとWベッドが収まらない・・・両脇40cm空けるのが基本
・玄関ホールの幅が廊下と同じ・・・幅広いホール。その先にくびれた廊下:これが基本形
・柱が室内に大きく張り出している・・・専有面積が同じでも正味(内法面積)は狭くなる
・床がコンクリート直貼りである・・・間仕切り変更リフォームが困難
・天井が2500ミリ未満である・・・いまどきのマンションの最低基準は2500以上だ
・納戸がない・・・物が増えがちな家。納戸は必須アイテムだ
・バリアフリーになっていない・・・いまどきの家は当然だが古いマンションは?
・奇抜すぎる壁紙・・・病院色よりはカラフルでいいが、何事もやりすぎは禁物
・奇抜すぎる変形間取り・・・売却には不利である
・狭い(独立キッチン)・・・女性が最も注目するスペース
・ルーフテラス付きの住戸で、またぎ高が60センチもある窓・・・使えない
・下がり天井が目立つ(圧迫感が強い)部屋・・・背の高い買い手は敬遠・買う気をなくす
・斜め柱が圧迫している部屋・・・天井が斜めにカットされた家。斜め部分の高さが問題
・専用庭+テラス面積が大きくない1階住戸・・・2階から上の部屋にない魅力と言えるか?
・地下住戸・半地下住戸・・・とても売りづらい。分譲時も安いが売却時は一段と安く
●建物品質(室内設備)
・ディスポーザーがない・・・定番設備になりつつある。後付けができない
・食器洗浄乾燥機がない・・・人気アイテムのひとつである
・トイレに手洗いカウンターがない・・・「タンクの上部で手洗い」はもう古い
・洗面化粧台が狭い・・・横幅が750、900ミリでは寂しい
・調理台の幅が狭い・・・キッチンのワイドは2700ミリ以上ないとね
・パントリー(食品庫)がない・・・キッチンは何しろ物が多い
・床暖房がない・・・もはや必須アイテムだ
・玄関に自動点灯装置がない・・・玄関を開けてスイッチの位置を手さぐりなんて
・エアコンのパイプが露出している…美観を損ねる。恰好よくない
・浴槽のふたが巻き込みタイプ(蛇腹型)である・・・賃貸アパートと同じ
・浴室のランドリーパイプが1本しかない・・・足りない
・浴室のシャワーフックがひとつしかない・・・上下スライド式が普通だ
・ドアキャッチャーが1か所しかない・・・風でドアがばたんと閉まる
・バルコニーにスロップシンクがない・・・物干し竿を拭いたり、運動靴を洗ったり重宝
●売主・施工会社・管理体制など
・有名業者でない・・・何となく心配である。経験は圧倒的に少ない
・有名ゼネコンでない・・・歴史の長い企業の多い業界だが、マンション施工の経験不足も
・巡回管理・・・番人たりえない
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最後にもう一度お断りしておきます。パーフェクト物件はありえませんが、妥協していいものも含めて選びました。
朱書きした項目は特に重要な部分です。
・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。
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