第707回 「管理が重要」と言われてピンと来る人は少ないようだ



このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。

小型マンションと大型マンションでは管理の仕方に明らかな違いがあります。

 大型マンション(概ね100戸以上の規模)は、管理が良いと見て間違いはないのですが、注意しなければならないのは100戸未満のマンションです。

 「マンションは管理を(見て)買え」と昔から言われて来ました。しかしながら、「管理が良い・悪い」を的確に説明できる人は少なく、気にもせずに管理が問題になりそうな「小型マンション」を平気で選んでしまう人も多いようです。

 

今日は、マンション管理の重要性についての話です。

 

●管理会社から見ると「小型マンション」は効率が悪い

管理会社における事業戦略上の傾向として、売上や利益率が低い小規模マンションは積極的な解約(管理委託契約の更新拒絶、または委託費の大幅な値上げ要請)をしている という噂を聞いたことがあります。

 

小規模マンションの管理組合の総会議案書を読む機会がときどきありますが、その中に人件費の高騰を理由とした「管理会社からの管理委託費値上げ議案」に触れることがあります。

 

また、管理会社に契約更新を拒絶されるマンションもあると聞きます。その理由を調べると、単に管理委託費が安くて儲からない、という表面上の利益面だけではないことがわかります。

 「特殊な区分所有者」の存在が管理委託費には表れないコストを押し上げるのだそうです。

 

1)モンスター区分所有者からの執拗なクレームに時間を取られる
2)検討課題がないのに過剰な頻度の理事会を開催し中身のない議論を繰り返す理事会に付き合わされる
3)居住者間の不毛なトラブル仲裁に駆り出される

 

といった問題で担当係員が多くの時間を取られ、あるいは精神的に疲弊し、最終的に退職に追い込まれるのだといいます。このため、人件費やスタッフ採用・研修コストを押し上げる、ということを聞いたことがあります。

 

 大規模マンションのようなスケールメリットがない上に想定以上の労力を費やす小規模マンションは、管理会社からの解約要請の対象となるのでしょうか。

 

●管理費が割高になる小型マンション

筆者は、かつて30戸あるかなしの小型マンションに長く経験を持ちます。また、一時期は大規模マンションに住んでいました。世田谷区と渋谷区の違いはありますが、どちらも管理がよいとされたマンションで、管理費はどちらも高いものでした。

 

世田谷区のマンションは、朝8時から夕方6時まで管理人さんが日曜日を除いて勤務していました。管理人さんの月給を30万円とすれば、1住戸当たり1万円負担していた計算になるので、管理費は1軒当たり月額3万円以上、広い面積の住戸が多いマンションだったので、4万円以上の負担を求められた住戸も少なくありませんでした。

修繕積立金との合計では、確か平均4万5千円以上だったのです。

 

渋谷区のマンションは、大型のタワーマンションでしたから、管理人は複数、コンシェルジュも勤務していましたし、24時間警備だったので、それなりに高い管理費でししたが、それでもスケールメリットがあって、管理費は2万5千円ほどでした。

 

小規模マンションに住んで「良かった」点は、家族が管理人さんと仲良しになれたことでした。具体的な内容をここで開陳するのはやめますが、直前に住んでいた100戸規模のマンションでは、不幸にも顔を見知っているというだけで心を通わすことがなかったのと対照的でした。

 

渋谷区のマンションでは、感じのよいコンシェルジュ女史が、入居者の数が多かったせいで、名前までは憶えてくれていなかったと家族は物足りなさを口にしました。我が家の家族は、管理人さんと心を通わせることを期待していた節があります。

 

筆者は、わけあって今は一戸建てに住んでいますが、いずれはマンション暮らしに戻ることになるはずです。今度はどんなマンションを望むことになるのでしょうか?

 

管理費が割高になっても、管理人さんが「巡回でない」マンションが我が家の絶対条件になるだろうことは確かです。

 

●金なし・危機感なしで危険が一杯の小型マンション

「金なし」「連携なし」「危機感なし」・・・小規模マンションで皆が無関心なマンションだったら致命傷です。そう語る人がいます。 

小規模マンションの管理組合では、居住者間のチームワークの良し悪しが「住み心地や資産価値」の維持向上に大きく影響するのではないか、そんな気がします。

マンションの価値を長く維持して行くためには、所有者が積極的に管理にかかわらないとダメなのだと管理会社に勤めていた知人もそう語ります。

 植木が伸び放題で見苦しく、1・2階の日当たりが悪くなっても管理会社は何もしない。さっそく植木屋を入れて、外観、住み心地とも良くさせたが、料金は管理運営費の一部で特別には必要としなかった。所有者として自分の財産を劣化させないための監視が必要なのだと語る人がいます。

マンションは管理の良し悪しで10年を超えたあたりから物件格差が広がります。そう語る知人がありました。定期的な清掃をしていれば、築5年も10年も殆ど差がないが、10年を超えたあたりから、汚れも痛みも目立って来るのだ。15年も経過すると、大規模修繕の終わったばかりの「ピカピカ」のマンションと「薄汚れた」マンションという差が出てしまうと語り舞う。

後者のマンションは、高値では売れないことになります。

資産価値を維持するには、日々の清掃や手入れを欠かさないことに加えて「交換」や「塗り替え」などが必須です。当然ながら費用がかかるので、管理組合としての貯蓄が必須です。残高が少なければ、修補箇所を端折るか先延ばしすることが必須になります。

足りない資金は借入を起こすか臨時徴収を決議するかになります。しかし、合意形成ができない管理組合も少なくないのだそうです。「最初からゆとりある貯蓄をしておればよかった」と言っても後の祭りです。

管理費も修繕積立金も毎月のことなので、安いに越したことはありませんが、修繕積立金は管理組合の財産としての蓄えです。ケチったら後々しっぺ返しを受けるのです。毎月、あと5000円を惜しまなければ年間に6万円、10年で60万円でも、100戸なら6000万円も多く積み上がるのです。

財政が豊かなマンションほど、何を決めるにしても合意形成がしやすく、必要な改修費を惜しまないので、結果的に資産価値の維持または向上、引いては売却価格にじわりと効いて来る。筆者は、そう信じています。

小型マンションは、管理人を長い時間駐在させると管理費が上がってしかたないという主張は分かるのですが、せめて修繕積立金の方は余裕を持たせたいものです。

どちらも高くないマンションは長い目で見ると危険です。管理費も修繕積立金も安く設定された「小規模」マンションを買ってはならない。そう信じます。

 

●管理が良いかどうかの見分け方は?

管理業務を細かくチェックするのは難しいので、中古マンションを見学するときの重要なチェックポイントを整理しておきましょう。

 

マンション管理と言えば、清掃や整理・整頓などの日常の管理も大事ですが、それだけでは不十分です。そう、大規模修繕を実施して行くことが必須です。しかし、その範囲が実は問題なのです。

 

大規模修繕は目安として築後12年、24年、36年というインターバルで実施していくものとされますが、これは法定ではありません。最初が15年目などという例も少なくないのです。ともあれ、実施するのときの対象範囲がどこまでか、そこに問題が隠れているようです。

 

日本人の寿命はやがて90歳になります。ここまで延びたのは、医療技術や医療体制、個人の健康意識の高まりにあると言われます。とはいえ、病気を治すだけでは加齢を防げないように、血管年齢を若く保ち、骨密度と筋肉量を維持するためのケアや運動を継続するということが必要と聞きます。

 

最近のマンションは生まれたときから長寿命の体になっているので、きっと人間の寿命くらいは生き延びるはずです。つまり、周期的な大規模修繕を行って行けば、百年くらいまで長生きできるのは間違いありませんし、管理意識の高まりが長寿命を実現させるはずです。

 

つまり、どのマンションも普通に管理し、普通に手入れして行けば心配はないという結論になるのです。

 

筆者ここでが語りたいことは、寿命を縮めないようにするにはどうするかなどという読者が既に知っている、分かり切った内容ではありません。「年を感じさせないマンションの条件」についてお伝えしたいのです。

 

大病をしたことのない人でも、年を取ると体力の衰えは隠しようがありません。いえ、体力だけではありません。見た目の衰えも着実にやってきます。

 

日ごろから体を鍛え、ケアも怠らないアスリートも、年齢を重ね、やがては引退を決断する時が来ます。サッカー選手の三浦知良さんのように50歳を超えて現役という、とんでもない人もいますし、昨年まで大リーグで活躍していたイチロー選手のような高齢のアスリートも世界には数多く存在します。

 

アスリート以外では、82歳で若大将そのままの加山雄三さん、現役の舞台俳優では仲代達也さんや草笛光子さんなど元気老人がたくさん見られます。一般人でも、年齢を感じさせない若々しい人が少なくないようです。

 

しかし、このような人たちもいつか引退するときが来ます。

 

マンションの寿命も飛躍的に伸びて行くかもしれませんが、見た目の美しさを保っていくことは可能でしょうか?専門家の診断を受け、悪い所は大手術を施して新築同様にすることは可能です。弱った心臓も、機能が低下した腎臓も、血流が悪くなった血管も全て交換するような、人間では困難なことも建築では可能です。

 

従って、部分的には60歳のマンションも0歳に若返らせることが理論上は可能です。しかし、建て替えない限り、全部を新築のようにすることは不可能です。

 

市場に流通している中古マンションは、5歳か50歳くらいまであります。当然、新築同様に美しく最先端の設備を装備し、素のままで買い手を待つものから、古着を身にまとい、レトロな雰囲気を漂わせたものまで幅は広いのです。

 

その中から選択するのは容易なことではありません。いくつもの検討物件の中から最後に選んだのが築30年を超えるかどうかといったマンションであるとき、買い手はきっと悩むに違いありません。

 

買い手の多くは管理状態を見るはずですが、築15年か20年くらいまでは管理による差異は、少なくとも表面的にはできにくいものです。極端な言い方ですが、若いうちは特別な手入れをしなくても、素のままで十分に奇麗なのです。格差が表れるのは、20年を超えてから。筆者はそう思います。

 

金属でも長年の使用によって金属疲労を起こし破損しますし、コンクリートも長い間には亀裂を生じ、鉄筋は錆びてボロボロになります。塗装はいつか剥がれ、日焼けした後の人間の皮膚のような状態になるのです。

 

しわのない老人はいませんし、男なら大抵髪が薄くなったり白くなったりします。それと同じです。

 

買ったマンションが築25年であっても、美しく、かつ大規模修繕も行われたばかりで、屋根も外壁も雨漏りの心配もないマンションは少なくありません。ほとんどのマンションが維持管理を放棄したまま25年を経たなどということはないからです。24年目には大規模修繕(屋上の防水や壁面の補修など)も実施していることでしょうから、何事もなく25歳の誕生日を迎えたはずです。

 

しかし、そのマンションを15年後に売りに出したときの姿はどうでしょうか?築40年になっているのです。人間に例えれば壮年です。ところが、物件によっては「くたびれた」印象を放っているかもしれません。

 

そのころには、2回目か3回目の大規模修繕が終わり、エレベーターなども新品に交換されているかもしれませんが、問題は見た目です。

 

管理の対象となる共用部分の手入れを適切に行って来たマンションでも、経年劣化は防げないのです。早く言えば、床や壁、天井の古さ、清掃しても取り切れない汚れが建物を醜く変えて行きます。つまり、「見映え」が悪いのです。

 

深いしわのある顔も年輪として美しく見えないこともないですが、そうでない人もたくさんいます。しかし、叶うことなら「外形的な若返り」を望んでいる人は多いはずです。

 

マンションも、そのレトロ感を「味があっていい」とされるものもありますが、多くの場合、歓迎されない醜さをさらけ出しているものも多いのです。どうやったら、外形的な美観を保てるのでしょうか?

 

簡単です。人間ではできないことがマンションなら可能です。マンションの場合は、皮膚を取り換え、髪を植え換えればいいのです。これを「美容整形」と言いましょう。

 

しかし、多くのマンションが「美容整形手術」をしないのです。正確には改修工事を中途半端に留めていると言うべきですが、このために経年劣化は避けられず、築30年・築40年マンションが新築のように蘇えることはありません。

 

管理組合の財政の問題でもあるのですが、美容整形に対する意識がまだ高まっていないのでしょう。今後の課題です。

 

●管理の質が差を表すのは築20年以降だ!

買ったばかりのマンションも、やがては風雨にさらされて汚れ、時々やって来る地震に揺さぶられて傷つきます。また、使用者が汚し、傷をつける、ルールを守らない住民が増えて秩序の良くない住宅になって行く。こうした現象はすべてのマンションで起きる可能性があります。

 

しかし、住民たち(管理組合)から委託を受けた管理会社と管理人によって「経年劣化」のスピードを遅くするための努力が行われます。

 

清掃・整理・整頓・修繕をこまめに実施することで、劣化を防ぐわけです。その結果、マンションの寿命は、50年、60年と続きます。

 

日本でコンクリート住宅が誕生してから80年くらい経っていますが、分譲マンションとしての歴史は50年余で、今も使用されています。しかし、かなり「くたびれている」印象を持ちます。

 

人間に例えると車椅子の生活を強いられている感じです。しわもシミも増えて、見た目はすっかり変わり果ててしまいました。時々入院したり、掛かりつけの医師に往診に来てもらったりする必要もあります。

 

マンションの寿命は人間の寿命より短い、そんな気もします。建て替えが難しいマンション。朽ち果てる一歩手前まで住み続けるか、逃げ出すしかないのかもしれません。

 

日本では人口減少と高齢化社会が着実に進んでいます。すでに空き家の増加が社会問題化していますが、住宅戸数は随分前から世帯数を超えていました。戦後の焼野原から再出発した日本では、雨露をしのぐための住宅建設が焦眉の急でしたが、数だけなら目標は達成していたのです。

 

20年も前から、量より質へ国の方針も変わりました。箱だけでよかったマンションは、「より快適な家」へ、便利な設備や高い天井、広いバルコニー、DKからリビングルーム中心の間取り、そして長寿命のマンションへと進化してきたのです。

 

しかしながら、優れたマンションも手入れを怠れば確実に劣化・老化します。それを食い止める(劣化・老化のスピードを遅くする)維持管理こそが文字通り生命線になっています。

 

「マンションは管理が大事」とか、「マンションは管理を見て買え」は、もはや死語に近いほど言い尽くされてきた格言なのですが、どこまで浸透しているかは疑問を禁じえません。

 

資産価値を極力長く保つことができるマンションかどうか、購入の重要ポイントに「維持管理」を改めて重視するべきなのではないか。最近は特に強く感じています。そのきっかけは、ご相談者からのお便りでした。次のような例が増えているのです。

 

●繕積立金が不足に陥っているマンション続々!!

(事例1)・・・自宅マンションの問題点は、修繕積立金の少なさです。築22年を超えていますが、このほど再来年度の大規模修繕に向け調査したところ、積立金残高5000万円に対し、大規模修繕に必要な費用は約6500万円と、1500万円の不足が見込まれています。

 

原因は東日本大震災以降に起きた工事費の高謄にもありますし、もともと積立金の額が少ないマンションだったのです。管理組合は1年半のあいだ修繕積立金の1戸平均7500円から一気に4倍強の31,000円に増額し、不足分を埋める決議をしました。一時しのぎの対策となってしまいました。3年後からの修繕積立金は改めて決めるとし、現在未定です。

 

(事例2)・・・中古を5年前に買って住んでいます。少しお金をかけてリフォームをしたので、設備に不満はありません。騒音トラブルもなく、快適なマンションライフを送っています。ただ、懸念点は管理組合がダメなことです。修繕費があきらかに不足しており、次回の大規模修繕ができない、そのための修繕費値上げも検討されていないのです。築年数が経過すると売却できないリスクを感じます。いまが売り逃げ時かと悩んでいます。

 

●年齢をごまかせないときが必ずやって来る

人間でも同じですが、大病をしたことのない人でも年を取ると体力の衰えは隠しようがありません。いえ、体力だけではありません。見た目の衰えも着実にやってきます。

 

日ごろから体を鍛え、ケアも怠らないアスリートも、年齢を重ね、やがては引退を決断する時が来ます。

 

日本人の寿命が90歳に近づいている今、マンションの寿命も大きな関心を集める時代がすぐそこに来ています。新築マンションの開発・供給が大きく減っている今、そして将来、これからマンションを買おうという人の過半は「中古を選択する」ことになってきますが、そのとき対象マンションの未来を見分ける目がカギを握ることになる。このことに、どれだけの人たちが気付いているのでしょう。

 

市場に流通している中古マンションは、5歳から45歳くらいまであります。当然、新築同様に美しく最先端の設備を装備し、素のままで買い手を待つものから、古着を身にまとい、レトロな雰囲気を漂わせたものまで幅は広いのです。その中から選択するのは容易なことではありません。いくつもの検討物件の中から最後に選んだのが築30年を超えるかどうかといったマンションであるとき、買い手はきっと悩むに違いありません。

 

買い手の多くは管理状態を見るはずですが、築20年くらいまでは管理姿勢による差異は、少なくとも表面的にはできにくいものです。極端な言い方ですが、若いうちは特別な手入れをしなくても、素のままで十分に奇麗なのです。格差が表れるのは、20年を超えてから。筆者はそう思います。

 

金属でも長年の使用によって疲労を起こし、破損しますし、コンクリートも長い間には亀裂を生じるのです。鉄は錆びてボロボロになります。塗装はいつか剥がれ、日焼けした後の皮膚のような状態になるのです。

 

こうした経年劣化を放置すれば、マンションも寿命は40年で尽きることでしょう。

 

ほとんどのマンションが維持管理を放棄したまま20年を経たなどということはありません。12~14年頃には大規模修繕(屋上の防水や壁面の補修など)も実施していることでしょうから、何事もなく20歳の誕生日を迎えるはずです。

 

問題はここからです。女性は肌の手入れを20歳くらいから意識すると聞きますが、マンションも同じではないかと思うのです。マンションで肌に相当するのは、壁や床、天井ですが、管理の対象となる共用部分の手入れを適切に行わなければ、「見映え」だけではなく、内部にガンを発症させてしまうかもしれません。ガンに気付いたときは既に末期で手の施しようがないなどと診断されてしまうかもしれません。

 

建物の劣化状態をお医者さんのように診断してくれる専門機関は存在しますが、厄介なのは、マンションの場合、購入者またはこれから売り出そうというオーナーが単独で診断を依頼することができないことです。管理組合からの発注を働きかけ、診断書を取得してから購入するなどというのは現実的ではありません。

 

管理組合ごとに維持管理に関する「性能」を判定してもらうよう義務付ける制度ができたらいいですが、それによってマンションの格付けをされてしまうことに猛烈な反対運動が起こるに違いなく、こちらも実現性は低いでしょう。

 

最近、中おマンション検討者のお便りに、「管理状態は良さそうだ」という感想を添えられて来ることも多いのですが、20歳を超えたマンションの場合は、それまでのメンテナンスの軌跡を辿るとともに、積立金残高のチェック(1戸当たり)、長期修繕計画書のチェックなどとともに、「管理組合総会議事録」の読み込みをお勧めしています。

 

結構な労力が必要ですが、長く快適に住むために、または資産価値が極力下がらないようにしたいならば、避けて通れない作業です。

 

見た目がきれいだったので。大丈夫と思ったが結局は後悔することになった、専有部分の美しさ(リノベーション物件)に惚れて衝動的に買ってしまい後悔している。そんなことにならないよう、転ばぬ先の杖として「維持管理を読む目」を持たれるよう、心から進言したいと思います。

 

●財政基盤がカギを握る

古くなっても資産価値が下がりにくいマンションかどうかを分けるのは、メンテナンスを適切に、継続的に実施して来たかどうかにあるのですが、それはトドのつまり、管理組合の財政が潤沢かどうかによります。

 

財務状況が逼迫していれば、やりたいことができないわけです。足らなければ計画を見直して毎月の積立金を上げるとか、一時金の徴収を実行しなければなりません。その合意を得るのに時間がかかるとか反対者が多く実行ができなければ、改修工事はできないとか大幅に遅延したりします。

 

それが何を意味するかは言うまでもないでしょう。

 

●最後に!!「管理費・積立金が高いくらいのマンションがいい」

管理費や修繕積立金の多寡をチェックする「購入検討者」が増えている気がします。とても良いことです。しかし、管理費・修繕積立金が高いから購入をためらう人が多いことに違和感を覚えます。

 

なぜなら、「それくらいなら許容範囲」という鷹揚さがないからです。いくら以上なら高過ぎると言えるのか、その基準は一概に言えない難しさがありますが、標準は20000円として、30,000円は1万円も高いと言えますが、年間に12万円、10年なら120万円にもなるのは確かです。

 

しかし、管理の良いマンションなら120万円どころか300万円も高く売れると信じられるとしたらいかがでしょうか?管理の良し悪しが、資産価値の維持に大きく貢献するのは間違いありません。

 

マンション購入において、「管理費・修繕積立金は高いくらいが良い」と覚えておかれてはいかがでしょうか? 「管理費・修繕積立金が安いマンションは避けておいた方が良い」のです。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「対面相談」もご利用ください。お申込みはこちらからhttp://www.syuppanservice.com

 

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