第728回 「マンションは10年、長くて15年で買い替えるもの」



このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。

今日は、マンションは買い替え前提で選びましょう。そんな話題です。

初めてマンションを買う人でも、なぜか「70㎡・3LDK」と決まり文句のように希望条件を口にします。

これを金科玉条のように唱える人に出会うとき、必ず提案することがあります。それは「60㎡を目安にしましょう」です。

 

●一生住むためのマンションを選ぶ必要はない

マンション購入の動機は個人によって様々ですが、共通しているのは「家賃がばかばかしいから」というものです。 どんなマンションを買っても、一定の資産を保有することになりますが、賃貸マンション暮らしを続けていては何も残りません。

借家暮らしのメリットは、住む場所を気ままに変えることができる「たやすさ」だけと言って過言ではありません。

 

他方、マンションを買うというのは、自分の財産を作ることでもあります。 だからこそ、価値あるものを持ちたいと考えるのは自然なことです。換金価値が高ければ高いほど、人生を豊かにしてくれるはずですし、いざという時に頼りになるからです。

 

筆者は、投資家ではありませんが、たまたまのご縁でいくつかのマンションを持つことができました。そのおかげで、先行きの人生に不安は少なく、日々を快適に送ることができていると思っています。

 

人生90年時代が来てしまいましたが、健康な筆者も、いつか誰かのお世話になりながら、ひょっとしたら公的な介護を受けながらの生活が待っているのかもしれません。

 

「老後2000万円問題」が一時マスコミを賑わせましたが、私たちは定年時、あるいは定年後10年あたりの時点で、資産がどれくらいあれば残りの人生を家族に心配や迷惑を掛けずにすむのでしょうか?

 

そんなことを考えると、貯蓄以外に、知らぬ間に増えてくれたり、知らぬ間に残ってくれたりする財産を持つことは意義があるのだと思います。その意味で、自宅マンションは、選ぶものを間違わない限り、自分でも気づかぬ間に資産形成に役立つものだと、筆者は考えます。

 

マンションは、自分が住んでいる限り経済的な恩恵を目に見える形でもたらすわけではありませんが、売却すれば思わぬ多額の現金を手にすることが可能です。

 

家を売ってしまえば、住む家はどうするのかという疑問を持つ向きもあるかと思いますが、住宅ローンの金利がただみたいに低い近年、家賃のつもりで払った住宅ローンはいつの間にか残債が大きく減って、売却時には多額の現金を手にすることができるので、老後問題解消の役に立ちますし、新たな家を買い直すこともできるのです。

 

というより、計画的な買い替え行動こそが資産形成に役立つのです。若いころは所得も少ないはずですから、コンパクトな家であったり、中古マンションであったりということになるでしょうが、やがて家族が増えたり、子供の通学先の問題などから、よりふさわしい家を求めなければならないときが必ず来ます。

 

つまり、初めから永住のためのマンションを買うという必然はないのです。買い替えたくなる時がやって来る。そう考えて間違いはないはずです。とするなら、長く住む前提で家を選ぶ必要はないと言って過言ではありません。

 

●10年、長くても15年住む・・・マンション選びの割り切り方

このように割り切ると選択肢は大幅に広がります。

若い家族の場合、子供はまだか、あっても1人だけという場合が多いはずです。筆者へのご相談で最も多いケースです。二人目のご予定はと聞くと、多くは「まだ考えていない」と帰って来ます。

 

このような若いカップルにとって、20年、30年先までのビジョンは必ずしも明確ではないはずです。としたら、当面10年か長くて15年程度の居住を前提として選択すればいいのではないでしょうか?

 

深く考えずに「なんとなく70㎡」、「なんとなく3LDK」とイメージしてしまう人が多いようですが、実はここが大事です。

10年か15年住むだけだから60㎡で十分」と考えれば、選択肢は増えてマイホーム取得を素早く実現できるはずです。

 

●マンションの価値は立地で決まる

手狭に感じるときがいずれは必ずやって来ます。また、子供の進学の必要などから、現住所が不都合になったりします。

そうして、持ち家を売る必要が発生しますが、期待以上の高値で売れるマンションは多くが好立地にあります。

 

都心か準都心で、最寄り駅から徒歩5分以内のマンションの人気は高く、古くなっても買い手探しは容易です。反対に、東京23区内にあり、比較的人気のある城西エリアでも、駅から徒歩10分以上歩かなければならないマンションの人気は低く、従って買い手を探すのに一苦労します。

 

結果的に希望価格を大幅に下げて、ようやく買い手を見つけることができるという次第です。都区内でも不人気地区があります。ピンポイントで見ると、人気エリアの中に不人気地区が点在しています・・・このような実態をマンションの価格と突合させてみると、例外なく格差が歴然としていることが分かるのです。

 

反対に、3A地区(青山・麻布・赤坂)や千代田区番町エリアなどになると、築年数に関係なく高値取引が成立していることに気付かされます。無論、人気エリアでも物件格差は大きく、同年数の物件同士を比較してみると、大差ない面積で、何と2倍もの価格差があることが分かります。1億円と5000万円の差というわけです。

 

地域内の価格差が比較的小さい地域でも、他の地域と比べてみると明らかに高値であることに気付きます。改めて立地の差は大きいと知るのです。

 

●立地条件以外の重要な要素は何?

同じような立地にあるにも関わらず、中古市場では物件格差が見事、価格差に表れています。先に2倍と言いましたが、このような差はどうして生まれるのでしょうか?いくつか例を挙げてみることにします。

 

同エリアの物件同士を比べた場合、駅からの距離で大差がないとしても、その他の面での差はあるものです。言うまでもなく、環境や眺望の差、道路騒音の差、隣接建物の緩衝度合いなどです。これらが大きな価格差になっているのです。

 

建物規模も重要な要素です。どこから見ても風格のある立派な外観のマンションの方が小ぶりのマンションより高値が付きます。同エリアでの比較をすれば、その差は鮮明です。

 

規模だけでしょうか? 大きいだけで木偶の棒(でくのぼう)では高値が付きません。「風格プラスお洒落な印象」とでも言えばお分かりいただけるでしょうか。

 

●高値で売れれば、手元資金は大きく増えるが・・・

今の低金利が続けば、毎月の返済金の大半は元本返済に充当されて行きます。仮に、変動金利を恐れて金利の高い固定型を選んだとしても、10年や15年の累積では金利払いは高が知れています。変動も固定も一定期間の差を調べてみると累積金利は大差ないのです。

 

近年は、毎月の返済金が、どんどんと元本返済に回るのですから、たとえ35年払いのローンを組んでも、15年後も経つと、40%も元本が減っていますから、ひどい安値で売らない限り、売却時の清算で手元に残る代金は結構な額です。

それを次の家の購入代金に充てるとしたら、予算は大きく膨らむことでしょう。

 

●買い替え時の住宅ローンも増やせば予算は大幅にアップする

買い替える時期が10年か15年先としたら、最初のマンション購入時に比べて様変わりしているのは、預貯金が増え、所得も増えていることです。

 

従って、新たな購入資金も大きく増えるものです。それまでの貯蓄に手をつけないと仮定しても、また、売却で手にした残金にも手をつけないとしても、所得が増えていれば住宅ローンが大きく使えるからです。

としたら、従前の住まいより広いものが買えることでしょう。もしくは、好立地のマンションが買えるかもしれません。

 

この計画を阻むものが将来出現するとしたら、金利の大幅アップです。こればかりは予想がつきませんが、所得が増えていたり、貯蓄が増えていたりすれば買い替えは可能になるはずです。

 

こういうと、大抵の人は「プラス思考ですね」などと感想をくれます。筆者はすかさず、「これは人生観です。そう考えた方が実現可能性は高い。そう信じることが成功確率を高めるのです」などと応じています。

 

●買い替えを繰り返すと、信じられないほどの資産形成が可能になる

マンションの買い替えは、信じられないほど多額の現金資産を残してくれるものです。

買ったマンションが値上がりする➡それを売った代金を使わないで貯蓄する➡2軒目のマンションはワンランク上の立地にし、ワンランク上の建物を選ぶ。このときも預貯金には手をつけない➡必要に応じて3軒目にもチャレンジする➡子供の独立を機にダウンサイジング。これによって多額の現金資産が残るので、ローンは利用しなくて済む。

 

このような買い替えは本当に可能なのでしょうか?筆者の場合は、どちらかと言えば無計画でしたが、それでもまずまずの結果を残すことができたのです。それもこれも、選んだ立地、選んだマンションが間違ってはいなかったためです。

 

筆者は友人・知人との縁に恵まれたのかもしれません。今日も大過なく1日を終えそうだと思うとき、これも家族のおかげ、友人・知人のみなさんのおかげなのだといつも心の中で手を合わせています。

 

しかし、そう言えるのも買ったマンションのおかげでもあるのです。投資目的でないマンション購入。快適な生活を送るためのマンション。売らない限り損も得もないマンションが、いつの間にかまあまあの資産を我が家に残してくれた。自分は、ただただ真面目に仕事に打ち込んできただけなのに。

 

この先、終の棲家がどこになるにしても、憂いのない終末人生を送れるかもしれない。そんな思いに浸るとき、買ったマンションの選択を誤らなかったことにチョッピリ胸を張れる気がします。

 

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