第756回「中古マンション・安心マニュアル」第2部

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論「マンションの資産価値論」を展開しております。10日おきの投稿です。

タイトルにあるように、以下は「中古マンション」を検討する買い手の立場に立ち、注意点と選び方を細部に渡ってまとめたものです。 マンション購入を考える・選ぶ段階にある読者の安心につながる指針となるよう、日ごろの活動の中から気付いたことの集大成です。 今日は前回に続く「第2回」です。

 

  マンションの価値を左右するのは、何より「立地」と言われます。 一に立地、二に立地、三四がなくて五に立地と言われるほど、立地条件の比重が高いのです。 今日は、その立地について具体的に説明して行こうと思います。  

●立地;駅力のチェック

駅力という概念があります。 分かりやすく言えば、駅名で表す街のことです。 東京駅や新宿駅などのように、駅を中心に集まる各種商業施設、飲食店、駅直結の「デパート」や地下街、銀行などが多数あって、ないものはないだけでなく、飽きないほどの数があるか、それとも郊外の住宅地の駅のように、スーパーマーケットが一軒あるだけ、飲食店も数えられる程度の寂しい駅か、その差は随分大きいのです。

 

  生活者にとっては、最低限のショップ等があれば足りるとは言えません。徒歩圏に駅が複数あって、最寄り駅だけでは足りないとしても、少し拡大すれば生活を楽しむには十分な都心の駅・街があるのはご承知の通りです。

 

  マンション探しを始めるに当たっては、現住所の最寄り駅付近の物件にこだわらず、範囲を広げて探すことをお勧めします。 住み慣れた街や子供の学校の関係などから地域限定で探したい、探さなければならない家庭の事情もあるでしょうが、地域を限定すればするほど良い物件に巡り会う確率は低くなるからです。

●立地の自己評価

立地の差を「駅力」という言葉で表しますが、これを細分化して考えてみることが必要です。項目を挙げると、以下のようになります。  

□最寄駅からのルート及び時間 □急行停車駅か否か・・・・・都心の場合は無関係と言って過言ではないですが、外周部の場合は軽視できない要素です

□環境チェック・・・自然環境だけでなく人工的なものも含めて良い環境かどうか? □高低差・・・・・高台か谷地か? □飲食店 ・・・・・・レストラン数、種類はづか

□美観・・・・・再開発によって整備された美しい街並みかどうか □夜の安全 ・・・・・・人通り は? 風俗店などはないか

□照明 明るさ(防犯灯)・・・・・暗がりを通らずにマンションに行き来できるかなど □駅からマンションまでのルート・・・・・ 歩道はあるか、安全な道か □騒音問題はないか・・・・・車、子供、通学路、救急車など

□保育園・幼稚園 の数や保育時間

□小学校・・・・・マンションからの距離やアプローチなど。子供の立場でチェックすることが大事です

□公園・一級河川・海・湖等・・・・・良い環境と言えるか、安全か等 □買い物;スーパー、コンビニ・・・・・数、種類、営業時間など

□前面道路の交通量・・・・・幹線道路でトラックなど大型車の通行が多くないか

□眺望・・・・・街の景観、一級河川、公園その他の借景など

□近隣嫌悪施設はないか・・・・・工場・ゴミ置き場・風俗・パチンコ店・カラオケボックス・鉄塔・斎場・火葬場などはないか  

●立地の世間評価はこうする

マンションの立地の良し悪しを測る方法でお勧めは、中古マンションの価格を調べてみることです

 残念ながら成約価格を知ることは簡単ではないのですが、売り出し価格でも目安としては十分なので、SUUMOなどの情報サイトで、駅ごとに相場を比較してみると良いでしょう。  

 

マンション名、築年数、最寄り駅からの距離、価格、専有面積、平米単価または坪単価を一覧にしてみることです。 築年で同年の売出し物件が多数あるとは限らないので、「築5年未満」、築10年前後、築15年前後、築20年未満、20年年超など、と区分して整理するとよいかもしれません。

  最寄り駅が「急行停車か各駅停車のみの駅か」でも価格の違いが分かるはずですが、大事なことは「相場の低い駅」を探すことではないのです。

 

利便性の高い駅、生活利便性の高い駅は高値なので、そのような駅が良いですし、お勧めなのですが、それを知ることに役立つだけでなく中古マンションの相場観を知ることに役立つ作業です。

街の価値は中古マンションの価格に反映されるものであることが分かるでしょう。  

●建物のチェックポイント

ここからは、マンションの構造の特色、優劣などを解説します。

※マンションの構造の種類

マンションの構造は「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類に分けることができます。そのうちのラーメン構造とはドイツ語の「Rahmen」から取られたもので、「額縁」や「枠」を意味します。  

壁式構造の方が良い面が多いとされますが、高層マンションには採用できず、高々5階までの低層マンションで採用されています。   ラーメン構造を平面図で表すと以下のような形です。柱が外に出ているのがアウトフレーム工法、中に食い込んでいる右図の形状が多い。

 

アウトフレーム工法の方が、家具を置きやすい、室内がスッキリとするなどのメリットあるので、近年はアウトフレームが増えています。  

※スラブと二重天井・二重床

スラブとは床のことで、一般的には鉄筋コンクリート造の建築物において、床の荷重を支える構造床のことを指します。   このスラブとスラブの内側、すなわち、マンションの床と天井をコンクリート面とは別に設けたもののことで、二重床工法とは、床スラブの上に直接カーペットやフローリングを張るのではなく、足を付けて床板を設置し、二重構造にしたものを言います。  

 

二重天井は、スラブから内装天井を吊り下げる形で仕上げる工法のことです。上階からの雑音を防ぐために用いられます。また、床を支えるための小梁や、換気用ダクトを天井裏に隠して設置することができるので、室内空間をすっきりさせることも可能です。  

 

近年のマンションは二重床・二重天井が一般的ですが、コストカットのために直床構造としたマンションも少なくありません。

※建築確認年月で知る「旧・耐震基準か新・耐震基準か」

過去何度か改定されて来た建築基準法ですが、最も大きな改定が行われたのが「耐震基準」の変更で、1981年に実施されました。 

要するに、耐震基準の強化が行われたのです。基準法改正以降に設計されたものが新耐震設計、それ以前のものが旧耐震設計と呼ばれています。  

 

新耐震設計は関東大震災クラスの地震がきても、重大な被害・崩壊がないこと、あるいは若干の修理で建物が再利用可能であるという基準で考えられています。

1981年以前の建築許可マンションは全て耐震性に問題があるとは断定できないものの、安全かどうかは専門機関の調査結果を待たなければならないのです。  

※耐震構造/免震構造/制振構造か

マンションの構造は、一般の「耐震構造」のほか、「免震構造」と「制震構造」があります。 

免震構造は、地震による建物の揺れや破壊を防ぐため、地震の力が直接建物に伝わらないよう工夫された構造のことです。   基礎部分と建物の間に、水平に柔らかく動くバネの原理で、地震の揺れを建物に伝えにくくする積層ゴムや、振動エネルギーを吸収するダンパー(振れ止め)などの装置を入れることで、地震時に建物にかかる水平力を、在来構造に比べて20%か30%にまで低減することができると言われます。  

 

建物に制震ダンパーなどを取り付けて地震エネルギーを吸収するのが「制震構造」。「免震構造」は、建物と土地の間に積層ゴムやダンパーを設置し、建物が受ける地震エネルギーを軽減し、揺れを減衰するもの。 それ以外の従来型・一般的な建物を「耐震構造」といいます。

※不安な建物構造の例

1階がピロティ構造・・・・・壁が少なく、柱だけで支えるため、地震に弱いとされます。

(ピロティとはフランス語: Pilotisで、2階以上の建物において地上部分が柱のみで壁のない部分を指す)  

1階が大きな店舗・・・・・店舗部分の壁が取り払われ、実質、ピロティ構造の場合があるので、要注意の構造です。 同じように、柱以外の壁をガラス張りにした店舗などがテナントであっても、構造は弱いと考えられます。 (1階部分に住居をつくらず、ピロティ形式の駐車場にしたマンションは数多くあります。1階が大きな店舗の場合も要注意です)  

マンションの建物形状にもいろいろあります。上から平面で見た場合だけでも、単純な箱型(ようかん型とも言う)から、L字型、コの字型、あるいは凸凹がある複雑な形状をした建物など、また上層階がセットバックしたものや斜面地に階段状に建つもの、高さも3階建ての低層のものから地上50階を超えるタワーマンションまで実に様々です。  

それぞれに特徴はありますが、代表的な形状を2つ例にとってみましょう。

まず、マンションの基本型となる「ようかん型」。シンプルな箱型の形状で、住戸がお菓子の羊かんを切った時のように並んでいるので「ようかん型」と言います。 基本型というのは、この形状が最も建築コストも安く、また将来のメンテナンスに掛かるコストも比較的安くすみます。  

単純な形状だからこそ、耐震性や耐久性も高いと言えますが、建物としてはあまり面白味もなく、また住戸のバリエーションも同じような間取りのものが多くなります。  

 

一方、複雑な形状の代表格が「雁行型」と呼ばれる建物。 雁が隊列を組んで空を飛ぶ様に似ていることからこの名がついたのですが、住戸を少しずつ、ずらして配置する形状で、事例は少ないのが実態です。

 

各住戸が角部屋のような配置となり、開口部が増えるので、間取りも面白いものができます。 壁や柱が増える分、建築コストや後々のメンテナンスコストは割高となりますが、外観的にも高級感が増し、総体的にグレードは高い形状と言えます。  

 

このように、ひとくちにマンションといっても、その形状も千差万別であり、また、それぞれによってメリット・デメリットもあります。   中古マンション市場においては、このような建物全体としての質や特性が、明確に評価されていない場合も多く見受けられるので、そういったところにも気をつけて、物件を検討することが大切です。  

※免震構造と制震構造・・・地震に強いのはどっち?

免震構造は以下のように理解されています。

・耐震構造の半分以下に地震の力を軽減します。 ・ゆっくりゆれるため家具や設備等の転倒・破壊を防ぎます。

 

制震構造は、耐震構造の70%程度に地震の力を軽減します。比較すると、免震構造よりは激しくゆれるとされ、家具や設備等の転倒・破壊の恐れもあると言われます。   竣工後のメンテナンスは、免震構造の方が定期点検および臨時点検が必要と言われます。

一方の制震構造は、点検フリーとされます。  

※地震対策では免震構造が一歩リード

これらの新しい構造システムがどの程度の効果を発揮するかは、発生する地震の規模や震源からの距離など様々な要因が関係するため一概に言えないようです。  

しかし、横ゆれに関して「揺れをカットする」という効果が認められている免震構造の建物は、やはり安心感が違うと言えそうです。 ただし、建物の形状や地盤の状態によっては効果をあまり発揮しない場合もあるため、「免震構造でない建物」がNGだということではないのです。 

●マンションの寿命・人間の寿命

マンションは古くなったらどうなるの?寿命は何年?このような心配がふと頭をかすめることはないでしょうか?

人間は高齢化が進み、今でも日本人の平均寿命は80年余ですが、やがて90年に伸びるかもしれません。 百歳まで生きる人も今よりずっと増えるでしょう。 その前提でマンションの寿命を考えると、心配事が出て来ます。

 

  マンションを40歳の人が新築で購入し90歳を迎えるとき、マンションの年齢は50歳です。そのときマンションはどんな状態になっているのでしょうか? 新築マンションを購入した人も、長く住めば、先には老朽化の問題に直面するときが来ます。中古マンションを購入した人は、そう遠くない日に心配の種を抱えるようになるかもしれません。 

※マンションもいつかは建て替えるときが来る

マンションの躯体(構造体)の耐用年数は税法上47年ということになっていますが、実際は百年くらいの寿命があるとも言われています。 

ただし、適切なメンテナンスを継続的に実施した場合です。  

 

マンションが、人間の生活に適するものであるためには、コンクリートの躯体以外に、電気や水道、ガス、排水といった機能が残っている必要がありますが、これらの寿命はコンクリートよりはるかに短いため、定期的なメンテナンスと交換などの措置が必須になります。  

 

しかし、やがては部分的な修理では間に合わなくなってマンション全部の造り替え、すなわち建て替えの必要が起きるはずです。   これまでの例を見ると、平均40年で建て替えが実行されて来ました。短いものでは18年(旧住宅公団の宇田アパート・東京都渋谷区)という例もあるほどです。 

 

この短さの原因は、高度成長時代に「質より量」優先で建てられたことにあるとされます。   早く言えば、先のことまで考えられていなかった粗悪な集合住宅が多かったためです。

最近のマンションには、そうした粗悪なものは少ないと考えられますが、いつか寿命がくることは間違いありません。   そのとき、マンションの権利関係はどうなるのでしょうか?その費用は誰が支払うのでしょうか?それとも、そのマンションに対する権利がなくなってしまうのでしょうか?

 

このような疑問を持つ人もあるようです。ただ、そんな先のことまで考えてマンションを購入する人は少ないのも事実です。 第一、100歳まで同じマンションに住み続けることはイメージしにくいものです。   しかし、買い替えを繰り返しながら常に新しいマンションに住み続けることもないはずで、どこかの時点では相当古いマンションに住むことになるでしょう。そのとき、その古いマンションの寿命が尽きかけているような状態では困ります。

 

  結局、マンションの寿命という問題は他人事ではなく、自分の問題として降りかかってくる可能性があるのです。   建て替えの必要が起こる状態のマンションは、居住性が相当悪化しており、最悪の場合はスラム化している可能性もあります。

 

その状態では、所有者が賃貸している比率も高いはずで、そうなると建て替え計画の推進に必須の合意形成は非常に困難と推察できます。   建て替えのための諸事が面倒だから、このままそっとしておいて(建て替えは私があの世に行ってからにしてなど)と反対する高齢者も多いことが推察できます。  

※建て替えの難しさ

マンションの建替えは、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律。別称、マンション法)によって所有者の5分の4以上が賛成しないと実現できないことと、住民の費用負担の問題などがあって、建て替え決議は相変わらず難しいのが実情です。  

 

これまでの例を見ても、建て替えの実現までには長い年数がかかっています。たとえば、渋谷区にある有名な「同潤会代官山アパート(2000年8月竣工。501戸のマンション等)」の場合は、12年を要しているのです。  

2011年に取り壊し工事が始まった「多摩ニュータウン諏訪2丁目住宅」は、分譲から40年経っていた1991年に建て替え協議が始まり、それから合意形成まで20年を要したことになります。 640戸のうち2戸を除いて賛同を得ることができ、2011年に着工に至った(竣工済み)と報道されています。  

 

建て替えには巨額の費用がかかります。これをどのようにするかと言うと、例えば再開発や総合設計制度の活用で容積を倍増して「保留床」という財産を生み出し、それをデベロッパーに売ることで、建て替え費用に充てるのです。  

容積とは、「敷地面積の〇〇%までの床面積の建築を許す」という都市計画法に定められた建築の要素ですが、東京都心の超高層ビルが建っているような地域は500%~1000%、一戸建ての住宅街は100%以下というように幅があります。  

 

仮に、容積300%の地域に150%の範囲で建てられた老朽マンションがあったとします。そこに、限度の300%まで面積を増やした新しいマンションを建設すれば、増えた分を売却することで建設費を生み出すという計算が成り立つわけです。しかしながら、このような例は稀有なのです。  

※建て替えの障害

小泉内閣時代の規制緩和政策の流れを汲んで、容積率も緩和されました。従来200%しかなかった場所が300%に増えたり、都心の高度利用地区に指定されている場所では、指定容積率に300%割増を認めたりするケースもあります。  

 

また、総合設計制度という従前からある制度を活用して、容積率400%の場所に600%の建物が建てられるボーナス制度もあります。 容積率の緩和は、都市計画によって受けられる場所と受けられない場所があります。また、敷地の規模によっても緩和の程度が異なるのです。

 

いずれにしても、建て替えを円滑に進めるには、容積率の緩和が必須です。   都市計画は、時々見直しが行われます。そして、容積率が変更されることもあります。マンションの分譲時に200%だった地域が300%の地域になるかもしれません。そうなれば、保留床が生まれ、建設費用の捻出は可能となります。しかし、その逆もあり、結局、そのときになってみないと分からないと言うほかにありません。  

 

建てられた公団や公社のマンションには、容積緩和策がなくても、敷地利用に元々ゆとりあるものが多いのですが、民間マンションでは、こうしたゆとりの設計はほとんどありません。 従って、床面積を増やすことができないのです。

ということになれば、建て替える際には、容積率のボーナスが得られない限り、一時金など莫大な金額の負担を強いられる可能性が高いことになります。

 

  蛇足ですが、毎月徴求される修繕積立金に、将来の建て替え費用までが織り込まれた物件はないので、建て替え計画に当たっては、その費用負担が大きな問題になることは言うまでもありません。  

※マンションのスラム化が社会問題に

適切なメンテナンスをして行けば50年や60年は問題なく住み続けることができるはずが、実は30年でダメになるマンションもあるという警鐘を鳴らす向きもあります。

30年で住めなくなることはないにしても、住みづらくなって転居する人が増え、管理費の滞納なども増えて次第に賃貸マンション化し、やがては空室が多くなってスラム化したり、幽霊マンションのようになったりする。これは決して特異なケースではないのです。

 

  そうなると資産価値も何もあったものではないわけで、これは既に現実の姿として起きていると、いつかテレビ番組が取り上げていました。 そうだとすると、これは他人事ではありません。本当のところはどうなのか?マンションに住むときには、ある覚悟、心構え、そのようなものが必要なのかもしれません。  

●管理会社の体質の問題

委託業務をこなすだけで、長期的な視野を持っていない管理会社に委託していると、例えば、長期修繕計画がない、作らない、作っても住民に理解を求め実行に誘導する能力に欠けるといった問題が現実に起きています。

 

  「マンション管理の主体はあくまでも所有者で構成される管理組合である」。これは原則ですが、管理会社に丸投げしておいても安心できる例も少なくないのです。 ところが、管理費の節減を狙って管理会社を交替させたことから、先述のような頼りない管理会社と付き合うはめになってしまう例もあります。  

 

東日本大震災のときの対応で管理会社が見直されたというニュースもありました。インフラ復旧までの応急措置や、連絡網作りなどに先頭に立って住民を誘導し、安心させたといいます。   管理費が少々高くても、防災対策や防災組織、避難訓練、防災マニュアル作成などの提案や助言ができるか、コミュニティづくりの手助けをしてくれるか、長期的な視野に立ってメンテナンスの計画を立案し提言してくれるか、このような観点で管理会社を再評価すべきだという声も高まっているようです。  

 

管理会社に任せるところは任せたらよいのですが、管理会社の選択を誤ると、取り返しのつかない問題になりがちです。 また、管理に無関心な住人が多く、住人同士のコミュニケーションが非常に少ない場合は、管理会社だけでなく、一部の組合役員などに都合の良いように運営されてしまう可能性もあります。最悪の場合、修繕積立金の会計処理で使途不明金などの問題が起きたりもします。  

こうしたマンションは適切な維持管理がなされず、知らず知らずの間にスラム化の道をまっしぐらということになってしまうのかもしれません。  

●建物の耐久性の問題

もともとの耐久性が低いマンションでは劣化が早く進むのも当然です。

デベロッパーや販売会社が、マンションを販売する時に「このマンションは築後40年程度で老朽化が進んで建て替えをするか、かなり大規模な補修が必要になり、その為にはこれだけの費用がかかる。一戸あたりでは、数百万円か、それ以上・・・・・」などと説明することはありません。

 

  最近は長期修繕計画を提示して販売する慣習がありますが、残念ながら50年先までの計画書はなく、せいぜい20年程度、最も長い提示の例でも30年止まりです。  

 

品質表示の「建物劣化等級」が、おおむね75年から90年間は修繕不要(但し、構造躯体のみ)の「等級3」のマンション、または100年耐久の高強度コンクリート使用マンション、あるいは厳しい審査基準で知られる「長期優良住宅」認定マンションなどであれば、スラム化の危険は小さいはずです。しかし、そのような高耐久マンションは多くないのが現実です。

・・・第2部はここまでです。次回、第3部をお楽しみに。

ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらから(http://www.syuppanservice.com

無料進呈「住んで気付くダメ間取りと名作間取り・特選50」 お申込みは「三井健太のマンション相談室」へ http://www.syuppanservice.com  

新刊ご案内!!「損しないための究極のマンション選び」

電子書籍1000円 三井健太著 概要とお申込みはこちらからどうぞ http://www.syuppanservice.com/yuuryou-book.html  

まとめて4件以内*ショートコメントサービス*始めました。

見学前のご利用がお勧め。肝心の部分に限定したショートレポートです。複数の候補があってお迷いのときに役立ちます。 ショートコメントサービスの料金とお申込みは「三井健太のマンション相談室」でご確認ください➡(http://www.syuppanservice.com

※こちらのBLOGも是非ご利用ください。

https://www.sumu-log.com/archives/author/mituikenta/(スムログ) http://sumitaimansion.blogspot.com/(三井健太の住みたいマンション)