第762回 「その間取り、問題ですよ」

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論「マンションの資産価値論」を展開しております。10日おきの投稿です。

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間取りはマンション選びの際に欠かせない項目です。

今日はマンション選びの着目点を解説します。  

●玄関脇の空調機に注目

写真をご覧になってお気づきと思いますが、廊下に室外機が丸裸で置かれています。 残念な設計です。 次の写真と比べてみてください。

●花台はありますか?

花は人の心を癒してくれます。写真にはありませんが、ここに植木鉢を置くのです。

●アルコーブのない玄関

各住戸の玄関前に設けられた窪み状になった部分をアルコーブと言います。本来は壁面の一部に造られた窪み又は壁面全体を後退させて造られた書斎等に使用される言葉なのので、これは和製英語です。

*アルコーブをやめれば単純な形になるので、コストダウンに役立ちます。 しかし、買い手から見ると、「のっぺりとした顔」になり、残念な設計ということになるのです。  

*最近の分譲マンションで、アルコーブのないマンションは「コストカットの安値」のマンションということになるようです。

 

●シューズボックスの小さな家と「シューズインクローク」のある家

マンションの玄関ドアを開けて最初に目に入るのは下足入れです。これが大きいか小さいかは軽視できない点です。

   *大きなシューズクロークは、たくさんの靴を収納できるだけでなく、ゴルフバッグなども入るので重宝なものです。  

*家族数が多い家庭、なかんずく女性が多い家庭は靴の数も半端ではないようですから、シューズクロークは大事なアイテムです。  

●収納スペースが不足している主寝室

*靴以外の収納スペースも重要ですが、全体面積が限られる中では大きなクローゼットを設けるのは難しいのです。 しかし、工夫を凝らしたマンションも少なくありません。  

*賃貸マンションと異なり、できるだけ家具・家財に囲まれた暮らしはしたくないと語る買い手さんも多いので、設計者も知恵を絞りますが、思うように行かないと嘆く声も届きます。  

*買い手の立場では、狭い賃貸マンションからの脱出を図りたいはずなので、衣服・家財をどう納めるかの知恵を絞りつつ、間取り選びをするはずですが、収納スペースはは大事な注目点です。  

●玄関ホールの狭いマンション

*玄関は家の顔です。そう語った人がありました。いわく、アルコーブやポーチのある玄関前も大事だが、ドアを開けて最初に目に飛び込んでくるホールはもっと大事だと加えています。  

*訪問者が広いホールを見て、さぞ立派なお住まいなのだろうと想像する、そんなマイホームは住人にとって密かな自慢、言い換えれば「誇らしい住まい」のオーナーになりたいはずです。  

*事実上ホールがなく、廊下の始まりにすぎないホール。これが非常に多いのが実態です。

  *応接セットが置けるような広い玄関ホールまでは望まないとしても、「寸胴タイプの廊下・ホールは残念」という声も少なくありません。  

●クランクイン型の廊下

廊下がリビングルームまで直線のマンション、かぎ型の廊下を通ってリビングルームに至る「クランクイン」のマンションとでは、後者に軍配が上がります。

  *下図のような「クランクイン型」は、廊下が長く無駄という声もあるのですが、上級の住まいを望むなら「クランクイン」が良いでしょう。  

●和室のない家

昨今の新築マンションは和室のない間取りが大半ですが、昔は和室を必ず1室組み込むのが定番でした。   *生活スタイルが洋風化してきたとはいえ、和室の良さも捨てられないという声も届きます。 筆者が買ったマンションを思い起こしてみると、オール洋室もあったが、和室付きもあったなあと懐かしくも思います。

  *泊まり込みの来客があったとき、布団を敷いて寝てもらうと考えると、和室は重宝です。  

●食品庫(パントリー)がないキッチン

キッチンに縁遠い暮らしをしていた筆者ですが、家族が在宅でないときにキッチンへ行って飲み物を探したりするときがありました。そのとき、山のような食料や飲料が冷蔵庫の中も外も、キッチン内で所狭しと、溢れていることに驚いたものです。  

*どうしてこんなに食料品・食材があるのかと不思議に思いました。 どこの家庭も同じようなものなのでしょうか?  

*いずれにしても、キッチンは収納スペースが大きいほどよいのでしょう。  

●オープンキッチンの良い点・問題点

「独立キッチン」でもなく、「対面型キッチン」でもない、いわゆるオープンタイプのキッチンは、ダイニングを広く見せる効果があります。ただし、背中に家族を背負う形で人気がありません。  

*たまに、古いマンションでこのタイプに出会うことがありますが、感心しません。

  *一方、壁を背中にしたオープンタイプのキッチンも見かけます。これは、調理台とシンクを家具としてダインイングの中の主役に押し上げた「お洒落なタイプ」で、人気があるようです。  

●キッチンから遠い洗濯室と直結型の洗濯室

キッチンとつながっている洗面脱衣室。ここには洗濯機置き場があって、家事動線としてはありがたいものです。

  *一番多いのは、キッチンから一旦、廊下に出て回り込む形の洗面所、すなわち洗濯機置き場という動線ですが、次の間取り図は、キッチンと洗面室(洗濯室)が直結、おまけにキッチンからバルコニーにも出られる。主婦にとtってありがたい間取りです。  

●浴室の出入り口がダイニングにある

洗面脱衣室の出入り口が廊下にあるか、ダイニングにあるかは軽視できない問題です。  

*キッチン脇にある形は悪くないものの、入浴時に家族の目を気にしなければならないのが問題です。 女の子がお年頃になったとき、湯上り姿を男親に見せたくないという心理が働くからです。  

 

●正方形のLDと長方形のLD

食卓セットと、テレビを見ながらくつろぐソファ、そして飲み物を置く低いテーブルのセット。 この配置は、狭いリビングダイニングのマンションでは悩ましい例が少なくありません。  

*どちらかといえば、真四角タイプより長方形のLDの方が配置はしやすいものです。  

*間取りを見るとき、何帖という表示より、縦横寸法をチェックして家具配置がしやすいかどうかのチェックをしたいものです。  

 

 

●狭いバルコニー

写真を比較すれば一目瞭然ですが、広いバルコニーへ憧れる人が多いのです。 最近の新築マンションは1800でなく2100と、もう1サイズ大きいものも少なくありません。  

 

●天井高と階高

天井の低さに落胆させられるマンションは少なくありません。とりわけ、「下がり天井」の大きいタイプが気になります。  

*リビングルームにしても個室にしても、避けられないのが「下がり天井」です。 稀に、高い天井を高らかに謳うマンションもありますが、多くが、天井の低い箇所を作っているのです。  

*次の平面図を見て、天井の低い部分がどこかを瞬時に見分けられる人は多くありません。  

*柱と柱をつないでいるのが天井の梁で、それが部屋の中に飛び出しているのをよく見かけます。 それを「ギロチンマンション」と称した記事もあります。

*梁が垂れ下がっていても、部屋の端の部分なら目立たないはずですし、問題は少ないのですが、この間取りの場合は、洋室7.1帖と、同6.5帖の真ん中付近を横断する形となり、部屋全体に圧迫感が伝わります。  

 

●エアコンは壁付けか天井組み込み型か

高級マンションでは、リビングルームのエアコンは「天井組み込み型」にするのが普通ですが、一般マンションの場合は、バルコニーに近い壁に設置される形になるのが普通です。  

*どちらが望ましいかは言うまでもありません。

 

●窓は複層タイプか単層タイプか

新しいマンションの窓は、2枚のガラスとその間にガスを入れたもの、もしくは真空にした形になっています。 一方、20年以上前の古いマンションの窓は「1枚ガラス」です。  

*ちょっと見ただけでは差がないのですが、断熱性能に差があって、最近は例外がないほど複層カラスが採用されていますが、稀に新築マンションで単層ガラスになったものを見かけます。

*単層より複層ガラスの方が断熱効果は高く、冬は暖房が要らないほどという声も多く聞かれます。  

●単身者用の間取り「女性向けと男性向け」

最後に単身者用のコンパクトマンションについて触れておきます。いわゆるワンルームマンションのことですが、ワンルームと言っても、学生向けの賃貸マンションとは区別して考えなければなりません。  

*最近は結婚しない男女も多く、おひとり様用のマンションが増えています。購入者の年齢も高くなっているため、購買力は高く、25㎡~30㎡のコンパクトな物ではなく、40㎡を超える間取りを選ぶ傾向も目立ちます。

  *特に女性は、女の城を意識しているからでしょうか?寝室とリビングを区分した1LDKタイプを好むようです。

  *男性もちょっと広めを志向するようですが、違いは女性ほどクッキングにこだわらないためか、少しコンパクトでも問題ないという人も多いと感じます。  

*といったものの、男性の中には「いつか結婚をするかもしれないから」と、少し広め選ぶ人も少なくないのです。

  *ワンルームも昨今は「ちょっと広め」がトレンドです。買ったあと、何年か先に売るかもしれないと考えるならば、売りやすい間取りの物件を選びたいものです。  

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