大京を超える大手マンション業者が誕生

ブログテーマ:マンション購入に関する疑問や各種問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。・・・・・・・・・・・・マンション業界トップ、正確には供給戸数ナンバーワンの大京(2007年を除き30年間トップ)を凌駕する会社が誕生した。
三菱地所グループと藤和不動産との合併により「三菱地所レジデンス」が2011年1月2日付けで活動を開始するという。これで、単純計算だが、大京の供給戸数を超えてランキングトップに躍り出ることになりそうだ。
2005年の【三井不動産レジデンシャル】が誕生したことを想起させるニュースであるが、三井の場合は、グループ内の再編であった。今回はそれとは異なる。この意味を考えてみた。
統合や合併の目的は、普通、どの業界でも競争力を高めることにある。マンション業界には、過去にこの種の動きは一度もなかったと記憶している。提携や資本参加、あるいは子会社同士の統合・分離独立はあっても。
もっとも、正確に言えば藤和不動産は2005年から三菱地所の子会社だった。しかし、元は全く資本関係のない企業同士である。
さて、マンション業界は、経済環境や人口・世帯構造などが今日ほどでない時代には、一時的な低迷はあっても必ず息を吹き返してきたものである。そして、マンションブームとマンション不況とを繰り返しながら大きな産業に育ってきた。
しかし、もはや成長の望めない世界になってしまった。つまり、小さなパイを奪い合う大競争時代になってしまったのである。
2008年頃から中堅マンションデベロッパーが多数倒産に追い込まれたのは、融資を止めた金融機関の「見限り」に原因があったと思わざるをえない。確かに、世界的な金融危機が銀行をして保身に走らせたという見方が一般的ではあるが、一時的に支援してもその先に確かな展望が拓けないのなら、傷が深くならないうちに、と判断して見限ったとしても不思議ではないのである。
そうであるとするなら、銀行もこの業界の先行きを悲観的に見ていることになる。
今後、ますます大手の寡占状態になるのは確かだ。金融業界が3代メガバンクに再編されたように、マンション業界も大手中心に少数の業界になってしまうのであろうか。
だが、マンション開発に果たす中堅・中小デべロッパーの果たす役割は決して小さくない。大手にはない特色を持った優良なマンションを開発する企業もあるからだ。
また、中堅以下の企業は、価格の面でも大手より安いことがある。勿論、安かろう悪かろうは願い下げだが、大手に引けを取らない良質の物件を開発してくれることもある。大手が手を出さないエリアやすき間で開発し、地域のニーズに応えてくれることもある。
こうしたことを考えながら、あの会社、この会社と、消えて行った企業に思いをいたすと、何やら寂しい気がしてならない。それも時代ということか。
賢い購入者になるには、こうした業界事情も知っておいて損はない。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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