ヴィンテージマンション

ブログテーマ:マンション購入に関する疑問や各種問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。
・・・・・・ヴィンテージマンションとよばれる築後30年以上を経過して、なお根強い人気を誇るマンションがある。外国人向けの賃貸マンションとして建てられた「ホーマット・キャピタル」や、分譲マンションでは、東京オリンピックの年に完成した「ビラ・ビアンカ」、まだ30年には達していないが、億ション団地「広尾ガーデンヒルズ」などである。他にもいくつかある。
 詳しく述べることは別の機会に譲るが、いずれも名作と言われ、入居待ちのリストには多数の名前があるという。さもありなん。近くに行ってみると、古さを全く感じさせないだけでなく、緑の多さが目立ち、安らぎ感があるとでも言えばいいのか、こんなマンションに住んでまいたいと万人に思わせる雰囲気がある。
 
 広尾ガーデンヒルズを例にとると、記憶では分譲当時(1982年~)専有面積坪当たりの単価が300万円くらいだったが、バブル期には中古市場で10倍の坪3000万円にも跳ね上がり、投資対象にすらなったのである。その後は値下がりしたものの、実は今でも坪当たり500万円もする。80㎡クラスでも1億円を超えてしまう。もっとも、売却事例はめったに見られないのだが。

 さて、何十年も経て、価値が下がらないマンションというのは、どうして存在するのだろう。立地条件の違い?最初から高級マンションだった?
 確かにそれもある。だが、建物は必ず老朽化していく。それを放置しておけば、コンクリート住宅が本来もつ寿命を縮めてしまい、最後はスラムと化す。しかし、なぜか建物のメンテナンスに関して問題意識の薄い所有者が多いという。ビンテージマンションは、愛着を持ってそこに長く住む人が多く、長く住み続けるためにメンテナンスに力を入れている点が共通してクローズアップされる。そこが大きく違うのである。
 今日10月30日の日経新聞の記事に、「首都圏の老朽マンション。進まぬ建て替え。住民の危機感薄く」という記事がある。築40年を超えるマンションは2018年には24万戸に達するそうで、管理が滞り空き室が増えて防犯面の心配も出てくると警戒する声が専門家や自治体には多いとある。
 
 住んでいたマンションに愛着を持ち続けるには、維持管理をしっかり継続していくことであろう。そうならないのは、何故か。維持管理に関する問題意識が低いから。そう思える。これからマンションを購入する人は、是非とも高い意識を持って欲しい。
 そのことが、何かの事情で手放すことになった場合も、有利な条件で売却ができ、住み替えをスムーズにさせる要因となるのだ。蛇足だが、売却がうまくいかないとき、資金計画が狂うだけでなく、精神的ストレスは非常に大きいのである。また、購入する際に、管理費や修繕積立金が安いマンションは要注意である。駐車料金が安いのも問題。

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